奈良県大和郡山市にある源九郎稲荷神社は、歌舞伎の演目『義経千本桜』で有名な源九郎狐を祀っている稲荷社です。こぢんまりとした神社ですが数々の伝説が残っており、地域の人々から信仰を集め続けてきました。日本三大稲荷社の一つに数えられていて、周囲の町並みも風情があります。
この記事では、源九郎稲荷神社の歴史や魅力をご紹介しましょう。
源九郎稲荷神社の
御利益
この項では、源九郎稲荷神社のご利益をご紹介します。どのようなものがあるのでしょうか?
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
- 満願成就(願い事が叶うこと)
- 健康長寿
源九郎稲荷神社の
歴史
源九郎稲荷神社の縁起は諸説ありますが、最も有名なのは、安土桃山時代に神通力をもった源九郎狐という霊狐が長安寺村に住んでいた僧侶、宝譽(ほうよ)の夢枕に立ったことを始まりとする説です。霊狐は、自分を稲荷神として郡山場内に祀れば城を守護すると告げたといいます。宝譽がこの夢の話を郡山城主であった豊臣秀長に伝えると、秀長はすぐに城内に稲荷社を建立し源九郎狐を祀ったということです。
源九郎狐自身にも、源頼朝の追手から逃れる源義経と静御前(しずかごぜん)を吉野山まで導いた伝説が残っています。道案内のお礼に義経は狐に自らの名前である九郎を与えました。この伝説に基づいて創られたのが、歌舞伎や文楽の人気演目、『義経千本桜』です。
1719年、この社が現在の場所に移されると、人々の信仰を集めるようになりました。ちなみに、現在の社殿は大正時代に造られたものです。
源九郎稲荷神社の
魅力や見どころ
源九郎稲荷神社には数々の伝説をはじめとする魅力があります。この項では、その中でも一押しをご紹介しましょう。
源九郎稲荷伝説
源九郎稲荷には、歴史の項目でご紹介した伝説の他、大蛇を退治したり大雨を降らせて郡山城下の火事を鎮火したという伝説が残されています。また、源九郎稲荷神社を住処にしていた狐が、小狐のために人に化けて綿帽子を買ったというほほえましい昔話も有名です。
絵馬や授与品
源九郎稲荷神社の絵馬はユーモラスな狐の顔をしており、奉納せずに持って帰りたくもなるような愛らしさです。また、義経千本桜をモチーフとしたお守りや白狐の人形・手作りの土鈴など魅力的な授与品もたくさんあります。お土産にもぴったりです。
源九郎稲荷春季大祭
源九郎稲荷春季大祭は毎年4月の第1日曜日に開催されるお祭りです。源九郎狐が義経と静御前を吉野に案内した伝説にちなみ、子どもたちが狐のお面をかぶって白狐行列を行います。かわいらしい狐たちの行列は一見の価値ありです。
源九郎稲荷神社
アクセス情報
住所:奈良県大和郡山市洞泉寺町15
電話番号:0743-55-3830
拝観料:境内自由
駐車場:専用のものはなし
交通案内:近鉄大和郡山駅より徒歩8分