旧天城トンネルは、天城エリアにある1905年(明治38年)に造られたトンネルです。1970年に新天城トンネルが完成するまで、地元の人々の大切な生活道路の一部でした。新しいトンネルが完成すると古いトンネルはその多くが閉鎖されてしまいますが、旧天城トンネルは現在も通行可能です。切り石巻き工法で造られた風情あるトンネルで、観光スポットとして人気があります。
今回は、そんな旧天城トンネルの魅力や見どころをご紹介しましょう。
明治時代の
職人技を見る
旧天城トンネルは、石を一つ一つ積み上げて造られました。とても手の込んだ造りで、明治の職人技を今に伝えています。1986年に日本の道100選に選ばれ、1998年には登録有形文化財、2001年に国の重要文化財に指定されました。
100年以上前のトンネルなので内部は狭く、照明も薄暗い場所です。口コミサイトなどでは「暗い」「冷たい」といった感想が目立ちます。
本当の見どころは、隙間なく石が積みあげて造ったトンネルの壁面です。とても手の込んだ技法で一見の価値があります。
トンネルは24時間いつでも通れますが、山の中にありますので夜間はおすすめできません。暗いのが苦手という方は、懐中電灯を持って行くと便利です。
紅葉とトンネルの
組合せを楽しむ
トンネルの周囲は自然が豊富で、特に紅葉の美しさは有名です。古びた石のトンネルと紅葉の組み合わせは風情が感じられ、写真撮影をする方もたくさんいます。ハイキング気分でトンネルやその周辺を歩くのもおすすめです。
毎年11月上旬から下旬にかけては、旧天城トンネルと道の駅天城越えで天城越え紅葉まつりが開催されます。トンネルでは提灯ウォークなどの珍しいイベントが行なわれ、好評です。おまつりのスタッフが扮した伊豆の踊子と一緒に記念撮影ができるサービスも行われます。
伊豆の踊子の
軌跡をたどる
川端康成の代表作『伊豆の踊子』の中にも、旧天城トンネルは登場します。川端康成が19歳の時に実際にトンネル付近で踊り子たちに出会った逸話は有名です。
旧天城トンネルの隣の道が伊豆の踊子の冒頭部分に登場する天城峠。昔の面影は何もありませんが、話の種に旧トンネルを歩いた後に車で通る方もいます。
天城峠を通りそのまま国道414号線を進めば浄蓮の滝に到着です。滝の近くには伊豆の踊子像もあります。トンネルを起点に伊豆の踊子の軌跡をたどってみるのも面白いですね。
旧天城トンネル
アクセス情報
住所:静岡県伊豆市湯ヶ島字桐山
電話番号:0558-85-1056 (伊豆観光協会天城支部)
駐車場:あり
交通案内:伊豆急修善寺駅より河津行きバス乗車、水生地下車、徒歩すぐ