京都嵯峨野にある遍照寺は、住宅街の中にひっそりと建つ小さな寺院です。かつては大寺院でしたが、応仁の乱で廃墟と化し、1830年(文政十三年)に現在地へと場所を移し復興されました。現在は、広沢不動尊や広沢の赤不動さんと呼ばれ人々に親しまれています。8月16日に行われる灯籠流しは嵯峨野の夏を彩る有名な行事です。毎年、たくさんの観光客が訪れています。
この記事では、遍照寺の見どころや魅力をご紹介しましょう。
不動尊像が有名な
遍照寺の歴史
遍照寺は、989年に宇多天皇の孫にあたる寛朝(かんちょう)によって建立されました。広沢池に観世音菩薩を祀る観音島を造るなど嵯峨有数の大寺院でしたが、寛朝が亡くなると寺院は次第に衰退していきます。
鎌倉時代に後宇多天皇によって再興されますが、応仁の乱で再び荒廃し、ついには廃墟となってしまいました。このとき、遍照寺創建当時から伝わる本尊の十一面観音像と木造不動明王坐像(通称、赤不動明王像)は奇跡的に難を逃れ、草堂に移されたといいます。
1830年(文政十三年)、舜乗律師(しゅんじょうりっし)の手によって十一面観音像と木造不動明王坐像が現在地に移され、寺院は復興を果たしました。現在は、交通安全や厄除けにご利益のある不動明王を祀る寺院として、地元の方に親しまれています。
本堂に祀られる
重要文化財
重要文化財に指定されている本尊の十一面観音像と不動明王坐像は本堂に祀られており、自由に見学できます。不動明王坐像は通称、赤不動像と呼ばれ、交通安全と厄除けにご利益があることで有名です。
毎月28日には不動護摩が焚かれて法要が行われ、写経の会も開催されます。写経会に参加したい方は、事前に電話で問い合わせをしておくと手続きがスムーズです。護摩法要は誰でも参加できます。
夏の風物詩、
灯籠流し
遍照寺では、毎年8月16日に広沢池で灯籠流しを行っています。これは戦後に始まったもので、今では嵯峨野の夏の風物詩となっている行事です。広沢池からは五山送り火の一つである鳥居形を望むことができ、灯籠流しと共に楽しめます。灯籠は、事前予約800円・当日千円で購入可能です。宗派は問わず、どんな方でも祖先を供養することができます。
遍照寺
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨広沢西裏町14
電話番号:075-861-0413
拝観時間:9~16時
拝観休止日:毎月28日9~15時
駐車場:あり
交通案内:JR嵯峨嵐山駅より徒歩15分