忍野八海(おしのはっかい)は、富士山構成資産にも指定されている富士山観光スポットの一つです。長い年月をかけて自然が作り出した風光明媚(ふうこうめいび)な風景は多くの人々を引き付け、かつては信仰の場でもありました。現在は、観光スポットとしてだけでなくパワースポットとしても人気を集めています。
そこで、今回は、そんな忍野八海の魅力をたっぷりとご紹介しましょう。忍野八海の観光に役立つこと間違いなしです。
この記事を読むことで、忍野八海観光で見ておくべきスポットが分かります。
富士山が生んだ湧水群、
忍野八海とは?
忍野八海は風光明媚(ふうこうめいび)な観光地として、国内だけでなく海外にも名高い場所です。ここでは、忍野八海がどのような場所なのか詳しくご紹介しましょう。
湖の跡地にできた湧水群
忍野八海は、富士山の山梨県側の麓、山中湖とほど近い場所にある湧水群です。忍野八海はもともと「忍野湖」と呼ばれる富士山の伏流水を源流とした湖でした。しかし、富士山が噴火活動を繰り返すにつれて徐々に水触や掘削排水が進み、湖が壊れてしまいます。その跡地に残った湧水池が現在の忍野八海です。
こんこんと湧き出る名水
忍野八海は2013年に富士山が世界遺産に登録されたのに合わせて、「富士山構成資産」に認定されました。また、日本の名水百選の一つにも選ばれています。富士山の雪解け水が自然の力で濾過(ろか)されて湧き出てくる様子は、とても神秘的です。
かつては富士信仰の中心地だった
現在は観光地として有名な忍野八海ですが、かつては富士山信仰の中心的な場所でもありました。そのため、古跡霊場や山伏たちが修行した場所、そしてさまざまな逸話も残されています。自然だけでなく、史跡を巡ってみるのもおすすめです。
自然が作り出した芸術、
忍野八海の魅力
ここでは、忍野八海の魅力を詳しくご紹介します。風光明媚(ふうこうめいび)な場所は日本に数多く存在していますが、何が人々を引き付けるのでしょうか?
富士山と水の組み合わせ
忍野八海の一番の魅力は、自然が作り出した他にはない風景です。豊かな緑とこんこんと湧き出す透明な水の組み合わせは、いつまで見続けても飽きることはありません。また、泉の中には条件がそろえば富士山が映るものもあります。
感じ取れる自然への畏怖
前述したように、忍野八海は信仰の場でもありました。ですから、1,000年以上前に建てられた神社があったり、泉ごとに不思議な伝説が残っていたりします。史跡や霊場跡を巡ってみれば、昔の人々が抱いていた自然への畏怖を感じ取ることができるでしょう。
自然に癒やされよう
忍野八海のような豊かな自然の中を歩くだけで、ストレス解消の効果があるそうです。忍野八海が近年パワースポットとして人気を集めているのも、泉を巡っていると気分が晴れやかになったりすっきりしたりする方が少なくないからでしょう。
実際に巡ってみよう!
