藤ノ木古墳
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奈良 藤ノ木古墳
春と秋に石室が公開される
6世紀に造られた古墳

藤ノ木古墳は奈良県斑鳩町、法隆寺西院から西に300mほどの場所にある円墳(えんふん)です。1985年(昭和60年)に発掘調査が行われた際、完全未盗掘であることが分かり、大きな話題となりました。現在、古墳周辺は公園として整備されており、法隆寺と一緒に見学に訪れる観光客も少なくありません。

この記事では、藤ノ木古墳の歴史や魅力・アクセス方法などをご紹介しましょう。

完全未盗掘
藤ノ木古墳の歴史

石室入口(藤ノ木古墳)

石室入口

藤ノ木古墳は、6世紀に造られた円墳です。円墳とは円形の墳墓で、有力貴族や大王(天皇の古語)の一族などが葬られる時に造られました。藤ノ木古墳は、高さ7・6m、最大径40mでハニワが副葬品として使われている最も新しい古墳です。

古墳の所在は古くから知られており、法隆寺に残された記録によると昔は陵山(みささぎやま)と呼ばれていました。藤ノ木古墳の学術調査が初めて行われたのは1985年(昭和60年)のことです。この際、全長約14mの横穴式石室と家形石棺(いえがたせっかん)・金銅製の馬具・武器などが発見されました。一般的に古墳は盗掘され、副葬品が残っていないものが多いのです。しかし、藤ノ木古墳はこのような盗掘がまったく行われていない貴重な古墳であり、副葬品の発見は当時大きな話題となりました。

藤ノ木古墳は2006年までに6回にわたって学術調査が行われています。第3次調査では石棺が開封され、中からは2体の人骨・武器・装飾品・銅鏡などの多数の副葬品・布の残骸・花粉などが発見されました。

なお、副葬品は奈良県橿原市にある奈良県立橿原考古学研究所に常設展示されています。藤ノ木古墳のすぐ近くにある斑鳩文化センターにも副葬品のレプリカが展示されているので、古墳と共に見学してもいいですね。現在、古墳は国の史蹟に指定されており、毎年春と秋の2回、石室が特別公開されています。藤ノ木古墳はまだまだ謎の多い古墳で、現在のところ埋葬者の特定もされていません。

古代史ファン必見、
藤ノ木古墳の魅力

現在、藤ノ木古墳の外側はいつもでも自由に見学できます。この項では、そんな藤ノ木古墳の魅力や見どころをご紹介しましょう。

歴史を肌で感じることのできる場所

藤ノ木古墳周辺には、石室内部の様子や出土品などの案内板が多数立っています。普段は石室の内部に入ることはできませんが、案内板を読めば、一通りの知識も得られますし石室の様子もうかがい知ることが可能です。また、古墳の周囲を一回りすれば、大きさも実感できます。

時間のある方は、足を延ばして斑鳩文化センターや奈良県立橿原考古学研究所を訪れてみるのもおすすめです。特に、奈良県立橿原考古学研究所では、3Dプリンターで復元した出土品を実際に触れることができます。藤ノ木古墳周辺はのどかな田園風景が広がっており、散策にもピッタリです。

年に2回の特別公開

藤ノ木古墳では、毎年春と秋に石室の特別公開を行っています。この日は古墳の中に入ることができるため、歴史好きの方は一見の価値ありです。石室だけでなく、石棺の実物も見学することができます。

特別公開は、毎回多くの方が訪れるので石室を見学するまでに1時間近く待つことも珍しくありません。時間に余裕を持って訪れるといいですね。また、当日は付近のコインパーキングも混み合いますので公共交通機関を利用しましょう。

藤ノ木古墳
アクセス情報

住所:奈良県斑鳩町法隆寺西2丁目1795番地
見学料:無料
駐車場:付近のコインパーキングを利用
交通案内:JR法隆寺駅より法隆寺行バス乗車、法隆寺入り口下車、西へ徒歩5分

藤ノ木古墳

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