霊鑑寺(れいかんじ)は、哲学の道のちょうど中ほどに位置する寺院です。江戸時代初期に創建され、明治時代まで皇女が住職を務め続けた門跡寺院です。鹿ケ谷にほど近い場所にあるため、谷御所・鹿ケ谷御所とも呼ばれていました。200体を超える御所人形や貝合わせなど、皇室ゆかりの寺宝を数多く所蔵している他、椿(つばき)と紅葉が美しい寺院としても有名です。春と秋にだけ特別公開が行われ、特別拝観中は菊の御紋が入った御朱印もいただけます。
この記事では、霊鑑寺の魅力や見どころ・歴史・アクセス方法・拝観料などをご紹介しましょう。
江戸時代から続く
霊鑑寺の歴史
霊鑑寺は、1654年に後水野尾天皇が自身の第十二皇女、宗澄女王(そうちょうじょおう)を開山者(初代住職)として創建した寺院です。後水野尾天皇(ごみずのお)も寺院を訪れ、庭の椿を愛でたと伝えられています。1680年代に現在の場所に移り、その後、明治時代まで皇女が住職を務めていました。
公開は年に2回
霊鑑寺の魅力
霊鑑寺は椿と紅葉が美しい寺院であり、特別公開中はたくさんの方が拝観に訪れる寺院です。この項では、そんな寺院の魅力をご紹介しましょう。
春の椿
霊鑑寺を創建した後水野尾天皇が椿(ツバキ)を好んでいたことから、寺院の庭には約30種類の椿が植えられています。中でも日光椿は創建当時から植えられており、水野尾天皇が愛でていたともいわれるものです。樹齢400年を誇る椿は、現在京都市の天然記念物に指定されています。枝に咲きほこる椿はもちろんのこと、地面に落ちた椿の花も美しいものです。庭の苔と椿のコントラストも一見の価値があります。
秋の紅葉
霊鑑寺には、椿以外にも樹齢350年を超えるタカオカエデの大木があります。秋の特別公開時には見事な紅葉が楽しめ、訪れる観光客に評判です。タカオカエデは池泉回遊式庭園の最奥部にあり、庭の色々な場所から異なる美しさを臨むことができます。
寺宝と襖絵
霊鑑寺の特別公開時には、後西天皇(ごさいてんのう)の院御所から移築した書院や皇室ゆかりの寺宝も展示されます。書院にある狩野永徳・狩野元信といった狩野派の絵師作と伝わる四季花鳥図の襖絵や円山応挙作と伝わる水墨画の襖絵は必見です。
霊鑑寺
アクセス情報
住所:京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町
電話番号:075-771-4040
拝観時間:10~16時(特別拝観時のみ)
拝観料:大人600円・子ども300円
駐車場:なし
交通案内:阪急河原町駅前より、市バス32系統銀閣寺前行き乗車、上宮ノ前町下車、徒歩五分