日本を代表する観光地である箱根。その箱根の中でも人気の観光スポットが、火山活動を間近に体感できる大湧谷です。平成27年4月から火山性地震が多発したため閉鎖されていましたが、平成28年7月から大湧谷の一部の観光が再開されました。今回は、そんな大湧谷の見どころをご紹介しましょう。
火山活動を間近で、
大涌谷ってどんな場所?
大湧谷は、神山火口の爆裂跡です。跡といってもいまだに火山活動は収まっていません。そのため、火山ガスや高温の温泉など他では見られない光景が広がっています。
未だに活動を続ける爆発の跡
大涌谷は約3,000年前の箱根火山最後の爆発でできた神山火口の爆裂跡です。今でも岩がゴロゴロと転がり、ところどころに火山ガスの白煙が上がる風景が広がっていて、火山活動のすさまじさを肌で感じられます。江戸時代までは地獄谷と呼ばれ、修験地でもありました。現在の大湧谷は遊歩道が整備され、火山活動の様子を間近で観察できたり名物の黒たまごを食べたりできる観光地になっています。
火山活動活発化による閉鎖と再会
平成27年の4月から箱根では火山活動が活発になりました。ニュースにもなったので記憶に残っている方も多いでしょう。その後、同年6月に大桶谷でごく小規模な噴火が確認されました。幸い、これ以上火山活動が活発になることはなく、平成28年7月26日に大涌谷の一部が再び見学可能となりましたが、今でも閉鎖されている場所はあります。現地では立ち入り禁止になっている場所に勝手に入らないようにしましょう。
大桶谷観光の注意点
大桶谷周辺で噴出している火山性ガスはガスは人体に有害です。臭いが強いときや目や耳、喉に刺激を感じる場合はすぐにその場を離れてください。また、大桶谷では24時間火山ガスを監視しています。もし、退去を促すアナウンスなどがあった場合は、すぐに従ってください。また、体調不良の方や気管支や肺に持病のある方はロープウェイに乗車することもできません。健康状態を万全にして観光に臨んでください。
大桶谷は標高1,040mの高地です。そのため、夏でも肌寒く霧が出る日も少なくありません。長袖や防寒着は必ず持って行きましょう。また、足場が悪いので雨が降ると滑りやすく、土石流の危険もあります。そのため天候が悪い場合は園路が閉鎖されることもあるでしょう。天候をよく確認して観光に出かけてください。
雄大な景色を楽しもう
大涌谷の見どころ
大涌谷は、絶景やグルメなど見どころがたくさんあります。今回はその中でも特におすすめの場所をご紹介しましょう。
空の旅が楽しめる箱根ロープウェイ
箱根ロープウェイは、芦ノ湖のほとりにある桃源台駅と、ケーブルカーの乗り換え口である早雲山駅を結んでいます。大涌谷は早雲山駅の一つ手前。桃源台駅から約16分の空の旅となります。
ロープウェイはそれぞれの駅を1分間隔で出発するため、混雑しているときでもそれほど待たずに乗車可能です。早雲山駅を出発すると、ロープウェイはぐんぐん山を登り、天気が良い日は富士山や大涌谷などが一望できます。
ロープウェイからの大パノラマ
箱根ロープウェイは、標高1,044mの大涌谷をピークとして早雲山駅と桃源台駅、どちらから利用しても山登りと山下りの風景が楽しめます。大涌谷駅から早雲山駅までは、大涌谷の迫力ある景色が見どころ。桃源台駅から姥子駅、さらに大涌谷駅までは富士山と芦ノ湖の大パノラマが見どころです。
食堂やロッカーも完備された大涌谷駅
大涌谷駅は、箱根ロープウェイの中で最も標高が高い駅であり、大涌谷観光の玄関口でもあります。また、早雲山方面と桃源台方面とでは乗り場の異なる乗換駅でもあるため、駅自体も大きくて立派な建物です。
大涌谷駅の中には食堂やコインロッカー、売店やペットケージまであります。さらに、車いすの無料貸し出しも行っているため、観光の拠点としてもおすすめです。
ショッピングも楽しめる大涌谷くろたまご館
黒たまごとは温泉でゆでた卵のことで、大涌谷の名物です。温泉の成分により、殻が黒く変色することから、黒たまごと呼ばれています。黒たまごを食べると寿命が7年伸びるという伝説もあり、普通のゆでたまごよりもおいしいと評判です。
くろたまご館はそんな名物黒たまごや黒たまごグッズを買うことのできるショップ。現在、玉子茶屋が閉店していますので、極楽茶屋とくろたまご館だけでしか黒たまごは購入できません。
01. 箱根ジオミュージアム
箱根ジオミュージアムは、箱根火山をテーマにした博物館です。大涌谷くろたまご館の1階にあり、箱根火山の歴史や性質について知ることができます。火山について学んだあとは、実際に大涌谷を散策して、実物に触れてみましょう。そうすれば、より大涌谷をを楽しめます。
02. ビュッフェスタイル わくわくキッチン
くろたまご館に併設されているレストランです。しかし、現在は火山活動の影響で閉鎖されています。再開の時期は未定です。
03. くろたまショップ
くろたまショップは、くろたまご館に併設されているくろたまごグッズやお菓子が買えるショップです。箱根寄木細工や大涌谷オリジナルのお菓子などもあります。お気に入りの逸品を見つけてみてください。
