観音崎公園は東京ドーム15個分という広大な敷地を誇る横須賀の県立公園です。かつては東京湾を守る要塞として旧日本軍が使用しており、1975年に県立都市公園として整備・開放されるまで一般者の立ち入りはご法度でした。そのため、手付かずの自然が多く残されながらも、歴史や文化に触れることのできる施設・スポットが点在しています。
そこで、この記事では、観音崎公園の見どころや楽しみ方を紹介しましょう。一日ですべてを回るのは難しいため、山側・海側のどちらをメインに回るかを事前に決めて行くことをおすすめします。
観音崎公園の
魅力を3つ紹介!
軍事要塞としての役目を担っていた観音崎公園ですが、県立公園となった現在、レジャースポットとして楽しむことのできるポイントが園内各所にあふれています。ここでは、その魅力について解説していきましょう。
海と山を間近に楽しめる
観音崎公園の魅力は、山と海を同時に楽しめることです。海側には海水浴ができる砂浜があり、浜辺でバーベキューを楽しんだり、浦賀水道を航行する世界の船を観察したりできます。山側では、森の散策に留まらず、アスレチック遊具が設置されたアスレチックの森で思う存分体を動かすことも可能です。 全長約100mのロングローラー滑り台は、子どもだけでなく、大人も童心に返って楽しむことができるでしょう。予想外のスピードに興奮すること間違いなしです。
季節の花や海を眺めながらの散策
園内の舗道は整備されているものの、階段や坂が多く、まるで森の中を散策しているような感覚になることも。また、観音崎エリアは湿度が高いため、張り切って上り・下りを繰り返していると思いのほか疲れてしまいます。無理はせず、季節の花々や海の景色を楽しみながらゆったりと散策するのがおすすめです。
なお、横須賀美術館の目の前にある観音崎京急ホテルには、温浴施設SPASSOが隣接しています。東京湾を望みながらお風呂につかって疲れを癒すのもよいでしょう。
観音崎公園を回るおすすめ2コース
観音崎公園を回る際、山側・海側のどちらから行くかによって見える景色も変わってきます。それぞれ、おすすめコースを紹介しましょう。
01. 山側から回るコース
山側から回るコースは、横須賀美術館からスタートします。砲台跡を見ながら森を散策し、花の広場にゴール! その後Uターンして戻るというコースです。このコースなら重要な見どころをバッチリ押さえることができます。
02. 海側から回るコース
海沿いの駐車場に車を停め、海岸通りを散策しながら権現洞や航行する船舶を楽しむルートです。余裕があれば観音埼灯台に立ち寄るのもおすすめです。海沿いでは、海から昇る月も観察できます。
観音崎公園の
注目スポットを解説!
ここでは、観音崎公園のおすすめスポットを解説していきます。初めての方でも安心できるように凝縮した内容で書いていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
観音埼灯台
観音埼灯台は、観音崎公園の海岸沿いの果て、浦賀水道と東京湾を一望できる地に立つ洋式灯台です。日本初の洋式灯台で、この観音埼灯台が起工された日(11月1日)は灯台記念日に定められています。灯台の高さは地上から頂部までが19m。発せられる光は35km先の海上まで届きます。灯台内部は一般の方でも見学できるようになっており、観光地としても人気のスポットです。
浦賀水道を行き来する船舶はもちろん、展望台からは対岸の房総半島の眺望を楽しむことができます。併設する灯台資料展示室ではクリスタル製のレンズや灯台建設に携わった偉人の貴重な資料も閲覧可能です。なお、観音埼灯台は現役の灯台ですので、海上保安庁の管理のもと、今日も大海へ向かう船舶の道標となっています。
砲台跡
観音崎公園には9つの砲台跡が残されており、一部を除いて見学可能です。軍事要塞が観音崎公園になったと前述しましたが、厳密にいえば、これら砲台跡が公園になったといえるでしょう。そのため、各々の砲台を結ぶ軍道が園路として転用され、園内各所に石積みの建物が残されています。
戦没船員の碑
