京都山科に位置する日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)は、京都の中でも最も歴史ある神社の一つです。位置的には南禅寺にほど近い場所にありますが、山の中に建立されているため、これまで知る人ぞ知る隠れた名所となっていました。社殿が伊勢神宮と同じ神明造(しんめいづくり)で建てられていること、伊勢神宮と同様に外宮(げく)と内宮に別れていることから、近年、京のお伊勢さんとして注目を集めています。
この記事では、日向大神宮の歴史や見どころ・ご利益・アクセス情報をご紹介しましょう。
日向大神宮の
ご利益
日向大神宮は、伊勢神宮と同じ天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしています。ここでは、そんな神社のご利益をご紹介しましょう。
- 縁結び
- 厄除け
- 家内安全
- 大願成就(願い事が叶う)
- 交通安全
- 海上安全
千年以上続く
日向大神宮の歴史
日向大神宮は、西暦500年代に顕宗天皇(けんぞうてんのう)が筑紫日向(現在の宮崎県)にある高千穂の峰から神様を分霊して建立した神社です。歴代天皇から篤く守られ、平安時代に定められた神社の格付けである延喜式(えんぎしき)では、国からお金を受け取ることができる官幣社(かんぺいしゃ)に指定されていました。
室町時代に応仁の乱が発生すると、兵火によって社殿がことごとく焼け落ちてしまいます。神社が再建されたのは、江戸時代に入ってからのことです。後水尾天皇・中御門天皇・後桃園天皇をはじめとする天皇や皇族によって、お金や建物が寄付されました。庶民からは京都のお伊勢さんとして親しまれ、お伊勢参りの代わりに参拝をする人もたくさんいたといいます。
2013年(平成25年)に行われた20年に一度の式典、伊勢神宮遷宮の際、伊勢神宮と同じご利益がある神社として注目を集めました。今は隠れたパワースポットとして多くの参拝者が訪れています。
歴史ある
日向大神宮の魅力
日向大神宮は京都で最も歴史が長い神社の一つです。この項では、そんな神社の魅力をご紹介しましょう。
境内の美しい自然
日向大神宮は山の中に鎮座する神社で、境内の中や周囲にも樹木が豊富です。春は桜、秋は紅葉が楽しめ、その美しさは京都の有名な紅葉の名所に勝るとも劣りません。見頃を迎える時期でも比較的静かで、運がよければ美しい景色を独り占めできます。
1年を通して行われる行事
日向大神宮では、1年を通して色々な行事が行われます。中でも2月3日に行われる節分祭の時に行なえる抜け参りは有名です。抜け参りとは、境内にある天岩戸(あまのいわと)を潜り抜ける神事で、今までの罪が祓い清められて福を授かるといわれています。天岩戸はいつでもくぐることができますが、この日は特にご利益が望めるため、この日に合わせて訪れてみるのもいいですね。
日向大神宮境内の
見どころ
日向大神宮境内には複数の見どころがあります。この項では、その中でも特に必見の場所をご紹介しましょう。
外宮(下ノ本宮)
外宮(げく)は内宮の手前に位置しており、伊勢神宮と同じように外宮・内宮の順で参拝できるようになっています。ここに祀られているのは天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)をはじめ、高千穂から分霊された厄除けにご利益のある神様です。外宮の社殿を参拝してから内宮に向かうのが正式な作法になります。
内宮(上ノ本宮)
内宮は外宮の奥にあり、天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。伊勢神宮よりも社殿を近くで見ることができるので、参拝をした後で神社の建築様式をじっくり見学するのもおすすめです。
天岩戸(戸隠神社)
内宮の手前にある道を奥に進むと、天岩戸にたどり着きます。天岩戸は天照大神が隠れたと伝わる岩屋です。ここをくぐると開運厄除けのご利益があるといわれています。
伊勢神宮遥拝所
伊勢神宮遥拝所(いせじんぐうようはいしょ)は、境内の外に位置する伊勢神宮に向かって祈ることができる場所です。一度参道に戻って山道を15分ほど進むと見えてきます。は伊勢神宮の方角に向かって立っている大きな石の鳥居が目印です。
外宮・内宮とお詣りをした後にここで伊勢神宮に向かって参拝すると、伊勢参りをしたのと同じ功徳が積めるといわれています。
境内の摂社群
日向大神宮の境内には、稲荷社をはじめとして複数の摂社が祀られています。時間に余裕のある方は、摂社を一つ一つ詣でてみるのもいいですね。30分ほどあれば一通り摂社群を詣でることができます。
日向大神宮
アクセス情報
住所:京都府京都市山科区日ノ岡一切経谷町29
電話番号:075-761-6639
拝観時間:境内自由・社務所は9~17時
駐車場:あり
交通案内:地下鉄東西線蹴上駅、一番出口より徒歩15分
公式サイト:http://www12.plala.or.jp/himukai/