江の島は、藤沢市の湘南海岸から相模湾へと突き出た陸続きの島です。湘南を代表する観光地として広く知られており、1年中観光客でにぎわっています。寺社仏閣の拝観・マリンスポーツ・グルメと島内で楽しめることがたくさんあり、家族やカップルで訪れても1日遊べる場所です。
この記事では、江の島の魅力や見どころ・おすすめスポット、グルメ情報などをまとめてご紹介しましょう。
歴史ある
観光島の魅力
江の島は、江戸時代中頃から観光地として栄えてきました。ここでは、歴史ある観光島の魅力をご紹介します。
様々な見どころや観光施設
江の島には、寺社仏閣や水族館・史跡・展望台と様々な見どころや観光施設があります。デートや家族旅行など目的に応じた観光コースを組むことができ、子どもから高齢者まで楽しんで観光ができる島です。
江の島の見どころは、一度訪れたくらいでは周りきれません。季節や天気・時間によってもおすすめの観光施設は変わってきます。訪れるたびに違った楽しみ方ができるのも、江の島の大きな魅力です。
季節ごとの美しさがある豊かな自然
緑の江の島という別名があるように、島の上部は神奈川県の美林50選に選ばれた照葉樹林に覆われています。この他、サムエル・コッキング苑内の植物園には国産のものだけでなく熱帯・亜熱帯産の植物も多く、そのうち4種類が県の天然記念物に指定されているものです。
島内には、樹木だけでなくチューリップや桜・アジサイなどの草花もたくさん植えられています。いつ訪れても何らかの花が楽しめる他、花が見頃を迎える時に開かれる花まつりに参加するのも楽しいですよ。中でも毎年1月に開催される江の島ウィンターチューリップは、一足早く春の訪れを感じられるイベントということで、毎年多くの観光客が訪れます。
江の島の海岸沿いには、波が作り出した洞窟や起伏に富んだ岩場など景勝地が豊富です。遊覧船も出ているので、海の上から名所を眺めることができます。
釣りやマリンスポーツを楽しむ
江の島では、海水浴・ダイビング・ヨットなど色々なマリンスポーツを楽しむことができます。中でも江の島にあるヨットハーバーは、日本で初めての競技用ハーバーであり、数々のヨットレースが開催されるなどして日本のヨット活動の普及に貢献してきました。今でも、初心者から上級者までヨット競技が楽しめるハーバーとして、ヨットを楽しむ方々に人気の場所です。
江の島の海岸線にはたくさんの釣りスポットがあります。磯釣りが手軽で簡単ですが、船を仕立てて沖合でマダイなどの大物を狙うのも楽しいですよ。
島内の
歴史ある施設
江の島内には観光施設の他、歴史的な記念碑や植物園などの施設があります。ここでは、その中でも特に歴史があるものをご紹介しましょう。
東洋初の臨海実験場 モース記念碑
モースは、アメリカの生物学者で日本にダーウィンの進化論を初めて紹介した人物です。彼は1877年(明治10年)に来日し、東京大学の初代動物学教授になりました。
モース記念碑は、彼が江の島動物学研究所で腕足類のシャミセンガイの研究を行ったことを記念して建てられたものです。漁師小屋を改造した研究所は、東洋初の臨海実験所でした。
オリンピック記念噴水池
江の島弁天橋の左側に位置するオリンピック噴水池は、1964年(昭和39年)に開催された東京オリンピックを記念して造られました。
中央には江の島のシンボルである弁財天が鎮座し、その周りを4体の女性像が取り囲んでいます。噴水の周囲は広場となっており、天気の良い日はのんびりくつろげる場所として観光客や地元の方に人気です。
江の島サムエル・コッキング苑
江の島サムエル・コッキング苑は、1882年(明治15年)にアイルランド人の貿易商、サムエル・コッキング氏が巨額の私財を投じて造った植物園です。日本で3番目に古い植物園でしたが、1923年(大正12年)に発生した関東大震災によって荒廃してしまいます。
その後、跡地が藤沢市によって買収されて藤沢市立江の島熱帯植物園になりました。植物園内のクックアロウカリア・シマナンヨウスギ・タイミンチク群・ツカミヒイラギの4種は、市の天然記念物に指定されています。
