虚空蔵堂は正式名称を明鏡山満院星井寺といいます。アジサイで有名な成就院の境外仏堂で、行基が彫った虚空地蔵菩薩が祀られていることで有名です。十三まいりの寺院としても知られています。境内には昼間でも星が見えるという星の井があり、かつては水も売られていました。
この記事では、虚空蔵堂の魅力や見どころをご紹介します。
行基の霊跡
虚空蔵堂の歴史
虚空蔵堂は、奈良時代の僧行基が彫った虚空地蔵尊を祀る寺院です。かつて行基がこの地で虚空蔵求聞持法の修行をしていた時、寺院の敷地内にある星の井の中に、3つの明星が7日間輝き続けました。不思議に思った近隣の住人が井戸の中をさらってみると、黒く輝く石が出てきたと伝えられています。行基はその石を虚空菩薩の化身と考え、聖武天皇の命令によって地蔵菩薩を彫りました。
行基作の地蔵菩薩は源頼朝の命により長らく秘仏扱いされていましたが、現在は1月・5月・9月の13日に公開されています。虚空菩薩は丑年と寅年の守り本尊でもあり、13歳になった子どもに知恵を授ける仏様です。そのため、現在では十三まいりに訪れる方もたくさんいます。
虚空蔵堂の
魅力と見どころ
虚空蔵堂は成就院の敷地内にあり、独自の見どころもあります。ここでは、その一部もをご紹介しましょう。
知恵と記憶力増進のパワースポット
虚空蔵堂のご本尊、虚空蔵菩薩は知恵を司る仏様です。虚空とは空間のことではなく無限の知恵を表し、仏様が開帳される1月・5月・9月は大勢の参拝客でにぎわいます。
仏様が開帳される日は、護摩炊き供養も開催。1月は十三まいりの参拝客で特に賑わいます。少しでもゆっくり参拝したいという方は、5月と9月がおすすめです。知恵と記憶力が増進できる御利益があるということで、試験前にお参りされる方もたくさんいます。
名水が湧き出ていた星の井
虚空地蔵尊が彫られた石が沈んでいた井戸は、まだ境内(石段下)に残っています。星の井という名は、昼間でも井戸をのぞくと星が見えたという言い伝えが由来です。
星の井は名水が湧き出る井戸として知られ、明治時代には周囲に茶店が立ち並んでいました。大正時代になると茶店は無くなりましたが、水の販売は続けられていたと伝えられています。
現在、井戸にはふたがされて水をくむことも中をのぞくこともできません。しかし、鎌倉十井に数えられる名高い井戸であることに変わりはなく、虚空蔵堂を訪れたなら立ち寄るのがおすすめです。
虚空蔵堂
アクセス情報
住所:神奈川県鎌倉市坂ノ下18-28
電話番号:0467-22-3401
拝観時間:8~17時
休日:無休
駐車場:なし
交通案内:江ノ島電鉄極楽寺駅から徒歩5分