手を清める温泉神泉の湯
神泉の湯は、大涌谷延命地蔵尊のすぐそばに涌いている天然温泉です。手を清めるための温泉ですので、入ったり飲んだりすることはできません。手水の代わりにお地蔵様にかけることはできますので、お参りする際にはかけてあげてください。
弘法大師が建立した延命地蔵尊
弘法大師が地獄のような大涌谷の風景に心を痛め、建立したという伝説がある地蔵尊です。現在は、延命と子育ての地蔵尊として信仰を集めています。参拝の際は神泉の湯を清めの水代わりにかけてあげてください。延命地蔵尊は、周囲よりも少し小高い場所に鎮座しています。晴れた日にはお堂をバックに富士山がすばらしい姿を見せてくれるでしょう。
絶景スポット 大涌自然研究路
大涌自然研究路は大涌谷の自然に親しみ、山活動を観察できる路であり、大涌谷全景が見渡せるビュースポットでもあります。しかし、現在は火山活動の影響で、封鎖されていて通行できません。再開時期はまた神奈川県のホームページなどで発表される予定です。
名物の黒たまご 玉子茶屋
大涌自然研究路の頂上にある茶屋です。名前の通り名物の黒たまごが食べられますが、大涌自然研究路の閉鎖に伴い、玉子茶屋も現在は閉鎖中。再開したらぜひ足を運んでみてください。
01. 黒たまご専用ロープウェイ
黒たまごは約80度の温泉地に漬けて作られます。この時に温泉に含まれている鉄分がたまごの殻に付着し、たまごが黒く変色するわけです。
黒たまごは毎日作られ、完成したたまごから各販売所へ運ばれていきます。このとき使われるのがこの専用のロープウェイです。たまごが空中を移動する様子をぜひご覧ください。
02. 蒸し方が毎日黒ゆでたまごを作る
黒たまごは毎日「蒸し方」と呼ばれる職人の手によって作られます。また、黒たまごは普通のゆでたまごよりも旨みが20%ほど増しているとか。大涌谷に行ったら、ぜひ食べてみてください。いつも作りたてで温かいものが販売されています。
まるで地獄の釜? 噴煙地
噴煙地は、大涌自然研究路の途中にある温泉が涌き出ている場所です。まるで生き物のように、ガスと一緒に温泉が噴き出す様子を見ることができます。神奈川県の景勝50選にも選ばれていますが、現在は封鎖中です。火山活動しだいでまた見学が可能になりますので、その日を楽しみにしていてください。
富士山が望める閻魔台からの眺望
大涌自然研究路にある閻魔台からは大涌谷全景が見渡せます。また、天気が良ければ富士山もきれいに見えるでしょう。温泉から立ち上る白煙と富士山のコラボレーションは、ここでしか見ることができません。現在は火山活動の活発化で、閻魔台まで行く道は封鎖されています。再開が待ち遠しいですね。
ここでしか買えない
大涌谷のお土産情報
旅行の楽しみの一つがお土産選びです。大涌谷ではどのようなお土産があるのでしょうか。おすすめをご紹介していきます。
温泉を家で楽しめるバスグッズ
大涌谷では温泉に入ることはできませんが、湯の花や温泉の元などがくろたまショップなどで購入できます。また、黒たまごや富士山などが印刷された、オリジナルの手ぬぐいも人気です。これらがあれば、自宅で温泉気分を楽しめます。
肌がきれいになるオリジナル化粧品
大涌谷では、温泉の成分とたまごジェリーを配合した美容液や石けん、肌マスクなどを販売しています。美肌効果が期待できるということで、肌のくすみなどが気になる方におすすめです。特に、石けんは黒たまごそっくりの形をしているので、旅の記念にピッタリ。
くろたまにゃんこシリーズ
大涌谷のご当地キャラクターである、くろたまにゃんこグッズもお土産に最適です。かわいらしいデザインなので、女のこに喜ばれるでしょう。ミニタオルや手帳など、実用的なグッズもたくさんあります。
大涌谷
まとめ
いかがでしたか?今回は大涌谷の魅力や見どころをご紹介しました。ロープウェイは全線開通しましたが、大涌谷はまだ閉鎖されている場所もあります。しかし、開放された場所を巡るだけでも自然の雄大さや火山活動のすごさは十分に感じられるでしょう。火山ガスに注意して観光を楽しんでください。
大涌谷は火山活動の様子によって開放される場所が増えるかもしれませんし、逆に再び閉鎖される場所が出てくる可能性もあります。事前に自治体のホームページなどで情報を確認してから出発しましょう。
大涌谷
アクセス情報
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1251-1
電話番号: 045-651-0931 (公財)神奈川県公園協会
解放時間:9~17時(夜間完全閉鎖) 駐車場は16時まで
駐車場:あり 一般車520円
交通情報:小田原駅南口から伊豆箱根バス(大涌谷経由箱根園または湖尻行き)に乗車 「大涌谷」下車
箱根湯本駅から箱根登山線に乗車、強羅駅下車、ケーブルカー乗車、早雲山駅下車すぐ
公式サイト:http://www.kanagawa-park.or.jp/owakudani/index.html