2002年(平成14年)に改修工事の為に一度閉園されましたが、そのときに工事現場から縄文土器類1万点が出土し、さらにサムエル・コッキングの建設した温室設備が発見されました。整備後に植物園は新たに複数の広場と植物園を含むコッキング遺構、江の島展望灯台(江の島シーキャンドル)などを備えた複合施設、江の島サムエル・コッキング苑として再オープンして現在に至っています。
江の島にある
神社・名石
江の島はかつて僧や山伏の修行の場でした。島内には現在も複数の神社があります。ここでは、江の島にある神社や奉納されている名石についてご紹介しましょう。
日本三大弁財天 江島神社
江島神社は日本三大弁財天を祀る、江の島で最も有名な神社です。江戸時代までは実際に弁財天を祀っていましたが、明治時代に発布された神仏分離令により、現在では宗像三女神(むなかたさんめがみ)を祀っています。
現在、弁財天が祀られているのは境内北方にある辺津宮境内の奉安殿です。弁財天は現在でも江の島のシンボルであり、参拝客がとぎれることはありません。
鎌倉四名石の一つ 亀石
亀石は江島神社奥津宮にあるイチョウの下に鎮座している石で、表面に亀の甲羅のような模様があります。1806年に弁財天を信仰していた人物が、金光明最勝王経(こんみょうさいしょうおうきょう)というお経を写経してこの場所に埋めました。その上に置く目印の石を探していたところ、この石を発見したという逸話が残されています。蔵六石という別名があり、鎌倉四名石の一つです。
力比べに使われた力石
江島神社奥津宮に鎮座している力石は、江戸時代に日本一の力持ちと名高かった岩槻藩の卯之助が奉納したものと伝えられています。重さが80貫(320kg)あり、かつては祭礼の際に行われた力比べに使われていました。
不動明王を祀る江の島大師
江の島大師は、1993年(平成5年)に江の島館跡地に鹿児島市にある最福寺の関東別院として建立された寺院です。像高6mの巨大な不動明王を祀っていることで知られています。
軍人を祀った児玉神社
児玉神社は、日露戦争で活躍した明治時代の軍人、児玉源太郎を祀った神社です。児玉源太郎は台湾総督も務めており、台湾の近代化にも力を尽くしました。
境内には、台湾の有志から贈られた口の中の玉が回る狛犬が鎮座しています。
公園・庭園などの
観光施設
江の島には公園・庭園など多くの観光施設があり、人々の憩いの場になっています。ここでは、それぞれの特徴をご紹介しましょう。
江の島シーキャンドル
江の島シーキャンドルは、江の島サムエル・コッキング苑内に建つ展望灯台です。2002年(平成14年)に江ノ電開業100周年事業の一環として建設されました。海抜101.5mの展望室からは富士山をはじめとして伊豆半島・箱根・丹沢の山々・房総半島などが望めます。
日中の展望だけでなく、夕景や夜景の美しさも評判です。中でも夜景は湘南随一といわれ、2010年(平成22年)には日本夜景遺産に選ばれました。
年間を通して数々のイベントが開かれる灯台としても知られており、中でも湘南の宝石と名付けられたライトアップはカップルや観光客に好評です。
湘南港(江の島ヨットハーバー)
湘南港は、1964年(昭和39年)に東京オリンピックのヨット競技場として整備されました。現在でも、ヨット競技に最適な日本有数のハーバーとして年間130回以上のヨット競技が行なわれています。
ハーバーにあるのは、ヨットを停泊させたり整備したりする施設だけではありません。敷地内にはセンタープロムナードやサザエ島・海釣り広場などがあり、開放的な海の憩いの場として観光客や地元の人々に親しまれてる場所です。
聖天島公園
聖天島公園は、元々江の島のすぐ近くにある2つの小さな島でした。江の島ヨットハーバーを作る際に埋め立てられ、現在は岩の上部だけを残して周囲は公園になっています。
猫が集まるスポットとしても有名で、天気が良い休日は猫の写真撮影をする方がよく訪れる場所です。
新江ノ島水族館
遊びながら学べるエデュテインメント水族館として有名な新江ノ島水族館は、大人から子どもまで楽しむことができる施設です。水深6.5mの相模湾大水槽で行われる水中ショーや土日・祝日限定のイルカショーなど、見逃せないイベントが盛りだくさんとなっています。富士山や江の島が臨めるロケーションも最高です。
江の島の
