熊野若王子神社は、哲学の道付近にある後白河法皇が禅林寺(永観堂)の守護神として建立した神社です。和歌山県にある熊野三山を詣でる熊野めぐりの出発点として、人々の篤い信仰を集めてきました。境内には滝が造られ、桜やモミジ・カエデがたくさん植えられています。納涼と紅葉の隠れた名所です。
今回は、熊野若王子神社の魅力や見どころをご紹介します。
熊野若王子神社の
御利益
- 学業成就
- 商売繁盛
- 縁結び
- 苦難削除
- 安産
- 火伏せ(火災予防)
人々の信仰篤い
神社の歴史
熊野若王子神社は平安時代末期、後白河法王によって建立されました。熊野権現への信仰の篤い法王が建立した神社ということで、一般庶民から貴族まで参拝者が絶えなかったと伝えられています。鎌倉時代になると源頼朝をはじめとする武士の信仰を集めました。
江戸時代になると聖護院別門院家を兼ねるようになります。神様の他に薬師如来なども祀られ、ますます参拝者も増えました。この神仏習合は明治時代まで続きます。神仏分離後、仏像などは京都各地の寺に安置され、建立当時の形に戻りました。
戦前までは本宮・新宮・那智・若宮が境内にありましたがたびたび荒廃したため、現在は一社相殿(一つの社に2柱以上の神を祀る形)になっています。
木々に囲まれた
熊野信仰の中心地
熊野若王子神社は自然豊かな境内が魅力で、古くから多くの参拝者に親しまれてきました。ここでは、熊野若王子神社に訪れた際にはぜひ注目してほしい見どころや特徴を紹介していきます。
自然豊かな境内
熊野若王子神社の境内には、樹木が豊富です。ご神木として祀られているナギは樹齢400年。京都で最も古いナギの木と言われています。このご神木は、すべての悩みを「ナギ倒す」御利益があると言われ、ナギの木にちなんだ病気平癒や厄除けの効果があるナギ守りも人気です。
ナギ以外にも境内には桜やモミジの古木や大木があり、美しい花や紅葉で人々を楽しませています。紅葉や桜の名所と言われていますが、京都の中でも知名度が低く、穴場です。そのため、桜の花や紅葉の見ごろの季節でも比較的ゆっくりと観賞できます。
那智の滝に見立てた滝
神社の境内の奥には、那智の滝に見立てた滝があります。本殿からはさほど遠くありませんが、足場が悪いので訪れるならスニーカーがおすすめです。
滝は、本家の那智の大滝に比べるとだいぶ小ぢんまりとしています。地蔵尊や龍神も祀られており、人々の篤い信仰を集めてきた場所です。周囲には木々が多く、夏の昼間でも涼風を感じます。
個性的なお守り
熊野若王子神社では、色々なお守りを授与してくれます。中には、日本サッカー協会(JFA)のシンボルマークであるヤタガラスが描かれたサッカー守りもあり、スポーツ少年・少女に人気です。ヤタガラスが描かれたお守りは、サッカー守り以外にも交通安全や厄除けに御利益があるものもあります。
お守りではありませんが、カラフルなマッチ棒でその日の吉凶を占う「おみくじ燐寸」も人気です。たとえ悪い結果が出ても、マッチに火をつければ悪運も消し飛ぶと言われています。
熊野若王子神社
アクセス情報
住所:京都符京都市左京区聖護院山王町43
電話番号:075-771-4054
社務所営業時間:9~17時まで
駐車場:専用のものはなし
交通案内:京都駅から京都市営バス206号系統乗車、「熊野神社前」下車すぐ