鶴岡八幡宮は、鎌倉を代表する神社として人気の観光名所です。鎌倉初代将軍、源頼朝にゆかりが深く、かつては武士の守護神とされていました。近年では、源頼朝にあやかって、勝運・出世運にご利益のあるパワースポットとしても有名です。
この記事では、そんな鶴岡八幡宮の歴史や見どころからイベント情報・周辺のおすすめグルメまで、まとめて紹介します。
この記事を読むことで、鶴岡八幡宮観光を120%楽しむことができます。
鎌倉を代表する神社、
鶴岡八幡宮の歴史
鶴岡八幡宮は、日本で最も多いとされる八幡信仰神社の中でも特に代表的な八幡宮です。一体、どのように建てられ、どのような歴史を歩んできたのでしょうか? 鶴岡八幡宮の歴史や逸話をご紹介します。
創建は1063年
鶴岡八幡宮は、1063年、源頼義によって建てられました。「前九年の役」と呼ばれる戦争が起こった際、頼義は石清水(いわしみず)八幡宮に勝利祈願をします。そして、無事に勝利して鎌倉に戻った際、お礼として、由比ガ浜に石清水八幡宮の分社を建てました。
その後、鎌倉に幕府を開いた源頼朝によって、現在の場所に神社が移されます。これに伴い、鶴岡八幡宮は源氏の氏神として信奉されるようになり、鎌倉武士の守護神と呼ばれるようになりました。
武門の神として信仰された
鎌倉幕府滅亡後も、鶴岡八幡宮は武門の神として武家の間に浸透していました。足利氏・後北条氏・豊臣氏・徳川氏からも信仰され、上杉謙信に至っては家督相続の際に鶴岡八幡宮で拝賀式を行っています。江戸時代には幕府の手厚い保護を受け、大規模な社殿などが建設されるようになりました。
鶴岡八幡宮にまつわる逸話
鶴岡八幡宮の逸話としては、静御前の舞が有名です。静御前は源義経の側室(愛人)で、舞の名手として知られていました。しかし、義経が兄である頼朝との対立で追われたことで別れを余儀なくされ、吉野山で頼朝に捕らえられてしまいます。
頼朝の妻、北条政子が静御前の舞を見たいと言ったことから、義経は静御前に舞を踊るよう命じますが、静御前はあろうことか頼朝と対立していた義経を慕う歌を詠んで舞ったのです。このことに頼朝は激怒しますが、妻の北条政子が「私が同じ立場でも同じ歌を詠んだでしょう」となだめると、頼朝は「女の道はこうあるべきか」と感心し、褒美まで出したといいます。
この逸話の舞台となったのが、鶴岡八幡宮本宮へ続く石段前、現在舞殿が建っている場所です。当時は若宮社殿の回廊で、1193年に舞殿となりました。その美しい雰囲気は外国人観光客からも人気となっています。
桜の名所!
鶴岡八幡宮の参道
桜がきれいなことでも有名な鶴岡八幡宮の参道。鎌倉駅付近から鶴岡八幡宮までをつなぐ参道には、知らないと意外に気づかない面白い仕掛けがあります。一体、どのような仕掛けでしょうか? ここでは、若宮大路と段葛(だんかずら)についてご紹介します。
若宮大路
若宮大路は、源頼朝が妻である北条政子の安産を祈願して作らせた鶴岡八幡宮の参道です。鶴岡八幡宮から由比ヶ浜までを一直線に結んでおり、鎌倉の中心となる道でもあります。3つの鳥居があり、浜側から一の鳥居・二の鳥居・三の鳥居です。道沿いには177本の桜が立ち並び、日本の桜名所100に選ばれる程の人気桜スポットです。
段葛(だんかずら)
若宮大路の途中にある二の鳥居から三の鳥居までの間には、車道の真ん中に一段高く盛り土された段葛という歩道があります。二の鳥居付近では幅約5mありますが、三の鳥居付近では約3メートルと狭くなるという遠近法を利用しているのが特徴です。こうすることで、参道を実際の距離より長く見えるようにしているのです。
鶴岡八幡宮の
境内を詳しく解説!
