京都の中でも嵯峨野は四季折々の自然と触れ合うことのできる人気観光地です。特に、紅葉の美しさは京都随一で、名所と呼ばれるスポットがいたるところに点在しています。しかし、嵯峨野の魅力は紅葉だけではありません。
そこでこの記事では、嵯峨野の見どころやランチスポットなど、嵯峨野に訪れるなら押さえておきたいおすすめの観光地を紹介します。嵯峨野観光を計画中の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
四季折々の風情を見せる
嵯峨野の見どころ
嵯峨野には、季節ごとの魅力を楽しめる自然豊かなスポットがたくさんあります。ここでは、嵯峨野に行くなら訪れておきたい見どころやおすすめスポットを紹介しましょう。
常寂光寺
常寂光寺は1596年創建の寺院で、境内と境外を隔てる塀がないことから、塀のない寺とも呼ばれています。もともとは歌人としても知られる名僧、日禎上人の隠居所として造られたもので、後に加藤清正や小早川秀秋ら大名の寄進によって伽藍が整備され寺院となりました。
常寂光寺が建つ小倉山は紅葉の名所で、秋になると境内全体が赤く色づきます。特に、境内にある重要文化財の多宝堂が紅葉で包まれる様子は絶景です。この景色を目当てに、毎年多くの観光客が足を運んでいます。
平野屋
平野屋は400年以上の歴史を持つ鮎料理の老舗で、古くから愛宕神社の参拝者をはじめ多くの方に愛されてきました。茅葺き平屋建ての古民家風の外観で、古き良き雰囲気が漂う店構えが特徴です。保津川でとれた鮎をはじめ、旬の素材を生かした四季折々の料理を堪能できます。
平野屋のもう一つの名物が志んこと呼ばれるお菓子です。米粉でできたお団子で、特徴的な形状は愛宕神社までの山道を模したものだといわれています。抹茶との相性が抜群で、外の景色を見ながらゆったりと味わうのがおすすめです。
化野念仏寺
化野はかつて庶民の遺体をそのまま葬っていた風葬地で、こうした遺体を供養するために作られたのが化野念仏寺です。建立当初は五智山如来寺という真言宗の寺院でしたが、後に浄土宗の開祖、法然上人が念仏道場として再建したことから浄土宗、化野念仏寺となりました。
境内には無縁仏を弔う石仏群や石塔群が無数に並び、その数は8,000体にものぼるということです。毎年、8月23・24日には、これらの石仏・石塔にろうそくを灯して冥福を祈る千灯供養が行われます。
紅葉と竹林が有名なお寺で、鮮やかな紅葉と石仏のコントラストや青々した竹林が続く風景は幻想的です。比較的観光客が少なく、静かな雰囲気でゆっくりと散策を楽しめる穴場的スポットといえます。
二尊院
正式には二尊教院華台寺という名の寺院で、発遣の釈迦と来迎の阿弥陀、二つの如来像が祀られていることから二尊院と呼ばれています。本堂の木造釈迦如来像と阿弥陀如来像をはじめ、後柏原天皇直筆の二尊院勅額や唐門勅額などの重要文化財が見どころです。
境内にはモミジやカエデなどが植えられ、秋には境内のいたるところでキレイな紅葉を見ることができます。特に、山道は紅葉の馬場と呼ばれ、多くの観光客が訪れる紅葉の名所です。2012年には、JR東海の「そうだ 京都、行こう」キャンペーンのロケ地として使用されました。
鳥居本
鳥居本は江戸時代後期から明治時代にかけて造られた建造物が残る歴史情緒あふれるエリアです。化野念仏寺を境に町並みがキレイに分かれ、上地区は瓦屋根の民家、下地区は茅葺屋根の農家が町並みを形成しています。
このエリアはかつて化野(あだしの)と呼ばれる埋葬地でしたが、江戸時代に愛宕神社が創建されたことをきっかけに門前町として発展しました。江戸時代から続く茶店や料亭もあり、門前町として栄えた当時の面影を感じることができます。
落柿舎
落柿舎は、もともと松尾芭蕉の門下である俳人、向井去来が別荘として構えた草庵です。当時、この草庵の周囲には40本の柿の木があり、去来はこの木になった実を商人に売る契約をしました。しかし、その日の夜に台風がきて売るはずだった柿の実がすべて落ちてしまったのです。こうした故事から落柿舎と呼ばれるようになりました。
現存する落柿舎は当時の建物とは異なります。1770年に再建されたもので、柿の木も門の側に樹齢300年といわれる木が一本立っているだけです。
庭には俳句の季語でもある100種以上の草木が植えられているので、腰を据えて一句詠んでみるのもよいでしょう。俳句を投函できるポストがあり、入選作品は季刊誌『落柿舎』に掲載されます。
宝筐院
宝筐院は臨済宗の禅寺で、平安時代に白河天皇の創建した善入寺を起源とする寺院です。室町幕府二代将軍、足利義詮の菩提寺となったことをきっかけに、義詮の院号(戒名)にちなんで宝筐院と改められます。江戸時代末期には廃寺となり、現在に続く宝筐院が復興したのはそれから50年後のことでした。
京都屈指の紅葉スポットとしても名高く、中でもモミジで赤く色づいた枯山水庭園は見事なまでの美しさです。紅葉の見頃の時期には毎年多くの観光客が訪れ賑わいを見せています。境内での記念撮影は自由ですが、撮影のみを目的とした入寺、三脚の持ち込みや大型・中型カメラの使用は禁止となっていますので注意してください。