八つの池の特徴
現在、忍野八海には八つの泉があります。今回はそれぞれの特徴と魅力をご紹介しましょう。ぜひコースを組む時の参考にしてください。
涌池
忍野八海の中で最も水量が多く、毎秒2.2立方メートルもの水が湧き出しています。池の中には珪藻(けいそう)が繁殖し、多くの生き物との対比による水底の美しい景観は必見です。
涌池は、湧池の中で最も賑(にぎ)やかな通りに面しており、池の端にはお土産物屋や水車などもあります。観光のスタート地点にはぴったりです。また、春には桜の花とのコラボレーションも楽しめます。
涌池は、その昔に富士山が噴火した際、人々の水を欲する願いに応えた木花開耶姫命(このはやさくやのみこと)が作り出した池という伝説があるそうです。そのため、毎年木花開耶姫命のためにお祭りが行われ、池には眷属(けんぞく)である徳叉迦竜王(とくしゃかりゅうおう)が祀られています。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草361-2
濁池
湧池と同じく川に隣接している池です。そのため、池の一部が濁っていますが、水質が悪いというわけではありません。他の池に比べると透明度は高くありませんが、それでも一部分を除いて池底まで見通せます。
濁池の名前の由来は、「地主の老婆が水を飲もうとした旅の行者を咎(とが)めたとたん、池が濁ってしまった」という昔話からです。しかし、この池の水を器に汲(く)むと澄んだ水になるともいわれています。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草269-2
菖蒲池
池の周囲にたくさんの菖蒲(しょうぶ)が群生していることが、菖蒲池(しょうぶいけ)という名前の由来です。現在は池というより沼地のようになっていて、他の池とは趣が違います。池の奥には八海菖蒲池公園があるので、足を延ばしてもよいでしょう。
ここに生えている菖蒲は、重い病気を治す効果があったという伝説があり、現在も病気平癒を願う人々がお参りにきます。また、池の水量が毎月変わるという変わった性質もあるので、何度か足を運んでみるのも面白いですよ。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草444-2
銚子池
銚子池(ちょうしいけ)は、結婚式の場でそそうをした花嫁がそのことを苦にし、銚子(ちょうし)を持ったまま飛びこんだという悲しい伝説が残る池です。今でも水底に時折美しい女性が見えることもあるとか。今では縁結びの池として人気を集めています。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草266‐3
出口池
忍野八海の中で最も大きな池です。他の7つの池から少し離れた場所にあり、池の端には出口稲荷大明神があります。山がすぐそばまで迫っているので、周りに売店などはありません。最も自然に近い姿が見ることができますので、しっかりと装備を調えて向かいましょう。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草266‐3
お釜池
お釜池は忍野八海の中で最も面積が小さい池。名前の由来は、池に住んでいた大きなガマカエルが池で洗濯をしていた娘を水中に引き込んでしまったという言い伝えからです。
お釜池は、小さいながらも水深が4mもあり、透明度も高いため水中の魚が浮いて見えます。また、水底の水草まではっきりと見えるので、のぞき込んでいると引き込まれそうです。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草111-2
底抜池
はんの木林資料館の敷地内にある池で、見学するには300円の入館料が必要です。名前の由来は、この池で食器や野菜を洗っている時にうっかり手を離すと水底に引き込まれて決して浮かんでこないという伝説から。引き込まれた品物はお釜池に浮かび上がるという伝説も残されています。
池のほとりには楠(くす)の大木があり、神秘的な雰囲気です。水深は1.5mほどしかありませんが、その分生き物や水草を間近で観察できます。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草272-2
鏡池
富士山が映り込む池として有名です。名前の由来も富士山がきれいに映ることから。特に、春先に雪をかぶった富士山が映り込む姿は美しく、大勢の観光客が一目見ようと池を訪れます。
鏡池の水は善悪を見分けるという言い伝えがあり、その昔は争いごとの決着をつける時の潔斎の場としても使われていました。今ではお土産物屋さんが立ち並ぶ観光地として賑やかな場所ですが、昔は厳かなところだったのです。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草339-2
豊かな自然を満喫!
