辰巳大明神(辰巳神社)は祇園のほぼ中央、巽橋のすぐ近くにある小さな神社です。辰巳とは南東の方角を指す言葉で、はじめは御所の南東を守る鎮守社として建立されました。時代を下るにつれて祇園で働く舞妓や芸妓の信仰を集めるようになり、今では祇園を象徴する場所の一つになっています。
この記事では、辰巳大明神(辰巳神社)の歴史や見どころ・アクセス方法などをご紹介しましょう。
辰巳大明神の
ご利益
辰巳大明神には、辰巳稲荷や祇園のお稲荷さんという別名があります。この項では、そんな神社のご利益をご紹介しましょう。
- 商売繁盛
- 諸芸上達(芸事が上手になること)
- 満願成就(願い事が叶うこと)
方位の神様だった
辰巳大明神の歴史
辰巳の名が示すように、京都御所の南東を守護する神社として建てられたといわれていますが、創建年代ははっきりと分かっていません。近くにある巽橋の下に住み着いたタヌキが人を化かすなど悪さをするので、それを防ぐために神社に祀ったという伝説も残っています。
辰巳大明神の祀神は、神社の名前にもなっている辰巳大明神です。境内に狐の像が安置されてからは、辰巳稲荷(たつみいなり)とも呼ばれるようになります。
辰巳大明神の周囲にお茶屋が立ち並ぶようになると、諸芸上達のご利益があるということでお茶屋で働く舞妓や芸妓の信仰を集めるようになりました。
現在は祇園を象徴する場所の一つとして観光スポットになり、CMやドラマ撮影にも使われています。
祇園の象徴
辰巳大明神の魅力
辰巳大明神とその周辺は、祇園だけあってなまめかしい風情があります。この項では、神社の魅力や見どころをご紹介しましょう。
神社境内とその周辺の風情
辰巳大明神の周辺には奉納された朱色の灯籠や玉垣(奉納者の名前を記した柵)などが立ち並んでいます。すぐそばにある木製の欄干を持つ橋は、祇園のもう一つの象徴である巽橋です。神社周辺の道路には石畳が敷かれており、巽橋がかかる白川にそって切妻造りのお茶屋が並んでいます。
このように、神社とその周辺は「これぞ京都」と言いたくなるような風情ある景色が広がる場所です。神社周辺は毎晩11時ごろまでライトアップされていますので、日が落ちてから訪れるのもよいでしょう。灯籠に灯りがともり一層風情が増して見えますし、運が良ければ舞妓さんや芸妓さんにも出会えます。ただし、舞妓さんや芸妓さんは仕事へ行く途中なので、声をかけないように注意してください。
桜と神社が作り出す美しい景色
辰巳大明神のすぐ側を流れる白川沿いには、桜並木があります。3月下旬から4月上旬になると桜の花が咲き誇り、朱色の鳥居や灯籠・玉垣との組み合わせは絶景です。日没後は夜桜も楽しめます。神社に参拝した後、桜並木に沿って祇園内を散策するのもいいですね。
毎年桜の季節になると、美しい風景を写真に撮ろうとカメラマンが大勢やってきます。天気の良い土日は神社やその周辺がかなり混み合いますので、ゆっくりと桜を楽しみたいという方は平日に訪れるのがおすすめです。
辰巳大明神(辰巳神社)
アクセス情報
住所:京都市東山区新橋花見小路西入ル元吉町
駐車場:周辺のコインパーキングを利用
交通案内:京阪祇園四条駅より徒歩15分