鷹取山公園(鷹取山)は公園と名前がついていますが、実際には展望台のような場所で、山頂まで急こう配の道が続いています。まるで切り取られたような垂直の岩石があちこちにありますのが、これは自然にできたものではありません。明治時代から昭和初期にかけて岩石を採取していた名残です。岩石の様子が群馬県の妙義山に似ているということで、湘南妙義という別名もあります。
岩肌に彫られた
弥勒菩薩尊像
鷹取山の山頂付近には、切り立った岩肌を利用して磨崖仏(まがいぶつ)の弥勒菩薩像が掘られています。磨崖仏(まがいぶつ)とは、切り立った岩肌に直接彫られた仏像のことで、日本では大分県の臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)が有名です。鷹取山の磨崖仏(まがいぶつ)は、昭和40年代に逗子市の川口氏の依頼により、建築家の藤島茂氏が作成しました。しかし、今ではそれ以上のことは分からなくなっています。優し気な顔の仏様ですから、登山の際はぜひ拝観してみてください。
垂直に切り取られた
鷹取石
採石によって垂直に切り取られたような形になってしまった鷹取石には、無数穴が開いています。これは、ロッククライミングの練習の跡。クライマーにとって、鷹取石は格好のクライミングの練習場所なのでしょう。しかし、鷹取石は第三期凝灰岩というもろい岩質のため、クライミングには不向きです。鷹取山内にも「壁登り禁止」の看板が建てられているので、遠くから眺めるだけにしておきましょう。ただし、鷹取山安全登山協議会へ登録し、指導員の指示に従った場合だけは登攀(とうはん)が可能になります。どうしても鷹取石に登ってみたいという方は、鷹取山安全登山協議会(046-825-2350)まで問い合わせてみてください。
岩山からの
景色
鷹取山は岩山(親不知)が山頂です。そこからの眺望はすばらしく、天気がよければ、横須賀はもちろん富士山や伊豆・箱根・房総半島なども見ることができます。ここは、隠れた夜景スポットでとしても人気のポイントです。しかし、ここまで来るまでの道は決して平たんではなく、山頂も整備されているとはいえ、足を滑らせると下まで転落する恐れもあります。きれいな夜景が見たいからと無理をしないようにしましょう。
鷹取山
ハイキングコース
鷹取山からは、神武寺に抜けるハイキングコースも整備されています。時間に余裕のある方は、そのまま歩いてみましょう。四季折々の自然の風景が楽しめます。
鷹取山公園
アクセス情報
住所:神奈川県横須賀市湘南鷹取3-3-520
電話番号:046-822-8333 (横須賀市環境政策部公園管理課)
駐車場:なし
交通情報:京急追浜駅から、湘南たかとり団地循環バス「たかとり小学校」下車徒歩10分