円覚寺(鎌倉)
?評価について

北鎌倉 円覚寺
鎌倉禅宗を代表する
質実剛健の巨刹

円覚寺は北鎌倉の人気観光スポットです。建長寺とともに鎌倉禅宗を代表する寺院で、古くから地元の人に親しまれてきました。特に、国宝にも指定されている円覚寺舎利殿は人気が高く、特別拝観の際には大勢の人々が訪れています。

この記事では、そんな円覚寺の歴史や文化財・季節ごとのおすすめスポットから周辺のグルメ情報までをまとめました。

この記事を読むことで、円覚寺の見どころがわかり、スムーズに計画を立てることができるようになります。

北鎌倉の人気寺院、
円覚寺の歴史

鎌倉禅宗を代表する寺院、円覚寺。山号は瑞鹿山(ずいろくさん)で、正式な名称は瑞鹿山円覚興聖禅寺(ずいろくさんえんがくこうしょうぜんじ)となっています。一体、どのようにして建てられ現在の姿となったのでしょうか? ここでは円覚寺の歴史について解説します。

北条時宗が建立

円覚寺は、1282年、時の執権であった北条時宗によって建立されました。当時、鎌倉幕府はモンゴルの来襲にあい、敵味方ともに多くの死者を出すことになります。円覚寺は、こうした多数の死者を悼むために作られたものです。犠牲になった日本の武士はもちろん、敵であるモンゴル人も分け隔てなく葬られています。

火災による焼失から復興へ

室町時代から江戸時代にかけて、円覚寺は何度か火災で被害を受けています。江戸時代後期には僧堂や山門などの伽羅が復興し、現在の円覚寺の基礎を作りました。鎌倉禅宗文化の中心的な存在で、入母屋造りの舎利殿と梵鐘は国宝に指定されています。

さまざまな御朱印がいただける

御朱印とは、神社やお寺で参拝の証として押してもらう印影のことです。では、円覚寺の御朱印はどのようにしてもらうことができるのでしょうか?

円覚寺は、宝冠釈迦如来(ほうかんしゃかにょらい)・南無延命地蔵・南無十一面観世音など、多くの御朱印があるのが特徴です。宝冠釈迦如来は受付横の御朱印所、そのほかの御朱印は円覚寺の塔頭(たっちゅう)である佛日庵でいただくことができます。また、オリジナルの御朱印帳も販売されていますので、興味がある方はぜひ手にしてみてください。

円覚寺の伽藍を
わかりやすく紹介

円覚寺の伽藍配置は、中国の径山万寿寺のものを手本にしたと言われています。それぞれの特徴や歴史についてご紹介しましょう。

白鷺池

円覚寺 白鷺池(鎌倉)

国の史跡名勝 白鷺池

円覚寺の白鷺池(びゃくろち)は国史跡名勝になっています。北条時宗が円覚寺建立の適地を探していた際に、鶴岡八幡宮の神の使いが白鷺(しらさぎ)に身を変えて案内したという故事からその名がついたそうです。

総門

円覚寺 総門(鎌倉)

円覚寺の総門

円覚寺の総門には、山号の「瑞鹿山(ずいろくさん)」の額が掲げられています。初代住職、無学祖元(むがくそげん)の創建・開堂にあたっての法話によると、山中から白鹿が出てきてこの門に連なったことから、この名がつけられたということです。

山門

円覚寺 山門(鎌倉)

三解脱を象徴する山門(三門)

円覚寺の山門は、夏目漱石の『門』にも描かれたものです。桜上には十一面観音・十二神将・十六羅漢像が安置されています。山門は三門とも書かれ三解脱門の略です。

弁天堂

名前の通り、弁財天が祀られているお党です。当時、北条貞時は鎌倉時代の名工として知られる物部国光に洪鐘(おおがね)の鋳造を依頼しましたが、あまりの大きさに鋳造を2回失敗してしまいます。そこで貞時は、7晩に渡って江の島弁財天に成功を祈願しました。すると、3度目の鋳造でようやく洪鐘が完成します。弁天堂は、この成功に感謝して造られました。

