清水寺(京都)
?評価について

京都 清水寺
世界遺産にもなっている名寺で
歴史や文化に触れる

京都観光に欠かすことのできない定番の寺院と言えば、清水寺です。国内のみならず世界中からの観光客でにぎわっている世界遺産で、パワースポットとしても知られています。

この記事では、そんな清水寺の魅力・見どころからアクセス情報や歴史・主な行事まで、清水寺に行くなら押さえておきたい情報をまとめて紹介していきましょう。きっと、その素晴らしい景観と歴史ある風情を味わいたくなるはずです。

この記事を読むことで、清水寺のさらなる魅力を知ることができます。

世界遺産 清水寺の
歴史と伝説

清水寺は、山号を音羽山とし、現在は北法相宗の大本山となっています。清水寺はいつどのように建てられ現在までの歴史を歩んできたのでしょうか? まずは、清水寺の歴史や伝説について解説します。

始まりは延鎮上人と坂上田村麻呂

清水寺は、奈良時代に延鎮上人(えんちんしょうにん)という僧侶によって開かれました。清水寺建立のきっかけは、延鎮上人と坂上田村麻呂との出会いです。延鎮上人が観音様のお告げを受けて音羽山に入ると、安産のためにと鹿狩りに来ていた坂上田村麻呂と出会います。すると、延鎮上人は「安産のために殺生をするとは・・・」と坂上田村麻呂に対して殺生の罪を説きました。坂上田村麻呂は、延鎮上人の話に感銘を受け、妻と共に滝の近くにお堂を建てます。これが現在の清水寺の始まりと言われ、延鎮上人を創始者(開山)、坂上田村麻呂を発起人(本願)としているのです。

戦火による火災で幾度も消失

810年に公認の寺院となった清水寺は、その後長い間、興福寺の支配下に置かれることとなります。そのため、比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)に所属していた祇園感神院や周囲の寺社と衝突を繰り返すことが多く、高円寺と延暦寺(えんりゃくじ)の争いに発展することもありました。本堂をはじめとする殿堂は、戦火により幾度も焼失しています。

徳川家光によって再建

1633年、清水寺は徳川家光の寄進によって再建されます。清水寺に現存する建物の多くは、このときに再建されたものです。

清水の舞台から飛び降りる事件が多発

清水寺と言えば「清水の舞台から飛び降りる」ということわざが有名です。しかし、これは単なることわざではありません。実際に清水の舞台から飛び降りるという事件が1694年から1864年の間に234件も発生したのです。清水寺には高い崖に張り出して作られた舞台があり、その崖から飛び降りると成仏できると言われていました。そのため、身を投げる者が絶えなかったということです。1872年には政府が飛び降り禁止令を出し、柵を張るなどの対策を施しました。

世界遺産 清水寺の
伽藍と見どころ

清水寺にはたくさんの見どころがあります。境内にある建物をまとめてご紹介しましょう。

仁王門(におうもん)

清水寺 仁王門(京都)

清水寺の正門 朱塗りの仁王門

清水寺の正門で、幅約10m・奥行き約5m・標高約14メートルの桜門です。鮮やかな丹塗りのため赤門とも呼ばれています。応仁(おうにん)の乱によって焼失しましたが、15世紀末に再建されました。2003年には解体修理され、現在は絶好のシャッターポイントとして有名です。

馬駐(うまとどめ)

清水寺 馬駐(京都)

簡素な造りの重要文化財 馬駐

かつて、貴族や武士はここに馬を繋いで徒歩で諸堂を参拝していました。正面約10.5m・側5mと規模が大きく、同時に5頭の馬を繋ぐことが可能だったようです。現在の建物は応仁(おうにん)の乱後に再建されたもので、2010年には全面修復されています。

西門(さいもん)

清水寺 西門(京都)

仁王門をくぐった右手に建つ重要文化財 西門

仁王門をくぐって右方にある門で、重要文化財にも指定されています。現在の建物は1631年に再建されたものです。ここから見る西山の日没は素晴らしく、極楽浄土に往生する入り口の門であったと考えられています。1994年には色彩の全面復元がなされました。

経堂(きょうどう)

清水寺 経堂(京都)