鶴岡八幡宮の境内には、池や橋・建造物など、見どころスポットが満載です。ここでは、鶴岡八幡宮に行ったら絶対に見ておきたいおすすめのポイントをいくつか紹介します。
源平池
鶴岡八幡宮の境内には源氏池・平家池と2つの池があり、2つを合わせて源平池と呼んでいます。源平池が作られたのは若宮大路とほぼ同時期です。昔は、源氏池に白蓮(びゃくれん)、平家池には紅蓮(ぐれん)がそれぞれ咲いていました。現在は紅白咲き乱れた状態となっています。
太鼓橋
源平池にかかる石でできた神橋です。将軍家が鶴岡八幡宮を参拝する際は、この橋で輿車の乗り降りをしたといいます。現在は色が落ちていますが、当時は朱塗りの橋であったことから赤橋とも呼ばれていました。圧倒的な存在感があり、かながわの橋100選にも選ばれています。
本宮
本宮は、1191年の鎌倉大火によって焼失した若宮を再建する際に造営されました。鎌倉大火の教訓を生かし、街で火災が起きても影響を受けないように大臣山の中腹を削って造営されたと考えられています。ところが、この本宮も八幡宮の戦いで戦火にあい姿を消してしまいました。
現在姿が残っている本宮は1828に徳川家斉が再建したもので、大石段上に作られています。注目したいポイントは、門の額に書かれた八幡宮の八が鳩(はと)になっているという点。八幡宮では、鳩を神聖な神の使いとみなしており、鳩をかたどったものが至る所にあります。代表的な江戸建築で、国の重要文化財にも指定されました。
舞殿
1193年に作られた入母屋造(いりもやづくり)の建物で、曲線の調和が美しい荘厳な雰囲気が特徴です。舞殿は宮内のほぼ中心にあり、別名、下拝殿とも呼ばれています。四季折々の豊かな自然に囲まれ、挙式の会場として利用することも可能です。現在は年間をとおして神事やイベントが行われる場所となっています。
鶴岡八幡宮の
摂末社を紹介
鶴岡八幡宮には歴史的な摂末社(せつまつしゃ)が多く存在します。摂末社とは、神社の境内や境外付近に建てられている小規模な神社のことです。ここでは、鶴岡八幡宮の摂末社をご紹介します。
旗上弁財天社
源氏池に浮かぶ一番大きい中島に建てられている境内社です。源頼朝の旗揚げ挙兵に際し、守護神として弁財天が現れたことから、北条政子が建立したものだといわれています。当時の建物は明治時代の神仏分離令によって壊されており、現在の社殿は、鶴岡八幡宮創建800年にあたる1980年に、江戸末期文政年間の古図をもとにして新たに作られたものです。
政子石
旗上弁財天社の裏手にある大きな石です。源頼朝が妻の北条政子の安産を祈ったことからその名がつきました。源頼朝と北条政子といえば、歴史上でも互いを思い合うおしどり夫婦として有名です。古来から縁結びのパワースポットとして知られ、夫婦円満のご利益があるとして信仰されています。
白旗神社
鶴岡八幡宮境内の東側に位置する神社です。1200年、朝廷から「白旗大明神」の神号を賜った北条政子によって創建されたといわれています。源頼朝を祀る白旗神社はもともと上宮の西側にありましたが、1885年に源実朝を祀る柳営社(りゅうえいしゃ)と合祀されて現在地に移されました。そのため、現在の祭神は源頼朝と源実朝となっています。
丸山稲荷社
本宮の左側の小高い丘の上にある神社です。鶴岡八幡宮の創建以前からあったといわれる古い稲荷社で、地主神社とも呼ばれています。もともとは大臣山に祀られていましたが、鶴岡八幡宮造営の際に現在地へ移されました。鶴岡八幡宮境内にある最も古い建造物として、国の重要文化財に指定されています。