戦没船員の碑は浦賀水道を一望できる地に設けられた慰霊所です。第二次世界大戦や海難事故で命を落とした6万人余りの人々の魂を慰めるために作られました。高さ24mの白磁の大碑壁が目印で、毎年行われる追悼式では天皇皇后両陛下や皇族の方々もこの地を訪れ、ご供花されていきます。
大きな錨(いかり)や大浦堡塁の痕跡(こんせき)が残され、当時の面影を感じることのできる重要なスポットの一つです。天気の良い日には、小原台地越しに富士山を望むこともできます。
権現洞(ごんげんどう)
観音崎園地から灯台へと海沿いのルートを進むと現れるのが権現洞です。非常に大きな洞窟で、現在は入り口にチェーンがかかっており、外から中をのぞくような形でしか見学できません。
観光客の興味を引いているのが、洞窟(どうくつ)に残る伝説です。天平13年の春、諸国修行中の行基菩薩はこの地を訪れます。洞窟(どうくつ)に住みつく大蛇が付近の漁民や船で貨物を運ぶ人々を苦しめていると耳にした行基菩薩は、この大蛇を退治し、大蛇の霊を鵜羽山権現として祀(まつ)りました。これによって、海上は穏やかとなり、海に平和が訪れたといいます。時の流れによって権現洞は一時荒廃しましたが、現在は観光地として復興し、再び海上安穏・人命守護・世界平和が祈願されているということです。
花の広場
花の広場はアスレチック広場(うみの子とりで)の近くにある野原で、一区画が緩やかな坂でとなっています。四季ごとにさまざまな花を見ることができる人気スポットです。例えば、お盆の時期には1万2000本のヒマワリが咲き一面が華やかな色合いに包まれます。辺り一面が広々として開放感があるので、ゆったりと散歩をしたり、野原に腰を下ろして休憩したりするのもおすすめです。
観音崎自然博物館
観音崎自然博物館は、三浦半島に生息している動植物を生きたまま展示している博物館です。ゴジラの足跡があることで有名なたたら浜の隣にある大きな建物ですので、すぐに見つけられるかと思います。
館内には国の天然記念物ミヤコタナゴがいたり、広々とした中庭で魚を触れるタッチプールがあったり、昆虫の鳴き声が聞けたりと、子どもから大人まで楽しめること間違いなし! トゲのある生き物を探す生き物探しラリーや、観音崎公園の中にどのような植物があるかを探す観察会など、さまざまなイベントも催されていますので、ぜひ遊びに行ってみてください。館内で楽しんだ後は、すぐ近くにある磯や浜に足を運んでみるのもいいでしょう。
横須賀美術館
横須賀美術館は、観音崎公園内にある自然と美術の標本展です。海と山のどちら側からも向かうことができます。現代アートをベースに、大きな昆虫の写真・架空の生き物の作品・大きなキノコなど、ちょっと変わったモニュメント等さまざまな作品が展示されている美術館です。
館内には、東京湾を眺めながら食事を楽しめるイタリアンレストランも併設しています。お腹が空いたら、ぜひ立ち寄ってみてください。
観音崎公園
まとめ
いかがでしたか? 観音崎公園は、幅広い年齢の方々が楽しめる魅力を持っており、恋人・友人・家族との観光にもってこいです。この記事で見どころを押さえ、ぜひ休日の予定に組み込んでみてください。なお、観音崎公園は終日開放なので夜も開いていますが、園内には街灯がほとんどありません。目の前が見えないぐらい真っ暗になるので、遊ぶのは日没までにしておきましょう。
04. 観音崎公園
アクセス情報
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1262
アクセス:京急「浦賀駅」よりバス「観音崎行」で約15分/横浜横須賀道路馬堀海岸ICより車で約5分(3km)
電話番号:046-843-8316(観音崎公園パークセンター 8時15分~17時15分)
営業時間:終日開放 ※年末年始を除く
料金:無料
駐車場:観音崎公園県営駐車場
営業時間:8時~17時(7・8月のみ8時~18時)
料金:平日無料(有料期間を除く)
大型車 860円(1380円)・普通車 540円(860円)・二輪車 120円(120円)
※1日料金です。()内の料金は7・8月限定
※駐車場は5か所(全312台)あります。
公式ホームページ:http://www.kanagawaparks.com/kannon/