上野東照宮(上野公園)
?評価について

上野東照宮
江戸時代の社殿が残る
華やかな神社

上野東照宮は、上野公園内にある徳川家康・吉宗・慶喜を祀る神社です。徳川家光が造営した華やかな社殿が現存しており、東京では数少ない江戸建築を間近で見られる場所として、日本人だけでなく外国人の参拝客もたくさん訪れます。境内には社殿を含めて多数の重要文化財があり、歴史好きには一見の価値のある神社です。

この記事では、上野東照宮の歴史や見どころをご紹介します。

上野東照宮の
ご利益

  • 開運厄除
  • 病気平癒
  • 学業成就
  • 健康長寿
  • 金運上昇

戦火を免れ続けた
神社の歴史

上野東照宮は、1627年に津藩主の藤堂高虎と家康の側近である天海僧正によって東叡山寛永寺境内に建立されました。建立のいわれは、危篤の家康が2人に「自分の魂が長くとどまれる場所を作って欲しい」と遺言を残したためと伝えられています。現在の社殿は1651年に3代将軍徳川家光が建立したものです。

東照宮は、江戸時代に起こった震災や火災の被害をほとんど受けませんでした。上野戦争の戦火や関東大震災の火災でも焼失せず、太平洋戦争中に空襲を受けても倒壊を免れて現在にいたります。

境内に残る
重要文化財

上野東照宮には、社殿をはじめとして多数の重要文化財があります。ここでは、重要文化財の見どころをご紹介しましょう。

絢爛豪華な社殿

社殿(上野東照宮)

本殿・幣殿・拝殿3つの建物で構成される社殿

徳川家光によって建立された権現造りの社殿は、本殿・幣殿・拝殿の3つの建物からなります。金色殿とも呼ばれ金箔がふんだんに使われている他、社殿外壁には華やかな彫刻が施された絢爛豪華な建物です。

2013年の修復工事以降は、文化財保護のため社殿内が非公開になりました。500円の拝観料を払えば社殿を囲む透塀内まで入ることができます。

金箔がはられた外壁部分に目がいきがちですが、屋根と外壁の間にある虹梁(こうりょう)部分に施された極彩色の細かな彫刻は必見です。

左甚五郎の彫刻が施された唐門

唐門(上野東照宮)

唐門

1651年に建造された唐門は、社殿に負けず劣らず豪華な造りです。柱内外の四額面には、日光東照宮の眠り猫を彫ったことで有名な左甚五郎によって昇り龍・降り龍の彫刻が施されています。「偉大な人ほど頭を垂れる」ということから、頭を下に向けている方が昇り龍です。この龍たちは、夜になると不忍池の水を飲みに行くという伝説があります。

この他にも、門上部に施された彫刻は精密で美しく、室町桃山時代の技術を集大成した物として有名です。彫刻は、どれも天下泰平の願いを込めて中国の故事などを題材にして彫られています。

社殿を囲む透塀

透塀(上野東照宮)

緑の部分が透かしになってい透塀、中央は唐門

東照宮の社殿の四方は、1651年に造られた透塀に囲まれています。菱格子の向こう側がすけて見える現代のフェンスのような造りの塀です。

格子の上段には山野の動物や植物、下段には魚をはじめ海や川の生き物が彫刻されています。塀の内外に200以上施された彫刻はどれも生き生きとして躍動感にあふれていますから、決して期待を裏切ることはありません。

各大名から寄進された銅灯籠

銅灯篭(上野東照宮)

銅灯篭

境内には48基の銅灯籠が設置されています。どれも全国の諸大名から奉納されたもので、唐門内側の6基は紀伊・水戸・尾張の徳川御三家から2基ずつ奉納されました。銅灯籠は一基ずつ異なる装飾が施されていますので、それぞれの違いを見比べて見るのも面白いですよ。

関東大震災にも耐えた大石鳥居

大石鳥居(上野東照宮)

大石鳥居

大石鳥居は1633年に酒井忠世によって奉納されました。備前の御影石を使用したもので、歴史の風格を感じさせます。この鳥居は、関東大震災の際にも全く傾きませんでした。その頑丈さに当時の人々は大変驚いたと伝えられています。

現在の大鳥居は周囲を樹木に囲まれ、門前には売店もありにぎやかな雰囲気です。

境内にあるその他の
見どころ

重要文化財以外にも、境内には見どころがあります。ここでは、その中の一押しをご紹介しましょう。

移築された不忍口鳥居

不忍口鳥居は、1873年(明治6年)に江戸城内にあった紅葉山東照宮から移築された御影石の鳥居です。大鳥居に比べるとこじんまりとした造りになっています。

200基以上ある石灯籠

石灯籠(上野東照宮)

石灯籠

境内には銅灯籠の他に、200基以上の石灯籠が設置されています。そのほとんどが1651年に現在の社殿が建立された際、諸大名より奉納された物です。

大石鳥居の脇にある佐久間勝之から奉納された灯籠は高さが6.8mあり、あまりに大きいのでお化け灯籠と呼ばれています。1631年に奉納されたこの灯籠は、名古屋の熱田神宮・京都南禅寺の大石灯籠と共に日本三大灯籠の一つです。

受験生に人気の栄誉権現社

栄誉権現社に奉納された絵馬(上野東照宮)

栄誉権現社に奉納された絵馬

栄誉権現社は御狸(おたぬき)様とも呼ばれる神社で、社殿わきに祀られています。江戸時代は大奥などに祀られていましたが、安置されている所で次々と災いを起こしたため、大正年間に上野東照宮に寄贈されました。寄贈されてからは、災いがぴたりと治まったと伝えられています。

狸は他を抜くとも解釈され、強運開祖・受験・就職・必勝のご利益があるということで特に受験生に人気です。

屋根の勾配が美しい神楽殿

神楽殿(上野東照宮)

神楽殿

神楽殿とは舞を奉納する場所です。1874年(明治7年)に深川木場組合から奉納されました。屋根の勾配が美しいことで知られていて、毎年お花見の時期にお神楽の奉納舞が行われます。

上野の祖木の大楠

境内にある樹齢600年以上の大楠は、上野の祖木といわれています。幹の太さは8m以上で上野公園随一です。ご神木として信仰を集めています。

上野東照宮
アクセス情報

住所:東京都台東区上野公園9-88
電話番号:03-3822-3455
拝観時間:9~16時
休日:なし
拝観料:大人500円 小学生200円(透塀の内側の拝観のみ)
駐車場:上野公園の駐車場を利用
交通案内:JR上野駅公園口より徒歩5分
公式サイトhttp://www.uenotoshogu.com/

上野東照宮

ページへ

そのカテゴリーで訪れる価値のある場所
遠回りしてでも訪れる価値のある場所
そのために旅行する価値のある場所