南禅院は、哲学の道付近にある南禅寺の敷地内にある別院です。南禅寺発祥の地でもあり、その庭園は三名勝史跡庭園に指定されています。南禅寺と言えば紅葉で名高い寺院ですが、南禅院の紅葉も見事です。その他に、重要文化財に指定されている亀山法王の坐像が安置されています。
今回は、南禅院の見どころや魅力をご紹介しましょう。
法王離宮だった
南禅院の歴史
南禅院はかつて亀山法王の離宮だった場所です。1289年(正応2年)に法王はこの離宮で出家して法王になり、同時に離宮は寄進されて禅寺になりました。この南禅院が時代と共に発展し、南禅寺になったのです。
南禅院の庭は亀山法王が自ら設計したという説があります。京都に唯一残る鎌倉時代の名園として名高く、天龍寺や西芳寺と共に京都三名勝史跡庭園に指定され、紅葉の名所としても有名です。
方丈(住職の住まい)は戦国時代に一度焼失しましたが、1706年に徳川綱吉の母桂昌院によって再建されました。建物内には、重要文化財指定の亀山法皇御木造が安置されています。
季節ごとに
表情を変える南禅院
南禅院には、季節によってさまざまな表情を見せる庭園や国指定の重要文化財など、見どころがたくさんあります。ここでは、観光を計画する際に押さえておきたい見どころやその魅力について紹介していきましょう。
幽玄閑寂の庭園
南禅院の庭は、深い樹林に包まれています。庭園内には龍の形をした上池と心字島が設けられた下池があり、池の周りに植えられている樹木はカエデやモミジです。紅葉の季節になると、池に紅葉したモミジやカエデの葉が映る様子も楽しめます。
南禅院は紅葉の名所として名高いですが、木々が葉を落とした冬も幽玄閑寂な美しさです。心静かに庭園を観賞したいという方は、華やかな秋よりも冬の方がおすすめ。人も少なくなり、ゆっくりと庭園の美しさを堪能できます。
重文指定の坐像と御廟
方丈の御霊殿には、亀山法王の坐像が安置されています。鎌倉時代に作られた像で穏やかな顔つきですが、力強さも感じられる作風です。法王の出家後の姿を彫ったものですので僧の姿をしています。
庭園の東南隅には御分骨を埋葬した御廟がありますが、これは亀山法王本人の遺言により建立されたものです。この逸話で、亀山法王がいかに南禅院に愛着を抱いていたのかが分かります。坐像と共に御廟に参拝するのもおすすめです。
南禅院
アクセス情報
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話番号:075-771-0365
拝観時間:8時40分~17時
休日:なし
拝観料:大人300円 高校生250円 小中学生150円
駐車場:あり(南禅寺駐車場を利用)
交通案内:地下鉄東西線蹴上駅より徒歩10分
公式サイト:http://www.nanzen.net/index.html
南禅院周辺の
観光スポット
- 南禅寺
京都を代表する観光スポットであり、最も格式のある寺院。「絶景かな絶景かな」で有名な三門を始め見どころ満載です。特に桜や紅葉の季節が人気です。近くには湯豆腐の名店である順正・奥丹・八千代があります。 - 金地院
南禅院と同じく南禅寺の塔頭寺院です。小堀遠州作の鶴亀の庭や長谷川等伯の襖絵が見どころとしてあげられます。予約すれば茶室(八窓席)も見学できます。 - 天授庵
JR東海の「そうだ京都、行こう。」のCMに登場以来、有名になった寺院です。紅葉の季節が特におすすめです。 - 蹴上インクライン
左京区の蹴上にある全長581.8mの傾斜鉄道跡で、京都の代表的な産業遺産です。90本のソメイヨシノが咲く春が特におすすめ。