禅居庵は摩利支天を祀る塔頭寺院で、建仁寺の境内に建っています。塔頭寺院とは、大寺院の境内に建つ小寺院のこと。建仁寺の塔頭寺院は公開期間が限定されているものもありますが、禅居庵は境内を自由に拝観できます(禅居庵の建物は非公開)。
開山の正澄禅師は元(現在の中国)の人で、渡来した時に故国で信仰していた摩利支天を持参しました。そのため、境内には本尊とは別に摩利支天が祀られており、境内にはその眷属であるイノシシの像がいたるところに置かれています。
ここでは、禅居庵の魅力や見どころをご紹介しましょう。
摩利支天を祀る
寺院の歴史
禅居庵は、鎌倉時代後期に元国から来日した大鑑清拙正澄禅師(だいかんせいせつしょうちょう)を開基とし、小笠原貞宗が開いた建仁寺の塔頭寺院です。正澄禅師は来日するとき、自作した摩利支天像を袈裟に包んで持参したと伝えられています。この摩利支天は現在まで禅居庵境内の摩利支天堂に秘仏扱いで祀られており、日本三大摩利支天の一つとして有名です。
摩利支天は護身・勝利・開運などのご利益があるといわれ、日本では主に武将たちが熱心に信仰していました。
戦国時代に禅居庵は京都で起こった戦の兵火によって焼失してしまいます。その後、1547年に織田信長の父・信秀によって再建されました。江戸時代から明治にかけて寺院は何度も改修されながら存続し、廃仏毀釈の困難を乗り越えて現在に至ります。
禅居庵の
見どころ
禅居庵は摩利支天堂の他、境内にたくさん置かれているイノシシ像が有名です。ここでは、禅居庵の魅力や見どころをご紹介しましょう。
摩利支天堂に参拝する
禅居庵の摩利支天は日本三大摩利支天の一つであり、開運・護身・勝利のご利益があります。摩利支天は陽炎(かげろう)を神格化した仏様で、本来は姿が見えないものです。像として祀られるときは天女に似た姿であったり、三面六臂の憤怒相だったりします。禅居庵の摩利支天像は、三面六臂の憤怒相でイノシシに乗った姿です。亥年の守り本尊でもあります。
毎年10月20日に御開帳が行われますので、その姿を直接見たいという方はこの日に訪れてください。摩利支天像の写真は、公式サイトで見ることができます。
境内の狛亥
禅居庵の境内にはいたるところに狛亥(こまいのしし)が置かれています。本来なら狛犬が置かれている場所にあるのも2頭の狛亥(こまいのしし)です。おみくじや絵馬もすべてイノシシをモチーフとしているので、亥年には特に賑わいます。中でも亥おみくじは大変かわいらしいので、幅広い年代の方に人気です。
坐禅会に参加する
禅居庵では月に一度、ご縁日の大般若法会の後で坐禅会と法話が行われています。参加の際、事前予約は必要ありません。午前10時から開始されますので、参加したい方は早めに寺院を訪れるといいですね。日程は公式サイトから確認できます。
禅居庵
アクセス情報
住所:京都府京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町146
電話番号:075-561-5556
拝観時間:9~17時
拝観料:無料
駐車場:あり
交通案内:阪急河原町駅から徒歩10分
公式サイト:http://zenkyoan.jp