京都山科にある折上稲荷神社(おりがみいなりじんじゃ)は、伏見稲荷大社と並ぶ最古の稲荷神社といわれています。伏見稲荷大社と折上稲荷神社の所在地を線で結ぶと一直線になることから、伏見稲荷の奥宮と呼ばれ人々に信仰されてきました。宮中で働く女官の病気平癒を神社に祈願したところ奇跡的に女官が回復したところから、働く女性の守り神ともいわれています。
この記事では、折上稲荷神社の魅力や見どころ・ご利益・アクセス方法などをご紹介しましょう。
折上稲荷神社の
ご利益
折上稲荷神社は、古来からたくさんの人々が信仰してきました。この項では、神社のご利益を簡単にご紹介しましょう。
- 商売繁盛
- 金運向上
- 豊作
- 満願成就(願い事を叶える)
- 女性守護
折上稲荷神社の
歩み
折上稲荷神社の歴史は古く、1,500年前には境内にある稲荷塚が人々の信仰を集めていたと伝わっています。この頃はまだ稲荷信仰が誕生しておらず、塚に祀られていたのは田の神様でした。
711年、神社近くにある西野山の三の峯、現在は社殿が建っている折上の森にそれぞれ稲荷神が降臨し、稲荷神社となったといわれています。これ以後、神社は伏見稲荷大社と同じく農業の神や商売の神として人々の信仰を集めるようになりました。
江戸時代後期、孝明天皇の側に仕える女官たちの間で病気が流行し、困った天皇は神社に病気平癒を祈願します。その結果、女官の病気は回復し、天皇はその御礼として長命箸(ちょうめいばし)を奉納しました。その話が広まり、神社は働く女性の守り神と呼ばれるようになります。
明治時代には、アメリカの富豪であるモルガン家に嫁いだ舞妓、雪(モルガンお雪)も折上神社を信仰していました。現在も、神社はたくさんの働く女性たちから信仰を集め続けています。
折上稲荷神社の
魅力と見どころ
折上稲荷神社の境内には、社殿だけでなく末社や遺跡も多数点在しています。この項では、神社の魅力と見どころをご紹介しましょう。
境内の末社や遺物
神社の境内には、1,500年前から信仰を集め続けてきた稲荷塚をはじめ、複数の末社や遺物が豊富です。中でも、三九郎稲荷神社はお金や人間関係の悩みを解消してくれるご利益、寶(たから)大神は株や宝くじのご利益で知られています。
境内の長橋御局様(ながはしのおつぼねさま)お腰掛石は、女性が腰かけると幸せになるといわれる石です。ぜひ、参拝ついでに腰かけてみてください。
折紙で作られた授与品
折上神社は、お守りやお札の他、折上という名前にちなんで折紙で折られた狐の授与品があります。これは、1枚1枚宮司が手折りしたものです。狐の首には前かけがかけられていますが、毎年風水にちなんでその色が変わります。節分や稲荷祭など特定の行事日にしか授与されない狐もありますので、その行事日に合わせて参拝するのもおすすめです。折上にかけて、ご利益も折り紙付きといわれています。
神輿が巡行する折上稲荷祭
毎年6月の第一日曜日(まれに第二日曜日)には、折上稲荷祭が開催されます。神輿の巡行で、男性の担ぎ手と女性の担ぎ手が同じ神輿を担ぐのが特徴です。これは、神社が女性の守り神であることにちなんでいます。狐のお面をかぶった子どもたちが担ぐ子ども神輿もあり、見ているだけでも楽しいものです。
このお祭りの時だけ授与される折紙製の狐もあります。記念に授与してもらうのもおすすめです。
折上稲荷神社
アクセス情報
住所:京都府京都市山科区西野山中臣町25
電話番号:075-581-1834
拝観時間:6~18時
拝観料:境内無料
駐車場:あり
交通案内:地下鉄東西線御辻駅から徒歩15分
公式サイト:http://origami-inari.jp