自然と風景
江の島には波が作り出した景勝地や、よい景色が望める場所が複数あります。ここでは、その中でも特に人気の場所をご紹介しましょう。
伝説が残る恋人の丘 龍恋の鐘
江の島岩屋の真上に位置する恋人の丘は、江の島屈指のデートスポットです。見晴らしの良い高台で、頂上に設置されている鐘を恋人と鳴らすと決して別れることがないといわれています。
龍恋の鐘の名は、江の島弁財天と悪龍の伝説から名づけられました。悪龍はかつて鎌倉の腰越に住み人々を苦しめていましたが、江の島に舞い降りた天女(弁財天)に恋をして結婚を申し込みます。しかし天女は龍の悪行を理由に申し出を断り、龍は天女恋しさについに悪行を改めたのです。
このような伝説の残る鐘を鳴らした後、ふたりの名前を書いた南京錠を近くにある金網に付けると恋が成就するといわれています。
夕日が美しい稚児ヶ淵
稚児ヶ淵は江の島の最西端にある岩場です。その昔白菊という美しい稚児がここから身を投げ、それを悲しんだ建長寺の和尚が後を追ったという伝説が残されています。
かつては海に落ちこむ淵でしたが、1923年(大正12年)に発生した関東大震災により隆起現象が起こり、海底から海食台地と呼ばれる岩場が現れました。現在は岩場を歩くことができ、磯遊びと釣りの絶好のスポットになっています。
稚児ヶ淵は夕日の名所としても有名です。かながわの景勝50選にも選ばれており、天気が良い日の夕刻には夕日を目当てにたくさんの方が訪れます。
波の浸食でできた江の島岩屋
江の島岩屋は、稚児ヶ淵から数十mほど奥へ進んだところにある波の浸食でできた洞窟です。奥行き152mの第一岩屋と奥行き56mの第二岩屋で構成されています。江の島信仰の発祥地といわれ、弘法大師や日蓮聖人がここで修業を行いました。
江の島岩屋は落盤の危険があるということで1969年(昭和46年)より長期閉鎖されていましたが、1993年(平成5年)から周辺施設を整備して見学が再開されています。内部には信仰の遺物などがあり、手燭(ろうそく)による見学が行われており観光客に好評です。(混雑時は中止)
江の島の
一押しグルメ
江の島には新鮮な魚介類をはじめとして、おいしいものを食べさせてくれるお店がいくつもあります。ここでは、その中の一押しをご紹介しましょう。
きたさん茶屋
きたさん茶屋は、テレビでも度々紹介されているお店で、シラスアイスが名物です。「シラスとアイスなんて合うの?」と首をかしげる方も多いと思いますが、シラスの塩味とアイスの甘みの組み合わせが絶妙です。特に、汗をたくさんかく夏場はとてもおいしく感じられます。食べ歩きもできるので、散策がてら食べるのもおすすめです。
アクセス情報
住所:神奈川県藤沢市江の島2-5-24
電話番号: 0466-28-4867
営業時間:10~17時
定休日:不定休
公式サイト:http://www.geocities.jp/enoshima_kitasanjyaya/
シラス専門店 とびっちょ
江の島内でも有名なシラス専門店です。シラスのかき揚げ丼や海鮮丼が名物で、いつも大勢の観光客や地元の方で賑わっています。
アクセス情報
住所:神奈川県藤沢市江の島1-6-7
電話番号:0466-23-0041
営業時間:11~21時
定休日:不定休
かいしま
江の島の海の幸といえばシラスですが、かいしまは焼き貝も名物です。名物の生シラス丼(1月~3月は禁漁のため停止中)と一緒にサザエのお刺身や焼きハマグリを注文する方もたくさんいます。
アクセス情報
住所:神奈川県藤沢市江の島1-4-14
電話番号:0466-26-5554
営業時間:10時30分~18時30分
定休日:火曜日
江の島
まとめ
いかがでしたか? 今回は江の島の魅力や見どころをご紹介しました。湘南屈指の観光地である江の島には、年間を通してたくさんの方が訪れます。いつ訪れても混んでいるというイメージを持つ方もいますが、夏場以外は休日でもすいていることが珍しくなく、ゆっくりと観光できる日が多いですよ。1年を通して温暖な気候なので、冬場に少し厚着をして訪れても楽しめます。
江の島
アクセス情報
住所:神奈川県藤沢市江の島
駐車場:島内に複数あり
交通案内:江ノ島電鉄江ノ島駅下車、徒歩すぐ