若宮
若宮は、国の重要文化財にも指定されています。1180年、鎌倉に入った源頼朝が、源頼義が創建した由比若宮を小林郷北山に移し、鶴岡八幡宮新宮若宮としたのが始まりです。この若宮は鎌倉大火によって焼失しますが、頼朝はすぐ再建に取りかかります。このとき、若宮の再建とともに本宮(上宮)を造営し、今のような上下両宮の姿となりました。現在は、結婚式の会場としても利用されてます。
祖霊社
祖霊社は、鶴岡八幡宮の手水舎から左に入ったところにあります。氏子嵩敬者の祖霊と護国の英霊とを祀るために、戦後の昭和24年に創建されたお社です。現在は、当宮歴代宮司をはじめ、約750柱の御霊が祀られています。祖霊社を運営しているのは、ご遺族を会員とした祖霊社維持会です。
今宮
鶴岡八幡宮の北の谷戸奥に位置する摂末社で、新宮と書かれることもあります。1221年に起きた承久(じょうきゅう)の乱で隠岐に流された後鳥羽院の怨霊を鎮めるため、1247年に創建されました。祭神は鳥羽・土御門・順徳の三天皇です。今宮の後ろには六本杉と呼ばれた大木があり、その六本杉には天狗が住み着いていたという言い伝えがあります。
由比若宮(ゆいわかみや)
元八幡宮ともいい、鶴岡八幡宮のもとになった重要な史跡です。1063年、源頼義が前九年の役の勝利に感謝するために創建しました。頼義の子である義家も、社殿を修復するなどして源氏と鎌倉の結びつきを強めていきます。その後、鎌倉に入った源頼朝が、由比若宮を小林郷北山(現在地)に移し、跡地に鶴岡八幡宮が作られました。
鶴岡八幡宮の
イベント・祭事を紹介
鶴岡八幡宮では、1年をとおしてさまざまな祭事が行われています。主な行事をご紹介しましょう。
7月7日 七夕祭
鶴岡八幡宮の七夕祭では、梶の葉を模した色紙と短冊型の絵馬が、色鮮やかな5色の紐に結ばれてご神前に奉納されます。7月1日~7日までの期間、舞殿では縁結び・良縁を祈願する鈴懸神事を受けることが可能です。
9月14〜16日 例大祭
源頼朝が催した放生会(ほうじょうや)を起源とする祭事で、800年の歴史と伝統を持つ、1年で最も重要な行事です。県重要文化財である神輿を三基担ぎ、それに神馬(しんめ)・錦旗・太刀などの威厳物を持つ所役が従って数100メートルの行列を作る神幸祭が執り行われます。
9月16日 流鏑馬(やぶさめ)神事
鎌倉武士の狩り装束に身を包んだ射手が、馬で駆けながら馬場に配された3つの的を射抜く勇敢な神事です。的に当たれば豊作・所願が叶うとされ、当たった的は縁起物として授与されます。源頼朝公の時代から800年の伝統を受け継いでいるお祭りです。
鶴岡八幡宮で
季節の花を楽しもう!
鶴岡八幡宮では、季節によってさまざまな花を楽しむこともできます。ここでは、特に人気の高い桜・アジサイ・紅葉の見ごろをご紹介しましょう。
桜の名所としても有名な鶴岡八幡宮
鶴岡八幡宮は桜の名所としても有名です。2月になると流鏑馬(やぶさめ)馬場の西にある鳥居側で寒桜が咲き始めます。2月下旬には旗上弁財店社の河津桜が、3月には太鼓橋の玉縄桜が見ごろです。そして、3月下旬から4月上旬にかけては、段葛や源氏池でソメイヨシノが開花します。特に段葛の桜並木は見事で日本の桜名所100にも選ばれているほどです。
神苑ぼたん庭園のアジサイも見事!
