二尊院は嵯峨野にある天台宗の寺院です。正式名称を二尊教院華台寺(にそんきょういんけだいじ)といい、二尊院の名は釈迦如来と阿弥陀如来の二如来を祀っていることに由来します。総門から200m続く広い参道は紅葉の馬場と呼ばれ、秋になると見る人を圧倒するような迫力ある紅葉が見られる場所として有名です。平成28年9月まで本堂改修工事のため、本堂は拝観できません。
この記事では、二尊院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
勅願で建立された
寺院の歴史
二尊院は、841年に嵯峨天皇の勅願(天皇が自ら願うこと)によって慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)が開山した寺院です。しかし、応仁・文明の乱で荒廃し、その後法然の弟子の湛空(たんくう)が再興しました。現在の本堂や唐門はその時再建されたもので、京都市指定文化財になっています。
本堂裏の小山は、藤原定家が百人一首を選んだ時雨亭があった小倉山です。小倉山には、空海が中国から持ち帰った小豆が栽培されていました。菓子職人の和三郎がそれを使ってあんを作り、御所に献上したのが小倉あんの始まりといわれています。
紅葉で名高い
寺院の魅力
二尊院といえば、嵐山屈指の紅葉の名所として有名です。ここでは、紅葉の美しさも含めて寺院の魅力や見どころをご紹介します。
紅葉の馬場の迫力ある紅葉を楽しむ
二尊院の境内にはたくさんのモミジやカエデなど、紅葉が美しい木が植えられています。秋になれば境内のあちこちで美しい紅葉が楽しめますが、特に紅葉の馬場という別名を持つ参道の紅葉は見事です。2012年にJR東海の「そうだ 京都、行こう」の宣伝に使われた場所ですので、ポスターやCMで見たことがあるという方も多いと思います。紅葉した木々が参道へと枝を伸ばしているため、紅葉が迫ってくるような迫力ある美しさです。
二如来を拝観する
二尊院では、本堂に祀られている重要文化財の釈迦如来と阿弥陀如来の二如来を拝観できます。(2016年9月まで、本堂改装のため拝観中止)二如来は本堂の奥まった場所に並んで祀られていて、内陣(仏様を安置する本堂内の最も尊い場所)の装飾や内陣脇の襖絵も見事です。
境内の伽藍を拝観する
二尊院の境内には、伏見城の門を移築した薬医門や天皇直筆の勅額がかかる唐門など本堂以外にも見どころがあります。本堂を拝観した後は、そちらにも足を向けてみるといいですね。その他、九頭竜弁財天堂は商売繁盛や金運アップのご利益があり、梵鐘は、幸せの鐘と呼ばれ誰でも突くことができます。
紅葉の季節はどうしても境内は混み合いますので、伽藍をゆっくり拝観したい場合は秋以外の季節に訪れるのがおすすめです。
二尊院
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
電話番号:075-861-0687
拝観時間:9~16時30分(11月は8時30分から拝観可)
休日:なし
拝観料:大人(中学生以上)500円 小学生以下無料
駐車場:あり(15台)
交通案内:JR嵯峨嵐山駅下車、徒歩15分