安楽寺は哲学の道の近くにある浄土宗の寺院です。名前を知らなくても、かぼちゃ供養をするお寺というとピンとくる方もいるのではないでしょうか。桜やツツジ・モミジなどが植えられた庭園も有名です。公開日が限定されているので、幻の名所とも言われています。
ここでは、安楽寺の見どころや魅力などをご紹介いしましょう。
悲劇もあった
安楽寺の歴史
安楽寺は浄土宗の開祖法然上人の弟子である住蓮上人と安楽上人が、鹿ケ谷草庵という小さな庵を結んで布教活動の拠点にしたのがはじまりです。2人の努力のかいもあり、草庵には信者が通ってくるようになりました。
その中にいたのが、後鳥羽上皇の女官であった松虫と鈴虫です。2人は仏道に深く帰依し、ついに出家してしまいました。後鳥羽上皇はこれに怒り、住蓮上人と安楽上人を斬首して松虫と鈴虫を流罪にします。
2人の師匠であった法然上人も讃岐に流されましたが、罪が許された後に荒廃した草庵を復興し住蓮山安楽寺と命名しました。境内には今でも2人の女官と2人の僧の供養塔があり、手厚く供養し続けられています。
期間限定で公開される
安楽寺の魅力
安楽寺は通常非公開となっており、春の花や紅葉が見ごろを迎える時期・かぼちゃ供養のときなど、限られた期間にしか中に入ることができません。ここでは、安楽寺の公開時期や見どころを紹介していきます。
モミジとツツジの幻の名所
安楽寺は7月25日のかぼちゃ供養、春と秋の土日祝日しか拝観できません。春と秋の拝観は桜とツツジの開花時期と、モミジなどの紅葉に合わせて行われます。
安楽寺の紅葉と言うと、山門へ通じる階段に散るモミジが有名です。公式サイトのトップページにもなっていますし、インターネットで安楽寺を検索すると、山門とモミジを写した写真がたくさんヒットします。
ツツジは桜や紅葉に比べると知名度は低いのですが、本堂から眺める薄桃色のツツジはとても見事です。
中風よけのかぼちゃ供養
安楽寺は京都の人にはかぼちゃ供養の寺として知られています。この時に使われるかぼちゃは、ひょうたんのような形をした鹿ケ谷かぼちゃと呼ばれる京野菜です。食べると中風にならないと伝えられています。
供養の当日はかぼちゃがふるまわれるだけでなく、安楽寺絵巻や九相図などの寺宝も虫干しを兼ねて公開され、解説も行われます。門先では京野菜の販売も行われるので、観光客だけでなく地元の方にも人気の催しです。
150年ぶりに復活した縁日
安楽寺には、くさの地蔵と呼ばれる皮膚病快癒にご利益のある地蔵尊があります。2015年に地蔵堂が再建され開眼供養が行われたことをきっかけに、150年ぶりに地蔵縁日が再開されました。
今でも毎月2日には地蔵縁日が行われています。肌荒れに悩まされている方は、参拝がてら縁日を訪れるのもおすすめです。
安楽寺
アクセス情報
住所:京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町21
電話番号:075-771-5360
拝観時間:公開日の9~16時30分
拝観料:500円
駐車場:なし
交通案内:京都駅から市バス5号系統岩倉操車場行乗車、真如堂前下車 徒歩約15分
公式サイト:http://anrakuji-kyoto.com/