6月中旬から7月中旬にかけて見ごろを迎えるのがアジサイです。特に神苑(しんえん)ぼたん庭園には、野生種を含む数多くのアジサイが咲き誇ります。普通のアジサイとは異なる原種に近いアジサイは、また違った趣があるでしょう。初夏は源平池のハスも見ごろを迎え、7月初旬にはアジサイとハスの花、両方を楽しむことができます。
神奈川県2位の人気を誇る紅葉
鶴岡八幡宮の紅葉は、神奈川県2位の人気を誇ります。特に、鎌倉国宝館前の紅葉は見事で、小川のせせらぎを聴きながら美しい紅葉を眺める時間は、まさに風情を感じるものです。鶴岡八幡宮が紅葉の見ごろを迎えるのは11月下旬から12月初旬ごろ。秋の静けさと美しさに酔いしれてみてはいかがでしょうか。
鶴岡八幡宮周辺の
おすすめグルメ紹介
鶴岡八幡宮周辺には、おすすめしたいグルメ情報がたくさんあります。人気のレストランをご紹介しましょう。
いし川
鶴岡八幡宮のすぐ近くにある和食のお店です。落ち着いた雰囲気の店内では、透明感のあるおいしい手打ちそばを味わうことができます。のどごしのよいそばに絡むやさしい味のつゆはまさに絶品。趣のある雰囲気の中で、鎌倉随一のお蕎麦を楽しんでください。
アクセス情報
住所:鎌倉市雪ノ下2-5-26 1F
営業時間:月~土 11~18時 / 日・祝11〜17時30分
定休日:火曜日・第1月曜日
ナチュール・エ・サンス
エレガントな雰囲気と洗練されたフレンチを味わうことができるお店です。特に女性のお客様に人気があります。おすすめはやはり2,500円で楽しめるランチ。オードブル・メインディッシュ・デザート・ドリンクと内容の濃いメニューとなっています。
アクセス情報
住所:鎌倉市雪ノ下3-6-39
営業時間:11時30分~13時30分 / 17時30~20時
定休日:水曜日
ラ・ルーチェ
小町通りの八幡宮よりにある創作イタリアンのお店です。厳選された食材によるこだわりのイタリア料理を味わうことができます。シェフの温かい人柄も人気の一つ。地元の人々にも親しまれている注目のお店です。カウンターもあるため、一人旅で訪れた場合にも気兼ねなく食事を楽しむことができます。
アクセス情報
住所:鎌倉市雪ノ下1-7-6
営業時間:11時30分~14時 / 17時30分~21時
定休日:水曜日・第4火曜日
鶴岡八幡宮の
口コミサイト紹介
鶴岡八幡宮観光に行くなら、実際に行った人の口コミを参考にするのもおすすめです。ここでは、鶴岡八幡宮に行ったことがある人たちの口コミをまとめたサイトをご紹介します。
フォートラベル
日本最大級の旅行口コミサイトです。鶴岡八幡宮に関する400件以上の口コミと700枚以上の写真が掲載されています。
トリップアドバイザー
旅行者からの口コミを集めた世界最大級の口コミサイトです。鶴岡八幡宮についての口コミも多く、800件以上の口コミと700枚以上の写真が掲載されています。
じゃらんnet
日本最大級の宿・ホテル予約サイトの口コミページです。鶴岡八幡宮を訪れた人による900件以上の口コミと100枚以上の写真が掲載されています。
鶴岡八幡宮
まとめ
いかがでしたか? 鎌倉初代将軍源頼朝ゆかりの神社である鶴岡八幡宮。全国の八幡社の中でも知名度が高く、大勢の参拝客でにぎわっている場所です。この記事では、そんな鶴岡八幡宮の歴史や見どころ・祭事情報を解説しました。鎌倉に足を運ぶ際には、ぜひ鶴岡八幡宮を訪れてみてください。