洪鐘

円覚寺 鐘楼 洪鐘(鎌倉)

洪鐘は国宝

円覚寺の梵鐘(ぼんしょう)は1301年のもので洪鐘(おおがね)と呼ばれています。装高259.4cm・口径142cmで、鎌倉時代の代表的な形態を表す梵鐘です。建長寺の梵鐘とともに、国宝に指定されています。

仏殿

円覚寺 仏殿(鎌倉)

残念ながらコンクリート造の仏殿

円覚寺の仏殿は、1964年に再建された鉄筋コンクリート造の建物です。もとの仏殿は1923年の関東大震災で倒壊し、その40年後に再建されました。禅宗様の建築様式で、本尊は宝冠釈迦如来坐像です。

選仏場

円覚寺 選仏場(鎌倉)

坐禅場である選仏場

円覚寺の仏殿西側にある坐禅場です。仏殿ができるまでは、円覚寺の本尊、宝冠釈迦如来像(ほうかんしゃかにょらいぞう)が安置されていました。現在は、薬師如来像と観音菩薩像が安置されています。

居士林

円覚寺 居士林(鎌倉)

在家のための専門道場 居士林

居士林(こじりん)は、禅を志す在家のための専門道場です。現在は座禅会の会場としても使用されています。もともとは柳生流の剣道場で、1928年に柳生徹心居士より寄贈を受け、現在の場所へ移設されました。

大方丈

円覚寺 方丈(鎌倉)

本来は住職の居間であった方丈

本来は住職の居間ですが、現在はさまざまな儀式などに使用されています。背後の庭園は禅宗様式で、心の草書体をかたどって配されているのが特徴です。

妙香池

円覚寺 妙香池(鎌倉)

国史跡名勝の妙香池

妙香池(みょうこうち)は創建当初からある池で、2000年には方丈裏庭園と合わせて自然な姿に復元されました。もともとは僧侶であった夢窓疎石が手がけた庭で、紅葉など自然の美しさを感じる木々が植えられている国史跡名勝です。

舎利殿

円覚寺 舎利殿(鎌倉)

鎌倉で唯一の国宝建造物 舎利殿

舎利殿(しゃりでん)は円覚寺塔頭正続院の昭堂で、鎌倉で唯一の国宝建造物です。釈迦の歯を納めていることから舎利殿と呼ばれています。当初の舎利殿は1563年の火災で焼失しており、現存する舎利殿は1573年に北条氏康によって西御門、尼寺・太平寺から移設されたものです。

円覚寺の
代表的な塔頭紹介

高僧の死後、その僧を慕う弟子たちが建てた塔や小院のことを塔頭(たっちゅう)といいます。繁栄時には42の塔頭がありましたが、現在残っているのは19のみです。代表的な塔頭をいくつか紹介します。

佛日庵

円覚寺 佛日庵(鎌倉)

北条時宗の廊所 佛日庵

佛日庵(ぶつにちあん)は、八代執権・北条時宗の廊所です。九代執権の貞時・十四代執権の高時も合葬されています。開基廊には、十一面観音像と僧の姿をした時宗・貞時・高時の木造坐像が祀られているということです。佛日庵は、時宗の才能にちなんで学問の神・開運の神として嵩められてきました。

白鹿洞

円覚寺 白鹿洞(鎌倉)

白鹿が出てきたといわれる白鹿洞

円覚寺の創建・開堂にあたっては、無学祖元の法話を聞くために山中から白鹿が出てきたという言い伝えがあります。その白鹿が出てきたというのがこの白鹿洞(びゃくろくどう)です。円覚寺の山号 瑞鹿山にはめでたい鹿のお山という意味があります。

黄梅院

円覚寺 黄梅院(鎌倉)