滝口寺
奧嵯峨に位置する滝口寺は、平家伝説ゆかりの地として有名な寺院です。『平家物語』で描かれている滝口入道と横笛の悲恋の舞台で、本堂には滝口入道と横笛の木造、山道には横笛が記したとされる歌碑が立っています。
敷地内にはいくつかの史跡があり、中でも有名なのが鎌倉幕府を滅ぼした武将、新田義貞の首塚です。この首塚は、足利尊氏によって京都にさらされていた新田義貞の首を、妻であった勾当内侍が奪い返してこの地に埋葬したとされています。
竹林とカエデに囲まれた静かな寺院で、夏は新緑、秋は紅葉を楽しむことができるのが魅力です。紅葉は11月上旬から中旬が見ごろとなり、嵯峨野エリアの中でも一足早く紅葉を見ることができます。
さがの人形の家
さがの人形の家は、古人形が20万点以上収蔵されている日本で唯一の文化庁登録人形博物館です。江戸期から昭和期までに作られたさまざまな種類の人形があり、一階には京都で作られた人形とからくり人形、二階には各都道府県で作られた郷土人形が展示されています。展示される人形は定期的に入れ替えが行われ、季節の特別展なども随時開催中です。
土佐四天王像
土佐四天王像は幕末に活躍した土佐藩士4名の銅像で、右から中岡慎太郎・坂本龍馬・武市瑞山・吉村寅太郎の順に並んでいます。かつては旧土佐藩邸役宅址に立っていましたが、土地の再開発に伴い、落柿舎から常寂光寺へ向かう道沿いに移動されました。1864年に坂本龍馬と中岡慎太郎の2名が長州本陣となっていた嵯峨野に訪れたことにちなんたもので、幕末史ファンの間で人気のスポットとなっています。
ゆっくり味わいたい
嵯峨野の一押しランチ
京都市内でも自然豊かな嵯峨野には、寺社仏閣だけでなく和食を中心としたグルメスポットも豊富です。料理だけでなく店やお庭も素敵なお店もあり、時間をかけて食事を楽しみたい店がたくさんあります。今回は、嵯峨のの一押しグルメ・ランチスポットをご紹介しましょう。
松籟庵
トロッコ嵐山駅の近くにある湯豆腐専門店です。旧近衛家の別荘を改築した店舗でいただける湯豆腐は、嵯峨豆腐「森嘉」のものを使用しています。料理だけでなく庭や建物も素敵で特に春の桜と秋の紅葉は見事です。毎年紅葉の時期は大変混み合います。週末は予約客だけで一杯になってしまうことも多いので、早めの予約がおすすめです。
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨亀ノ尾町官有地内
電話番号:075-861-0123
営業時間:11時~17時(金~日・祝は20時まで)
定休日:年末年始
駐車場:なし
交通案内:京福電鉄嵐山駅から徒歩15分
公式サイト:http://www.shoraian.jp/
発酵食堂 カモシカ
昔ながらの製法で作られた塩や無農薬のお米・地元で採れた野菜などを使った体に優しい和食が食べられるお店です。みそやしょうゆ・麹などの発酵食品がふんだんに使われているので、食べると元気になれます。おひとりさまでも入りやすい店構えなので、女性の一人客も多いですよ。
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺若宮町17-1
電話番号:075-862-0106
営業時間:11時30分~15時
定休日:日・祝
駐車場:なし
交通案内:JR嵯峨嵐山駅から徒歩3分
竹むら
トロッコ嵯峨駅近くにある湯豆腐のお店です。嵐山には湯豆腐を出すお店がたくさんありますが、竹むらは一人でも入りやすく回転も早めなので、観光シーズンでも長々と待つことなく入れます。湯豆腐の他にてんぷらなどもありますので、湯豆腐だけでは物足りないという方にもおすすめです。
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺北造路町48-7
電話番号:050-5877-3344
営業時間:11時~20時
定休日:木曜日
駐車場:なし
交通案内:トロッコ嵯峨駅から徒歩6分
めん茶屋かかし
トロッコ嵐山駅近く、にしんそばや湯葉うどんのおいしいお店です。トロッコ嵐山駅前は、京福電鉄や阪急の嵐山駅よりも奥まった場所にあり観光ルートから少し外れています。そのため、観光シーズンでもあまり混み合うことがありません。おいしいものをさっと食べて観光に戻りたい方におすすめです。
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町29-4
電話番号:075-865-0094
営業時間:11~15時
定休日:水曜日
駐車場:なし
交通案内:トロッコ嵐山駅から徒歩10分
嵯峨野観光
まとめ
いかがでしたか? この記事では、嵯峨野の見どころやおすすめ観光地・ランチスポットなど、嵯峨野の魅力をお伝えしました。嵯峨野といえば紅葉が有名ですが、春夏秋冬一年を通して豊かな自然を味わうことのできるエリアです。ぜひ、この記事を参考にして嵯峨野観光の計画を立ててみてください。