圓徳院
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京都 圓徳院
北野政所が晩年を過ごした
伏見城遺構の寺院

圓徳院(えんとくいん)は東山区にある高台寺の塔頭寺院で、秀吉の妻、北政所が晩年を過ごした場所です。伏見城の化粧殿と前庭を移築して造られ、安土桃山時代の華やかな雰囲気を今に伝える寺院として知られています。

この記事では、圓徳院の魅力や見どころをご紹介しましょう。

01. 貴人の住居だった
寺院の歴史

境内(圓徳院)

新緑の境内

圓徳院は、豊臣秀吉の正室、北政所の住居として1605年に建てられました。北政所は秀吉の菩提を弔うために高台寺建立を願い、徳川家康が全国の大名に普請(建築)を命じて寺院を建立させます。

高台寺が完成すると、北政所は寺院近くに伏見城の化粧殿と前庭を移築して移り住み、ここから高台寺へ通いました。北政所が存命中の間、武士をはじめとして禅僧・茶人・歌人等の文化人が彼女を慕って訪れていたと伝えられています。

北政所は晩年の19年間をここで過ごし、この世を去りました。その後、彼女の甥である木下利房が高台寺の三江和尚を開基に迎えて圓徳院を創建し、木下家の菩提寺とします。

江戸時代に化粧殿は火事で焼失してしまい、再建されることはありませんでした。前庭は北庭として現存しており、安土桃山時代の華やかな雰囲気を今に伝えています。

02. 華やかな
寺院の魅力

圓徳院は伏見城の一部を移築して造営されたもので、寺院となった今も華やかな雰囲気が残っています。ここでは、そんな寺院の魅力をご紹介しましょう。

あでやかな襖絵

圓徳院の方丈には、重要文化財に指定されている長谷川等伯作の障壁画をはじめとし、現代作家の襖絵が展示されています。長谷川等伯作の襖絵は、もともと三玄院という寺院にあった桐紋が入った唐紙の上に描かれた大変珍しいものです。この絵には、襖絵の制作を願いながら中々許可されなかった等伯が、しびれを切らし、住職の留守中に無断で唐紙に描いたという逸話が残っています。

大正から現代にかけて活躍した画家たちによって描かれた襖絵はどれも華やかで、見ていて飽きることがありません。

境内の豊かな自然

秋の圓徳院(圓徳院)

秋の圓徳院

圓徳院は小さな寺院ですが、境内には自然が豊富です。紅葉が美しい樹木や美しい花を咲かせる植物が多く、季節ごとの美しさで境内をいろどっています。春のツツジと秋の紅葉が特に有名ですが、夏の緑や冬枯れの景色も一見の価値ありです。

圓徳院で供される抹茶(圓徳院)

圓徳院で供される抹茶

圓徳院では、茶室で抹茶とお菓子を楽しむことができます。美しい自然を楽しみながら味わう抹茶は格別です。

03. 歴史ある
寺院の見どころ

圓徳院は元々は貴人の住居だったため、見どころが豊富です。ここでは、その中でも特に観光客に人気の場所をご紹介しましょう。

北政所の住居だった名残 長屋門

長屋門(圓徳院)

長屋門

長屋門とは、敵が攻めてきた際にすぐに応戦できるように武士の詰め所(長屋)がついている門のことです。本来、寺院ではこのような形の門が使われることはありませんが、北政所の住居だった頃の名残といわれています。

貴人を迎えるための唐門

唐門(圓徳院)

唐門

唐門とは、唐破風がつけられた門のことです。唐破風は作成するのに技術が必要なため、唐門を設けられる場所は限られていました。長屋門を抜けたところにあり、周囲は緑に囲まれています。

襖絵と枯山水庭園が楽しめる方丈

方丈から南庭を臨む(圓徳院)

方丈から南庭を臨む

圓徳院の方丈は襖絵で名高く、長谷川等伯と現代作家の襖絵が華やかに建物を彩っています。中でも、雪月花図と松竹梅図は華やかで、本尊正面の室中に描かれた白龍の図は雄大な美しさです。ちなみに、白龍の図を描いた赤松燎画伯は、雪月花図を描いた志村正画伯と松竹梅図を描いた木下育應画伯の師匠にあたります。

長谷川等伯の障壁画は唐紙に描かれているため、パッと見ただけでは何が描いてあるかよくわかりません。しかし、じっくり眺めていると繊細な線で描かれた松や植物が見えてきます。

方丈から臨める南庭は現代の作庭家、北山安夫氏の監修によって新たに造られました。ツツジや桜など女性好みの樹木が多く植えられた枯山水庭園で、春にはあでやかな花が咲き誇り、秋には紅葉が見事に色を付けます。

木下長嘯子を祀る歌仙堂

圓徳院を創建した木下利房の異母兄である木下長嘯子は、優れた歌人でもありました。歌仙堂は、木下長嘯子を祀るお堂です。詩仙堂・雅仙堂と併せて京都三大堂といわれています。学問・詩歌の神様として信仰を集め、参拝者が大勢訪れる場所です。

秀吉の念持仏だった三面大黒天

三面大黒天は、大黒天・毘沙門天・弁財天の三つの顔を持つ珍しい仏様で、豊臣秀吉が篤く信仰していました。この仏様を拝めば、大黒天・毘沙門天・弁財天のご利益がすべて得られるということです。境内には京都御苑から移築したお堂が祀られており、多くの人が参拝に訪れています。

創建当時から残る北庭

北庭と北書院(圓徳院)

北庭と北書院

北庭は伏見城から移築したものです。池泉回遊式の枯山水庭園で、ほぼ創建当時の姿が残っており国の名勝にも指定されています。多数の巨岩大岩が使われた華やかな造りは桃山時代ならではのものです。現在は書院から臨むことができます。

庭に植えられている樹木はモミジが多く、秋には燃えるように鮮やかな紅葉が楽しめると評判です。毎年この時期は夜間拝観が行われ、夜の庭と紅葉を楽しむことができます。

夏になると苔が色鮮やかさを増し、白砂とのコントラストは見事です。夏は秋よりも拝観客が少なくないため、落ち着いて庭園を鑑賞したいという方は、夏に訪れることをおすすめします。

04. 圓徳院
アクセス情報

住所:京都府京都市東山区高台寺下河原町530
電話番号:75-525-0101 
拝観時間:10~17時
拝観料:大人500円・中高生200円
駐車場:なし
交通案内:京阪祇園四条駅から徒歩20分
公式サイトhttp://www.kodaiji.com/entoku-in/

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