山科疏水は琵琶湖から京都へ水を運ぶために整備された水路です。琵琶湖疏水は琵琶湖から京都市内まで整備されており、そのうち山科疏水は四ノ宮から日ノ岡までの約4.2キロを指します。水路脇の遊歩道は絶好の散策路で、毎年桜の季節になると地元の方や観光客がお花見に訪れる人気のスポットです。
この記事では、山科疏水の歴史や見どころをご紹介しましょう。
京都へ水を運ぶ
山科疏水の歴史
明治になると首都が京都から東京へと移され、それに伴って京都は人口も減少し産業も衰退気味となりました。琵琶湖疏水は、衰退しかけた京都復興計画の一環として建設されたものです。山科疏水は琵琶湖疏水の一部として、明治初期に工事が始まりました。
当時としては類を見ない大工事で、市で使われる年間予算の数十倍が予算としてとして計上されたといわれています。工事が始まったのは1890年(明治23年)で、すべての工事が終了したのは1894年(明治27年)です。
琵琶湖疏水というと、国の史跡に指定されている蹴上インクラインや南禅寺の水路閣が広く知られていますが、山科疏水も琵琶湖疏水の一部として日本の疏水百選に選ばれています。
歴史ある
山科疏水の魅力
山科疏水は観光客や地元の方に親しまれている景観地です。この項では、山科疏水の魅力や見どころをご紹介しましょう。
桜や紅葉が楽しめる場所
山科疏水は、水路に沿って桜並木が造られています。毎年3月下旬から4月上旬になると咲き誇る花が見事です。桜の下には菜の花が植えられており、春先の気温が平年より高ければ、菜の花と桜が同時に楽しめます。
桜並木の美しさは京都に点在する桜の名所に引けを取らず、格好の穴場スポットです。秋になると桜が見事に紅葉し、春とは違った美しさを堪能できます。
散策には最適な場所
桜や紅葉の季節以外も、山科疏水沿いは散策にぴったりの場所です。疏水には桜が散る4月中旬ごろから様々な鳥類が訪れるようになり、バードウォッチングも楽しめます。
琵琶湖疏水沿いにはベンチが設置されており、気候が良い日ならばお弁当や軽食を食べるのもいいですね。
周辺には、曹洞宗の開祖道元ゆかりの寺院である永興寺や金箔で覆われた梵鐘で有名な本圀寺などがあります。琵琶湖疏水を散策した後、これらの寺院を見学するのもおすすめです。
山科疏水(琵琶湖疏水)
アクセス情報
住所:京都府京都市山科区御陵界隈
駐車場:付近のコインパーキングを利用
交通案内:市営地下鉄東西線御陵駅より徒歩5分