静岡県静岡市の西の端にある宇津ノ谷は、平安時代から交通の要所であり難所でもありました。在原業平が書いた伊勢物語の中にも宇津ノ谷峠の名前があります。江戸時代になると東海道が整備されましたが、相変わらず丸子宿と岡部宿の間にある難所として有名でした。
現在でも交通の要所であることに変わりはありませんが、歴史ある町並みの保存に力を入れている宇津ノ谷地区をはじめ、明治時代に作られたトンネルなどが見学できる観光地になっています。
今回は、宇津ノ谷の魅力や見どころをご紹介しましょう。
歴史ある町並みを
散策する
宇津ノ谷入り口バス停から明治のトンネルの方に向かう途中にあるのが、40戸ほどの宇津ノ谷地区です。宿場町ではありませんが、昔から交通の難所である宇津ノ谷峠に向かう旅人の休憩場所として栄えてきました。
集落には明治天皇御小休所跡や、豊臣秀吉が陣羽織を与えたという話が残る御羽織屋があります。集落は1999年(平成12年)から街道の面影を残す町並み保存に取り組んでいるため、石畳の道や歴史を感じさせる建物が風情あると好評です。日が暮れると各家の軒先にはみやびやかな灯籠が灯ります。
明治や大正の
トンネルを見学
宇津ノ谷では、明治時代からトンネルの建設が始まりました。現在、宇津ノ谷には明治から平成までの間に造られたトンネルが4本あり、それぞれ造られた年号で呼ばれています。
明治のトンネルや大正のトンネルは車の通行もほとんどなく、中を歩くことが可能です。特に、明治のトンネルは赤レンガ造りで風情があります。大正トンネルへと通じる道には桜並木があるので、花が咲く季節に花見がてら歩いてみるのもおすすめです。
旧東海道を
歩く
現在でも旧東海道の峠越えの道は歩くことができます。国指定の史跡になっていて歩道も整備されているため、ハイキングにおすすめです。美しい竹林があったり明治のトンネルを上から見下ろせたりと見どころもたくさんあります。
宇津ノ谷集落を一望できる展望台からの眺めは、一幅の絵のような美しさです。宇津ノ谷集落を出発点とする峠越えの所要時間は約1時間半。足元を調えて行けば子どもでも歩き通せます。
宇津ノ谷
アクセス情報
住所: 静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷
駐車場:付近の有料パーキングを利用
交通案内:JR静岡駅よりしずてつジャストライン乗車し、宇津ノ谷入口バス停下車、徒歩すぐ