両足院は、建仁寺山内にある塔頭寺院です。塔頭寺院とは、大寺院の中にある小寺院を指します。普段は非公開で、年に数回だけ庭が公開される寺院です。境内では定期的に坐禅会や写経が開かれており、参加すると建物内から美しい庭が見学できます。
この記事では、両足院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
学問が盛んだった
寺院の歴史
両足院は、室町時代初期に龍山徳見(りゅうざんとっけん)禅師が開山した建仁寺の塔頭寺院です。開山当初は知足院という名でした。この知足院の別院として建仁寺開山堂(旧護国院)の中にあった寺院が、当時は両足院と呼ばれていたと伝えられています。
安土桃山時代半ばの天文年間に、二つの寺院は火災で焼け落ちてしまいました。その後、二つの寺院が合わさって両足院として再興されます。江戸時代初期まで両足院は霊泉院(霊源院)と共に、建仁寺開山明庵栄西禅師の直系である黄龍寺派の中心寺院でした。
両足院は、室町時代まで霊泉院と共に五山文学(禅宗寺院で行われた漢文学)の最高峰だったと伝えられています。五山文学が廃れてしまった後も両足院は建仁寺の学問面の中核を担い、明治初期まで建仁寺にとって重要な僧侶を育成する場でした。現在の両足院は庭の美しい寺院として知られており、毎年特別公開の時期には多くの観光客が訪れます。
庭が美しい
寺院の魅力
両足院が一般公開されるのは、1年で数回だけです。ここでは、めったに拝観できない寺院の魅力をご紹介しましょう。
特別公開の時に拝観する
両足院の特別公開時期ははっきりと決められていませんが、そのうち1回は半夏生(はんげしょう)という植物が見ごろになる初夏です。両足院には庭が3ヶ所あり、そのうち京都府の名勝に指定された池泉廻遊式庭園が公開されます。
特別公開のときは、庭だけでなく寺宝や茶室水月亭も特別公開されるので、ぜひこの時期に合わせて訪れてみてください。
坐禅会や写経に参加する
両足院では定期的に坐禅会と写経を行っています。事前に申し込みが必要ですが、建物内から庭が見学できるということもあり人気です。坐禅会や写経の日程は、公式サイトから確認できます。
両足院はかつて学問が盛んな寺院でした。現在でも学びの場として多門会という集いを行っています。毎回さまざまなテーマで勉強会が企画され、境内で講義が聞けると評判です。事前に予約すれば誰でも参加できます。
両足院
アクセス情報
住所:京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
電話番号:075-561-3216
拝観時間(特別公開時):10~17時
拝観料:大人600円 子ども300円
駐車場:なし
交通案内:阪急河原町駅下車、徒歩10分
公式サイト:http://www.ryosokuin.com