長寿寺
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北鎌倉 長寿寺
春と秋に限定公開される
建長寺の塔頭寺院

長寿寺は北鎌倉に位置する寺院で、隠れた紅葉スポットとして知られています。建長寺の塔頭寺院として造られ、本寺である建長寺とは寺院が担う役割を分担してきました。通常は一般公開されておらず、春と秋にだけ期間を区切って公開されています。

この記事では、長寿寺の見どころや魅力をご紹介しましょう。

足利尊氏ゆかりの
長寿寺の歴史

境内(長寿寺)

長寿寺境内

長寿寺は、1358年に初代鎌倉公方である足利基氏(あしかがもとうじ)が、父である足利尊氏の菩提を弔うために建立しました。開山者は古先印元(こせんいんげん)です。長寿寺という寺名は、足利尊氏の法名である長寿寺殿に由来すると言われています。

長寿寺の歴史は残念ながら現在も詳しいことはわかっていません。しかし、足利尊氏の遺髪を納めたと伝わる宝篋印塔(ほうきょういんとう)が形よく残っていることから、目立った荒廃や衰退もなく現在に至っていると考えられています。

かつては非公開でしたが、最近では春と秋に週末限定で公開されるようになりました。そのほかの季節は中に入ることはできませんが、亀ヶ谷坂切通から境内を垣間見ることができます。

春と秋だけ公開
長寿寺の魅力

長寿寺の境内は広くはありませんが、足利尊氏ゆかりの物など見どころが複数あります。この項では、特に一押しの場所をご紹介しましょう。

茅葺屋根の山門

山門(長寿寺)

山門

長寿寺の山門は茅葺屋根が特徴的です。屋根を支える柱は古色蒼然(こしょくそうぜん)としており、歴史の風格が感じられます。6月下旬には、山門周囲に植えられたアジサイが鮮やかにに咲き誇り、見事な美しさです。

苔と砂のコントラストが美しい庭園

庭園(長寿寺)

庭園

長寿寺の庭園は、住職が丹念に手入れして美しさを維持している庭です。苔と白砂のコントラストが美しく、秋には紅葉の鮮やかな赤がそこに加わります。春の公開時に訪れると、苔の緑が実に鮮やかです。

奈良から移築された観音堂

観音堂(長寿寺)

観音堂

長寿寺の観音堂は、奈良県にある円成寺にあった室町時代建立の多宝塔(たほうとう)を大正時代に移築したものです。2006年(平成18年)に新しい本堂が建立されるまで、この建物が本堂でした。茅葺屋根のこぢんまりとした建物で、内部には以前の本尊である観音菩薩が祀られています。

拝観の出発点 本堂

本堂(長寿寺)

本堂

長寿寺の本堂は方丈とひとつながりになった建物で、まずはここから拝観がスタートします。建てられてから10年程度ですが、境内の自然とよく合っている建物です。内部には新しいご本尊である釈迦如来・足利尊氏束帯像・開山者古先印元(こさいいんげん)坐像が祀られています。

方丈から庭を臨む

方丈(長寿寺)

方丈から臨む庭園

方丈は本堂と一繋がりになった建物で、室内から庭を臨むことができます。柱や天井、縁側がまるで額縁のようで、室内から眺める庭は、一服の絵画にも似た美しさです。秋は紅葉が鮮やかで、春は苔と樹木の緑がコントラストを作り出します。白砂との組み合わせも見事です。

書院から庭を臨む

書院(長寿寺)

書院から臨む庭園

書院からは、境内にある別の庭を臨むことができます。外から眺めるのとはまた違った美しさです。紅葉の時期は特に見事な景色を見ることができ、時間を忘れて楽しめます。

宝篋印塔(足利尊氏の墓)

観音堂の裏手には、足利尊氏の遺髪を納めたという宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。お墓は風雪によって多少の劣化が見られますが、状態は良好です。柵の外からの見学になります。

長寿寺
アクセス情報

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1503
電話番号:0467-22-2147
拝観日:4~6月と10~11月の金土日祝日のみ(雨天拝観休止)※事前に電話で問い合わせてからの拝観がおすすめ
拝観時間:10~15時
拝観料:300円
駐車場:なし
交通案内:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩10分

長寿寺

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