三重塔の隣に建つ重要文化財 経堂

清水寺塔頭である来迎院の仏堂です。平安時代には、一切経を所蔵し、全国から学問僧が集まる講堂として栄えたと言われています。堂内には釈迦(しゃか)三尊像が祀られ、鏡天井には岡村信基による円龍が描かれているのが特徴です。現在の建物は1633年に再建されたものだと言われています。

田村堂(たむらどう)

正面および奥行き三間・入母屋(いりもや)造り・桧皮(ひわだ)ぶきのお堂で、国の重要文化財に指定されています。内部には坂上田村麻呂夫妻像が安置されていますが、普段は非公開です。

轟門(とどろきもん)

三間一戸の八脚門で、ここを通って本堂へと向かうことができます。妻壁や天井の構造は東大寺の転害門の縮小版です。仁王門(におうもん)からこの門の手前までが無料エリアで、この場所に拝観券売り場があります。

本堂(ほんどう)

清水寺 本堂(京都)

徳川家光の寄進により再建された国宝 本堂

1633年に再建された、正面約36m・側面約30m・標高約18mの大堂です。堂内は巨大な丸柱の列によって外陣と内陣・内々陣の3つに分かれています。建物は優美な曲線を見せる寄せ棟造りです。屋根や軒下などには平安時代の宮殿や貴族の邸宅のような面影があります。

清水寺 本堂の舞台(京都)

清水の舞台と呼ばれる本堂の舞台

奥の院(おくのいん)

清水寺 奥の院(京都)

延鎮上人が修行した旧草庵(そうあん)跡と伝えられています。本堂と同様の舞台造りで、ここから望む京都市外の景観は絶好の撮影スポットです。

三重塔(さんじゅうのとう)

清水寺 三重塔(京都)

清水寺のシンボル 三重塔

西門と同様に豪華絢爛(ごうかけんらん)な建築美が特徴的です。現在の塔は古様式に則(のっと)って1987年に解体修理したもので、総朱塗りとともに、桃山様式を示す極彩色文様が復元されています。三重塔(さんじゅうのとう)としては日本最大級の高さを誇り、古くから清水寺のシンボルとして親しまれてきました。

音羽の滝(おとわのたき)

清水寺 音羽の滝(京都)

パワースポットとして知られる音羽の滝

清水寺奥の院崖下にある滝です。現在は清水寺のパワースポットとして注目を集め、多くの来訪客が行列を作っています。この滝の水は音羽の山中から湧き出る清らかなものであり、この水が「清水寺」と名付けられた由来です。滝は3筋に分かれて落ちてきており、向かって左から「学問成就の水」「恋愛成就の水」「延命長寿の水」とされています。

随求堂(ずいぐどう)

清水寺 随求堂(京都)

塔頭、慈心院の本堂である随求堂

塔頭(たっちゅう)の一つ、慈心院(じしんいん)の本堂で1718年に再建されています。堂内には縁結びや安産・子育ての神仏も祀られており、お堂の下を大随求菩薩の胎内に見立てた「胎内めぐり」が人気です。心の生まれ変わりを体感できる場所として注目を集めています。

朝倉堂(あさくらどう)

室町時代後期に越前の守護大名であった朝倉貞景が「法華三味堂」として寄進したのが始まりです。国の重要文化財に指定されており、通常は非公開となっています。

釈迦堂(しゃかどう)

一見簡素な造りのお堂ですが、内部には朱(あか)い漆塗りの来迎(らいごう)柱や遊飛する天女の天井画など、華麗な装飾が特徴的です。1972年の豪雨で倒壊し、その3年後に再建されています。

阿弥陀堂(あみだどう)

釈迦堂と奥の院の間に建つ、正面三間・奥行き四間・入母屋造(いりもやづく)りのお堂です。浄土宗の開祖である法然(ほうねん)がこの地で念仏を修したとの故事により、法然上人二十五霊場の十三番目となっています。

子安塔(こやすのとう)

清水寺 子安塔(京都)

子安観音が祀られている子安塔

聖武天皇・光明皇后の祈願所として伝わっている建物です。高さ約15m・桧皮葺(ひわだぶ)きの三重塔の内部には子安観音が祀られ、安産の神様として大きな信仰を集めてきました。

清水寺の
行事・イベント情報

清水寺では、四季折々にふさわしいさまざまな行事が行われています。主なものをご紹介しましょう。

夜の特別拝観

清水寺 本堂のライトアップ(京都)

