円応寺は、北鎌倉にある臨済宗建長寺派の寺院です。本尊は閻魔大王。その他に、人が死んだ後に出会う十王と呼ばれる神々を祀っています。本尊は笑い閻魔・子育て閻魔とも呼ばれ、子どもが丈夫に育つご利益で有名です。
今回は、円応寺の魅力や見どころをご紹介しましょう。
移築をくり返した
円応寺の歴史
円応寺は1250年、知覚大師によって大仏の東の山(見越嶽)に建立されました。当時の名は荒井(新居)閻魔堂であったと伝えられています。
その後足利尊氏が、鎌倉攻めの際に亡くなった兵士たちの霊を慰めるために、由比ガ浜に移築しました。1703年に由比ガ浜一帯は大地震とそれに伴う津波で大きな被害を受け、円応寺も倒壊します。これがきっかけとなり、現在の地に3回目の移築が行われました
死後の世界を再現
円応寺の魅力
円応寺は、死後の世界の様子を再現した寺院です。ここでは、その魅力や見どころをご紹介します。
運慶作の閻魔大王坐像
国の重要文化財に指定されている本尊の閻魔大王坐像は、鎌倉初期に活躍した仏師の運慶作と言われています。運慶は重病で仮死状態になったとき、あの世で閻魔大王から恐ろしい顔をした自分の像を作るように命じられました。しかし、生き返った運慶はうれしくて笑いながら像を作ったため、像も笑っているような顔つきになってしまったという伝説が残っています。笑い閻魔という別名はこの伝説にちなんだものです。
円応寺で子どもの名前を付けてもらうと丈夫に育つという言い伝えがあり、子育て閻魔とも呼ばれています。
十王や奪衣婆の木像
寺院には、閻魔大王以外にも十王や奪衣婆など死後の世界で出会える神々の像が祀られています。奪衣婆は、亡者の着物をはぎ取り、その重さで罪の大きさを測る役割を担っている老婆です。十王は、閻魔大王と共に人の罪を裁きます。各像にはそれぞれ丁寧な説明もついていますので、拝観後は死後の世界に対する理解が深まること間違いなしです。
死者を弔う閻魔縁日
毎年1月と8月の16日には、閻魔縁日が行われます。この日は地獄の釜のふたが開き、すべての餓鬼(亡者)が解放される日です。死者を弔うために、閻魔大王坐像の前ではお坊さんたちによる祈祷が行われます。
子育て閻魔にちなんで、子どもの丈夫な成長を祈る方も大勢訪れる賑やかな縁日です。
円応寺
アクセス情報
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内154
電話番号:0467-25-1095
拝観時間:9~16時(12月~2月までは15時30分まで)
拝観料:200円
駐車場:なし
交通案内:JR横須賀線 北鎌倉駅から徒歩15分