忍野八海周辺の観光地
忍野八海の周辺には、富士山が作り出した絶景観光スポットがまだまだたくさんあります。今回はその中でも一押しのものをご紹介しましょう。ぜひ観光コースを組み立てる時の参考にしてください。
鐘山の滝
富士見公園内にある、富士山の噴火で流れ出た溶岩の間を流れ落ちる滝です。二条の滝が10mの落差を流れ下りる様子はとても涼しげ。夏でもひんやりとしています。秋になると周辺の木々が紅葉し、絵画のような美しさです。
その昔は鐘ガ淵と呼ばれたほど、深い滝つぼも見どころになっています。また、周囲に看板や案内図がなく、足場も悪いのでしっかりと準備と装備を調えて観光に行きましょう。
ふれあい乗馬楽園クローバー牧場
山中湖のすぐそばにあるクローバー牧場では、気軽に馬と触れ合ったり乗馬を楽しんだりできます。スタッフが手綱を引いてくれる「引き馬」もあるので、小さい子どもでも大丈夫。
クローバー牧場では、馬のブラシがけやエサやりなど、他の牧場にはない体験ができます。馬ともっと触れ合いたい、馬のことを知りたいという方にもおすすめです。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡山中湖村平野547-31
電話番号:0555 -72–9650
営業時間:10~17時(受付16時まで)
公式サイト:http://www.clover-ranch.jp
忍野お宮橋
忍野八海の近くにある新名庄川にかかるお宮橋は、富士山が美しく見えるポイントとして有名です。特に春は川の両岸に植えられたソメイヨシノが満開になり、富士山とのコラボレーションが楽しめます。また、ソメイヨシノ以外にも1~2月に満開となる水仙もたくさん植えられているので、冬の観光もおすすめです。
新倉山浅間公園
河口湖にほど近い場所にある朝倉山の中腹に作られた公園です。園内には五重塔があり、春になると桜と富士山とセットになった「これぞ日本」という風景を見ることができます。
新倉山浅間公園は、日本よりも外国で有名です。富士山と桜と五重の塔が一緒に写っている写真が日本の象徴として紹介されることも少なくありません。また、「世界中のカメラマンが死ぬまでに訪れなければならない21の場所」の9位にランクインされています。
朝倉山浅間公園にはハイキングコースもあるので、美しい自然を眺めながらの山歩きもおすすめです。小さい子どもから年配の方まで、幅広い年代が楽しめる場所となっています。
忍野八海周辺の
一押しグルメ
忍野八海の周辺には、おいしいお蕎麦(そば)やさんが何件もあります。それを含めて、おすすめのグルメスポットをご紹介しましょう。
池本茶屋
池本茶屋は中池のすぐそばに建つ名水そばのお店です。毎日自前の水車で挽いたそば粉を使い、富士山の名水でこねたそばは外国の観光客にも人気となっています。
池本茶屋はヤマメやイワナなどの川魚料理も有名です。自前の養殖池を持っており、そこから獲れたての魚を使います。ぜひ味わってみてください。
朝9時からオープンしているので、朝食にもおすすめです。休日の昼間は混みやすいので、あえて朝を狙って来店する方も少なくありません。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草354
電話番号:0555-84-1009
営業時間:9~16時30分
定休日:不定休(夏休み期間は無休)
お食事処いろり
山梨名物のほうとうが有名なお店です。ほうとうは具だくさんの汁の中で幅広のうどんを煮込んだもの。ボリュームがあって、体が温まること間違いなし。
忍野八海周辺はお盆をすぎるとひんやりとした秋風が漂いはじめます。そんな時こそ、暖かいほうとうがおすすめです。
忍野八海周辺のお店は閉店が早いところが多いのですが、いろりは23時まで営業しています。ですから、観光後の夕飯にもよいでしょう。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草200-1
電話番号:0555-84-3741
営業時間:ランチ 11時30分~14時・ディナー 18~23時
定休日:火曜日
はんの木食堂
底抜池の端に建つはんの木資料館内にある食堂です。ここでは、お蕎麦(そば)とほうとうというこの辺りの2大名物を食べることができます。観光の途中で立ち寄りやすい場所にあるので、時間に余裕のない方にもおすすめです。
はんの木食堂のほうとうは鉄鍋に入れられて出てきます。ですから、食べ終わるまでアツアツ。寒い季節にはうれしい逸品です。
はんの木食堂は、お蕎麦(そば)やほうとうの他、ニジマスの塩焼き定食も食べることができます。名水で育った川魚は臭みもなく、あっさりとして食べやすいのが特徴です。お蕎麦(そば)も付いていますので、いろいろ味わいたい方はぜひ注文してみてください。
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草265
電話番号:0555-84-2587
営業時間:10時30分~17時
定休日:不定休
公式サイト: http://hannoki.com
忍野八海を遊びつくそう!