ライトアップにより鮮やかに浮かび上がる本堂

清水寺では「夜の特別拝観」が春・夏・秋の年3回行われています。夜のライトアップにより、国宝本堂を始め堂塔殿堂がより立体的に浮かび上がり、昼間にもまして荘厳な雰囲気に。特に11月中旬~12月初旬の期間に行われる「秋の夜間特別拝観」では、燃え上がるような紅葉が幻想的です。清水寺から夜空に向かって放たれる青い光は、観音様の慈悲の心を表したもので、京都市街からも美しい光景が望めます。

千日詣り

千日詣(まい)りは観音様最大の功徳日で、一日のお詣(まい)りで千日詣(まい)ったと同じご利益があると言われています。期間中は夜間特別拝観も行われ、ライトアップされた美しい光景に心を奪われるはず。年に一回、この日にしか配布されないお札をいただくこともできます。2016年度は8月9日~16日までが千日詣りの期間です。

成就院園庭特別拝観

清水寺 成就院園庭 月の庭(京都)

成就院の園庭 月の庭

清水寺にある成就院の園庭は別名「月の庭」と呼ばれています。借景式池泉観賞式の園庭で、国指定の名勝です。普段は非公開ですが、春と秋に特別公開しています。夜はライトアップされるため、昼とは違った表情を楽しむことができるでしょう。

清水寺青龍会-観音加持

春と秋の恒例行事「清水寺青龍会-観音加持」の日は、普段の清水寺とは一味違う「動」の魅力に出会えます。豪華絢爛(ごうかけんらん)な装束に身を包んで一行と青龍が、奥の院から音羽の滝・経堂・三重塔・西門・門前町を経て、再び仁王門から轟(とどろき)門・本堂へと、境内を練り歩く行事です。迫力と華やかさが堪能できる清水寺の風物詩になっています。

清水寺に関する
おすすめ書籍

清水寺の謎 なぜ「舞台」は造られたのか
清水寺学芸員の加藤眞吾氏による著書です。学芸員の著者ならではの視点で、御本尊十一面千手観音や秘仏たち・清水寺参詣曼茶羅・舞台や音羽の滝・清水寺の七不思議などについて書かれています。

清水寺の日々 FEEL KIYOMIZUDERA
清水寺公式インスタグラムに投稿されていた写真をまとめたものです。未公開写真も多数掲載されており、四季折々の清水寺を楽しむことができます。清水寺の森貫主による直筆の書も必見です。

清水寺境内案内図(音声ガイド付)
清水寺の音声付きガイドマップです。QRコードをスマートフォンで読み取ることで音声ガイドを聞くことができます。日本語のほかに、英語・中国・韓国語の4カ国語に対応しているので海外からの旅行者にもおすすめです。

清水寺の
口コミサイト

清水寺に行く前に、実際に行ったことがある人たちの口コミをチェックしておくことをおすすめします。清水寺の口コミをまとめたサイトをご紹介しましょう。

トリップアドバイザー
旅行者からの口コミをチェックできる世界最大の口コミサイトです。6000件以上の口コミが掲載されています。

じゃらんnet
日本最大級の宿・ホテル予約サイト『じゃらんnet』の清水寺ページです。2000件以上の口コミ・200枚以上の写真が掲載されています。

フォートラベル
日本最大級の旅行口コミサイトです。800件以上の口コミ・1,000枚以上の写真が掲載されています。

清水寺観光
お役立ちリンク集

音羽山 清水寺
清水寺の公式ページです。縁起・年中行事・境内案内などを見ることができます。

京都観光NAVI
京都観光NAVIによる清水寺案内ページです。清水寺の歴史紹介のほか、観光ルートが掲載されており、観光計画の参考に役立ちます。

京都府公式ページ
京都府による清水寺紹介ページです。清水寺のマップや成り立ち・見どころなどが紹介されています。

清水寺
まとめ

いかがでしたか? 清水の舞台で知られる寺院、清水寺の歴史や見どころ・行事の情報などをまとめてご紹介しました。パワースポットとしても注目を集めている清水寺の魅力を知ることができたのではないでしょうか? 京都に足を運ぶ際には、ぜひ訪れてみてください。

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