夢等疎石の塔所 黄梅院

黄梅院(おうばいいん)は第十五世・夢等疎石の塔所です。1354年、門弟の方外宏遠が開創しました。本堂に安置されているのは、南北朝時代の木造夢窓国史坐像と中国の銅造千手観音立像です。

帰源院

円覚寺 帰源院(鎌倉)

帰源院

帰源院(きげんいん)は、第三十八世傑扇是英の塔所です。境内には夏目漱石の句碑「仏性は白き桔梗にこそあらめ」が建てられています。また、作家・島崎藤村もここに出入りしていたということです。

雲頂庵

円覚寺 雲頂庵(鎌倉)

かつては長勝寺の開山塔だった雲頂庵

雲頂庵(うんちょうあん)は、廃寺となった長勝寺の開山塔でした。戦国期に長尾忠景と芳隠省菊によって再興され、江戸時代に円覚寺の塔頭となりました。

そのほかにも、以下のような塔頭があります。

  • 臥龍庵(がりょうあん)
  • 桂昌庵(けいしょうあん)
  • 伝宗庵(でんしゅうあん)
  • 白雲庵(はくうんあん)
  • 松嶺院(しょうれいいん)
  • 富陽庵(ふようあん)
  • 龍隠庵(りょういんあん)
  • 蔵六庵(ぞうろくあん)
  • 寿徳庵(じゅとくあん)
  • 正伝庵(しょうでんあん)
  • 如意庵(にょいあん)
  • 正続院(しょうぞくいん)
  • 続燈庵(ぞくとうあん)
  • 昌清院(しょうせいいん)

円覚寺の
坐禅会に参加してみよう!

円覚寺では大方丈・仏殿・居士林の3か所で坐禅会を行っており、誰でも自由に参加できます。それぞれの詳細・参加方法などをご紹介しましょう。

日曜説教坐禅会

毎月第2・第4日曜日の午前9時から、大方丈で行われている坐禅会です。第2日曜日は円覚寺管長である横田南嶺氏がお話をしてくれるということで、大勢の参加者が集まります。予約不要で随時受け付けをしているので、気軽に参加可能です。

暁天坐禅会

4月から10月は午前5時30分から、11月から3月は午前6時から行われています。年中無休で行われている坐禅会です。会場は仏殿で、こちらも参加は随時受け付けています。

土曜坐禅会

毎週土曜日に行われている坐禅会です。初めての方は午後1時20分から午後2時20分まで、2回目以降の方は午後2時40分から午後3時40分までとなっています。会場は居士林です。事前予約は不要ですが、事前に説明があるため、10分前までには居士林に集まってください。

円覚寺で
季節の花を楽しもう!

円覚寺では、1年をとおして季節の花を楽しむこともできます。桜やアジサイ・紅葉の見ごろやおすすめスポットをご紹介しましょう。

春には約500本もの桜が!

円覚寺 総門前の桜(鎌倉)

円覚寺の春

円覚寺では、ソメイヨシノをはじめ、ボタンザクラやヤエザクラなどさまざまな種類の桜が咲き誇ります。境内に植えられている桜の木は約500本。見ごろは3月下旬から4月上旬ごろ。大きな山門や本堂をバッグに、境内各所で桜を見ることができます。おすすめスポットは境内にある選仏場です。茅葺き屋根との相性もよく、日本らしい風情を感じることができるでしょう。

初夏の美しいアジサイも見どころ!

選仏場前のアジサイ(鎌倉)

選仏場前のアジサイ

鎌倉はアジサイの名所とも言われており、6月初旬から7月初旬まではアジサイを見るために多くの観光客が訪れます。特に円覚寺はアジサイが美しいことでも有名で、山門や仏殿の周辺・法堂跡・佛日庵などが絶好のスポットです。

紅葉の見ごろは12月初旬から!

