東山区にある光明院は東福寺の境外塔頭寺院です。東福寺といえば紅葉の名所として有名ですが、光明院も紅葉の美しさでは引けを取りません。光明院は枯山水庭園が美しい寺院としても知られており、苔の見事さにちなんで虹の苔寺という別名があります。境内にはモミジの他にサツキがたくさん植えられていて、秋だけでなく春も美しい寺院です。
この記事では、光明院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
虹の苔寺、
光明院の歴史
光明院は、1391年に金山明昶(きんざんみょう)によって開山されました。創建者は不明です。長らく東福寺の境外塔頭寺院として栄えてきましたが、明治に起こった廃仏毀釈によって荒廃します。
1911年に横幕滴泉(よこまくてきせん)が入寺し、20年以上に及ぶ托鉢によって本堂を再興しました。その後、高名な作庭家、重森三玲(しげもりみれい)氏によって、1939年(昭和14年)に波心庭、1962年(昭和37年)には雲嶺庭が造られています。
現在、庭の美しい京都の穴場スポットとして人気となっており、1年を通して訪れる方が絶えません。
庭が名高い
光明院の魅力
光明院は東福寺と同じように紅葉で有名ですが、四季折々にそれぞれの美しさがあります。ここでは、光明院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
白砂と苔が美しい波心庭
光明院の庭は波心庭と呼ばれる池和泉式の枯山水庭園で、作庭家の重森三玲氏が光明をテーマに作庭しました。白砂は大海原を、その中に立つ石柱は釈迦・阿弥陀・薬師如来や羅漢を表わしているといわれています。白砂と苔のコントラストが美しく、見ていて飽きることはありません。
庭園背後に植えられているのは、全国から集められたサツキやツツジです。これらは雲紋を表わしています。本堂・書院・茶亭のどこから見ても美しく見えるように計算されて造られているので、色々なところから庭を眺めてみるのもおすすめです。
静かな美しさを醸しだす雲嶺庭
光明時には、雲嶺庭と呼ばれるもう一つの庭園があります。こちらは参道の途中にある小さな庭です。うっかりすると見逃してしまいそうですが、松・白砂・小さな石柱の組み合わせが静かな美しさをかもし出しています。
茶亭から枯山水庭園を臨む
高台の雲上には羅月庵という茶亭があります。「雲ハ嶺上ニ生ズルコトナク、月ハ波心ニ落ツルコト有り」という禅語に基づいて造られたものであり、壁や窓・障子に描かれた円はすべて月を表わし、丸窓から臨む庭は格別の風情があると評判です。
紅葉の時期には、この茶亭でお抹茶とお菓子を楽しむことができます。
季節ごとの美しさを堪能する
光明院は、四季折々の美しさが楽しめる寺院です。春になると門前や庭のサツキやツツジが開花し、境内は華やかな美しさに彩られます。夏になるとモミジの新緑が目にまぶしく、苔の緑は1年で最も鮮やかです。秋の紅葉の美しさはいくら言葉を尽くしても語りきれません。冬になると、葉を落とした木々や茶色くなった苔が枯れた美しさを感じさせてくれます。
光明院は他の有名寺院と比べると、ピーク時でもそれほど混雑していません。ゆっくりと落ち着いて庭を眺めたいという方におすすめの寺院です。
光明院
アクセス情報
住所:京都府京都市東山区本町15−809
電話番号:075-561-7317
拝観時間:8時30分~日没
拝観料:志納
駐車場:東福寺と共通
交通案内:JR京阪電車東福寺駅下車、徒歩10分