荏柄天神社(えがらてんじんじゃ)は、二階堂にある神社です。祭神は菅原道真で、鎌倉を代表する学問の神様として知られています。境内には、鎌倉一早く咲く梅の寒紅梅を始めとして100本以上の梅の木が植えられており梅の名所としても有名です。
今回は、荏柄天神社の魅力や見どころをご紹介しましょう。
鎌倉の鬼門を守る
神社の歴史
荏柄天神社は、1104年に怨霊となった菅原道真の霊を慰めるために、京都の北野天満宮から寄付を受けて建立されました。ある日鎌倉に激しい落雷があり、天から菅原道真の肖像画が降臨したので社殿を建ててお祀りしたという縁起も伝わっています。
鎌倉幕府を開いた源頼朝は、神社を鎌倉の鬼門(北東の方角)の守り神と定め、改めて社殿を建立しました。以後、鎌倉幕府の要人が手厚く保護してきましたが、鎌倉幕府の力が衰えるのと共に神社も衰退していきます。
室町時代になると神社は足利氏の保護を受け、再び栄え始めました。その後は豊臣氏・徳川氏の保護を受け、現在は京都の北野天満宮・太宰府天満宮と共に日本三大天神の一つに数えられています。
人々の信仰篤い
神社の見どころ
長年、人々の篤い信仰を集めてきた荏柄天神社には見どころが豊富です。ここでは、その中でも一押しをご紹介します。
鶴岡八幡宮の若宮だった本殿
神社の本殿は、鶴岡八幡宮の若宮を江戸時代に移築してきた物です。鎌倉に唯一残る鎌倉時代に建てられた建物で、国の重要文化財に指定されています。
本殿の右側に植えられているのが、鎌倉一早く咲く梅の寒紅梅です。毎年1月の下旬には見ごろを迎えます。本殿の左側には白梅が植えられていて、こちらが見ごろを迎えるのは2月の上旬です。
100本以上の梅の木
祭神の菅原道真が梅を好んでいたことから、境内には梅がたくさん植えられています。種類によって開花時期がずれるので、花の見ごろは1月下旬から3月の上旬までとかなり長めです。
梅の見ごろは受験シーズンとも重なるため、境内には参拝や梅見の人々でかなりにぎわいます。ゆっくりと梅を見たい場合は朝早い時刻の参拝がおすすめです。
かっぱ筆塚と絵筆塚
神社の境内には、漫画家の清水崑氏が絵筆を納めるために建立した筆塚があります。かっぱの名は氏の代表作『かっぱ天国』が由来です。筆塚の表には氏のかっぱの絵・裏には川端康成筆による「かっぱ筆塚」の銘が彫られています。かっぱ筆塚の後ろに立つ絵筆塚は、1989年に氏の志を継いだ漫画家横山隆一氏達によって建立されたものです。
毎年10月には、清水崑氏をしのぶ絵筆塚祭りが開催されます。祭りの見どころは、有名漫画家が描いた漫画絵行灯です。これを見るために訪れる方もたくさんいます。
荏柄天神社
アクセス情報
住所:神奈川県鎌倉市二階堂74
電話番号:0467-25-1772
拝観時間:8時30分~16時30分まで
定休日:無休
駐車場:なし
交通案内:JR横須賀線鎌倉駅から大塔宮行き乗車、天神前下車、徒歩5分