円覚寺 錦秋(鎌倉)

円覚寺の錦秋

円覚寺では、通常12月上旬ごろから紅葉が見ごろになります。北鎌倉駅を降りて円覚寺に向かうと、門前からすでに色づいた紅葉が迎えてくれるでしょう。山門をくぐる前にも右手に大きな銀杏が紅葉し、山門を入ると奥までひたすら紅葉が続きます。

円覚寺への行き方は?
アクセス方法

円覚寺までの行き方についてご紹介します。円覚寺には20台分の駐車場があるので、車でお越しの方も安心です。車・電車それぞれのアクセス方法を紹介します。

車で行く場合

中央道・関越道・東北道・湾岸道方面から向かう場合は、首都高速を経由して横浜・横須賀道路へ入り、朝比奈インターで下りてください。一般道を25分ほど走行すると円覚寺に到着します。

東名道から行く場合は、海老名JCTで圏央道に入り、終点の寒川北インターから新湘南バイパスを経て藤沢方面に向かってください。約50分で円覚寺に到着します。

駐車場情報

円覚寺には20台分の駐車場がありますので、お車の方はこちらを利用してください。駐車料金は、最初の1時間は600円、以降30分ごとに300円となっています。

電車で行く場合

円覚寺の最寄り駅はJR横須賀線、北鎌倉駅です。横須賀線のほか、東京駅経由の総武線直通列車・新宿駅経由の宇都宮線直通列車(湘南新宿ライン)が停車します。駅から円覚寺までは歩いて3分ほどです。

アクセス情報
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内409
電話番号:0467-22-0478
公式サイトhttp://www.engakuji.or.jp

円覚寺周辺の
おすすめグルメ

せっかく円覚寺に行くなら、グルメ情報もチェックしておきたいところですよね。円覚寺周辺のおすすめグルメをご紹介します。

鎌倉山倶楽部

鎌倉でも有名な和食のお店です。美しい緑の中にある一軒家で、上質な料理を味わうことができます。昭和期に建てられた日本家屋を利用した店内はすべて個室になっており、友人との会食はもちろん、記念日や祝い事での食事会にもふさわしいお店です。地産食材を使った懐石料理をぜひ味わってみてください。

アクセス情報
住所:鎌倉市鎌倉山3-5-1
電話番号:0467-84-9962
営業時間:ランチ 12~16時・ディナー 18~23時
定休日:水曜日・毎月最終週の木曜日
公式サイトhttp://www.kamakurayama-club.jp

松原庵

鎌倉でもトップクラスのお蕎麦屋さんです。広い店内はもちろん、晴れた日にはテラス席でおいしいお蕎麦を楽しむことができます。関東風の濃くておいしいおつゆに蕎麦がしっかりと絡まり、絶品です。おいしいお酒も豊富にそろっています。

アクセス情報
住所:鎌倉市由比ガ浜4-10-3
営業時間:11~21時
電話番号:0467-61-3838
公式サイトhttp://matsubara-an.com

安寧

円覚寺の境内にある、まさにお寺カフェとも言えるのが安寧です。中庭に面したテーブルでは、上質なランチやコーヒーを味わうことができます。円覚寺で参拝した後に、そのまま一息つけるのもうれしい魅力ですよね。

アクセス情報
住所:円覚寺境内
電話番号:080-7741-0683
営業時間:10~16時

円覚寺の
口コミサイト紹介

実際に行ったことのある人が投稿した口コミサイトをご紹介します。円覚寺に行く前にチェックしておきましょう。

るるぶ.com
旅行とおでかけをサポートする『るるぶ.com』の円覚寺口コミページです。30件以上の口コミが掲載されています。

じゃらんnet
日本最大級の宿・ホテル予約サイトです。円覚寺にかんする口コミが100件以上・写真が40枚以上掲載されています。

トリップアドバイザー
世界最大級の口コミサイトです。200件以上の口コミが掲載されています。

円覚寺
まとめ

いかがでしたでしょうか? 鎌倉時代から長い歴史を持つ円覚寺。その歴史やアクセス方法・周辺グルメ情報などをまとめてご紹介しました。円覚寺は鎌倉へ行くなら絶対に足を運ぶべき名所です。この記事を参考にして、より深くその魅力を知ってください。

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