おすすめイベント
忍野八海では、年間を通していろいろなイベントが行われています。今回はその中でもおすすめのものをご紹介しましょう。
富士忍野高原トレイルレース
トレイルレースというのは、登山道や林道を走るレースのこと。富士山周辺には変化にとんだ登山道や林道が数多くあり、そこを利用した大会です。毎年6月に開催され、忍野村を囲むように山々を走ります。
コースは、ショートからロングまで3種類ありますので、体力に応じて選んでください。毎年6月に行われる忍野を代表するイベントで、協賛企業も数多くブースを出展しています。
問い合わせ先:士忍野高原トレイルレース大会事務局(0555-84-2042)
八海祭り
毎年8月に開催される八海祭りは、忍野村を代表するイベントです。忍野中学校皇帝がメイン会場となり、花火大会や太鼓の演奏、八文字焼きなどが行われます。村の一部の道路が通行止めになるため、参加される旅行者の方は早めに会場に入りましょう。
問い合わせ先:忍野村役場観光産業課(0555-84-7794)
桜の開花 ライトアップ
忍野お宮橋では、毎年桜の開花の頃にライトアップが行われます。忍野八海の夜は静かですが、この時期だけは例外。夜遅くまで観光客で賑(にぎ)わいます。夜桜と富士山の取り合わせも見事です。
忍野八海の今が分かる
おすすめ口コミサイト
口コミサイトを読めば、忍野八海の「今」を知ることができます。今回は、特におすすめのサイトをご紹介しましょう。
フォートラベル
国内外の観光スポットの口コミ情報サイトです。忍野八海の良い点だけでなく、悪い点も同時に表示してくれるので、行き場所を選ぶ時に重宝するでしょう。写真も多く、見やすい構成も魅力です。
じゃらんネット
大手ホテル予約サイトですが、口コミが多く集まるサイトとしても有名です。忍野八海周辺のグルメ・宿やホテル・宿からの現地情報など情報がカテゴリーに分けられているので、とても見やすく欲しい情報が一目で分かります。
旅行気分が盛り上がる
おすすめガイドブック
インターネットで情報を得ることが多くなった今でも、ガイドブックは旅の大切なお供です。今回はおすすめのガイドブックをご紹介しましょう。
るるぶ富士山 富士五湖 御殿場 富士宮’17 ちいサイズ
通常のるるぶよりも小型のサイズなので、持ち運びにも邪魔になりません。キンドル版も発売されているので、スマートフォンやタブレットに入れて忍野八海の観光に持ち歩いても良いでしょう。
まっぷる 富士山 富士五湖・富士宮 ’17
ガイドブック大手のまっぷるは、忍野八海の欲しい情報がギュッと詰まっています。こちらもキンドル版があるので、スマートフォンに入れておいてもおすすめです。
旅の前にチェック!
忍野八海お役立ちサイト
ここでは、忍野八海の情報が詰まったお役立ちサイトをご紹介します。旅の前にぜひ目を通しておきましょう。
おしのナビ
忍野村観光協会公式サイトです。泊まる・食べる・遊ぶなどページカテゴリー分けされていますので、見やすく使いやすいのが特徴。季節のイベントはぜひここでチェックしましょう。
忍野村観光情報
こちらも、忍野村公式観光ホームページです。おしのナビと合わせて使えば、情報の取りこぼしはありません。
富士の国山梨観光ネット
山梨県全体の観光情報が分かるサイトです。周辺情報はここをチェックしましょう。
忍野八海
まとめ
いかがでしたか? 今回は忍野八海とその周辺のおすすめスポットをご紹介しました。自然の美しさや偉大さを感じることができる忍野八海は四季を通じていろいろな表情を見せてくれます。ぜひ、2度・3度と足を運んでみてください。
忍野八海
アクセス情報
アクセス情報
住所:山梨県南都留郡忍野村忍草
電話番号:0555-84-4221 (忍野村観光案内所 問い合わせ9~17時)
料金:底抜池以外は無料
駐車場:なし
交通案内:富士急行富士山駅から富士急バス御殿場駅行き忍野八海で下車、徒歩1分/平野行き忍野八海経由で忍野八海下車、徒歩1分
公式サイト:http://www.vill.oshino.yamanashi.jp/8lake.html