小網代の森
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三浦 小網代の森
森と湿地と干潟を川が結ぶ
関東唯一の奇跡の森

小網代の森は三浦半島の先端にある約70ヘクタールの森です。森の中心を流れる浦の川の集水域として、森林・湿地・干潟・海までがひとつながりになって残されています。このような環境が手つかずのまま残されている場所は、関東ではここだけです。自然のままの森の中には、多くの動植物が生息しています。

今回は小網代の森の楽しみ方や見どころをご紹介しましょう。

小網代の森は
どんなところ?

小網代の森は全国に点在する自然公園と何が違うのでしょうか?ここでは、小網代の森の特徴やその価値などををご紹介していきます。

自然がそのまま残る流域

小網代の森

手つかずの流域

小網代の森は水源となる森林・森林の中を流れる川・そして川が流れ込む河口にできた干潟までが未開発のまま保全されています。かつては、日本全国にそのような流域がありました。しかし、開発によってその数は減少し、現在では関東地方に残されている人の手が入っていない流域は小網代の森だけです。

その豊かな自然の中には、2,000種類以上もの動植物が生息しています。森の中には散策路が整備され、そこから貴重な動植物が観察可能です。

開発の危機を乗り越えた貴重な自然

小網代の森

小網代湾

小網代の森には、何度か開発計画も持ち上がっていました。しかし、森の持つ自然環境のすばらしさから県が自然環境の調査をした結果、平成7年に保全の方針が決定したのです。平成9年から平成22年まで15年をかけて、神奈川県は森を保全するのに必要な土地を買い取り続けました。

その後、平成24年から散策路の整備などが始まり、平成26年7月20日から一般公開が開始されています。

動植物を観察できる
ハイキングコース

小網代の森では散策路にそってハイキングを楽しむことができます。今回は、その通路に沿って見どころや注意点をご紹介していきましょう。

ハイキングの出発地点 引橋入口

引橋入口(小網代の森)

引橋入口

小網代の森を縦断するルートの出発点です。いったん森の中に入ってしまったら自販機や売店はありません。持ち物や装備をもう一度確認しましょう。

生態系の観察に最適 中央の谷

中央の谷 シダの群生(小網代の森)

中央の谷 シダの群生

中央の谷はまんなか湿地までの森林ゾーンです。浦の川の源流域で階段状の散策路が続いています。生き物だけでなくツユクサやスミレなどの植物も観察してみてください。

小網代の森を代表する生き物 アカテガニ

アカテガニ(小網代の森)

アカテガニ

アカテガニは陸上での生活に適応しつつあるカニです。海で生まれて幼生時代を過ごし、成体になると森に入って生活します。小網代の森を象徴する生き物です。定期的に観察会なども開かれています。

植生も変化するまんなか湿地

まんなか湿地(小網代の森)

まんなか湿地

まんなか湿地は文字どおり小網代の森のほぼ中央に位置する湿地帯です。この辺りから植生が変化していくので、その様子を観察してみてください。

八角形のデッキがあるやなぎテラス

やなぎテラス(小網代の森)

やなぎテラス

上流域と下流域の結節点にあたり、八角形のデッキが作られています。ちょっとした休憩にはぴったりの場所です。干潟も近くなってくるので、潮の香りもしてくるかもしれません。

休憩ポイントえのきテラス

えのきテラス(小網代の森)

えのきテラス

えのきテラスは段差があるデッキが作られているので、休憩ポイントとして利用されています。ただし、日陰はないので季節によっては熱中症に注意してください。お弁当を食べたりしたら、ゴミは持ち帰りましょう。

眺望テラスから小網代の森全体を眺める 

眺望テラス(小網代の森)

眺望テラスから

少し小高い場所にあるテラスです。ここからは:浦の川河口から小網代湾を望めます。今までたどってきた森も見ることができますので、記念撮影をするのもおすすめです。

川の終点 小網代湾

小網代湾(小網代の森)

小網代湾

小網代湾は川の終点でもある小さな湾です。ここに隣接している河口干潟にも、たくさんの生き物が暮らしています。海を眺めながら今までたどってきた道を思い返してみるのもよいですね。

河口側からの入り口 宮の前峠

宮の前峠は小網代の森の河口側からの入り口です。車で近隣まで来た方は、油壷市営駐車場に車を止めてこちら側から入場することもできます。干潮時は浜辺に沿って河口干潟まで歩くこともできますが、立ち入り禁止区域に入らないように気をつけましょう。

三浦七福神の一つ 白髭神社

白髭神社(小網代の森)

白髭神社

宮の前峠のすぐ近くにある神社です。三浦七福神の一つであり、長安寿老人が祀られています。海辺の神社らしく手水場にシャコガイが置かれてているので、見てみてください。トイレもありますので、宮ノ前峠入り口から森の中に入る人はここで済ませておきましょう。

季節ごとに変化する
小網代の森

小網代の森は、季節ごとに違った表情を見せます。見ごろとなる植物、観察できる生き物は季節ごとにどう変わっていくのでしょうか?ここでご紹介していきます。

生命の息吹あふれる春

春(小網代の森)

小網代の森の春

小網代の森の春は華やかです。木々からは新芽が出て、スミレなどの花が咲きます。ウグイスの鳴き声も聞くことができるかもしれません。アカテガニは春本番になると冬眠から目覚めるので、あちこちに姿を見ることができます。ヤブ蚊などもまだ発生していないので、森歩きには適した時期です。図鑑などを片手に森を散策してみてください。

ホタルの乱舞も楽しめる夏

夏(小網代の森)

小網代の森の夏

小網代の森は初夏になると、ホタルの乱舞が楽しめます。5月下旬~6月の上旬にはホタルの観察会も開催されるので、機会があったら参加してみてください。ほたるの観察会の時期だけは21時まで森の中に入ることができます。

夏本番になると、トンボとカニの観察も夏が最適な時期です。干潟を眺めているだけで、たくさんの種類のカニが観察できるでしょう。この時期の散策路は大変暑いので、帽子をかぶり水分を忘れずに持っていってください。

生き物の冬支度を観察できる秋

秋(小網代の森)

小網代の森の秋

秋になると小網代の森はだんだんと静かになります。ジュズダマやベニバラボロギクなどが花をつけますが、動く生き物は秋が深まるにつれて見つけにくくなってくるでしょう。この時期は植物観察がおすすめです。冬眠の準備をするアカテガニを観察することもできます。

静けさに包まれる冬

冬(小網代の森)

小網代の森の冬

小網代の森の冬はひっそりと静まり返っています。動くものは少なく、花も咲いていません。しかし、来年の春に向けて芽吹きの準備をしている木々の様子などを観察できます。また、木々が葉を落とすので、野鳥観察にも適した時期です。温かい格好をして冬のハイキングに出かけてみましょう。

小網代の森
まとめ

いかがでしたか?今回は小網代の森の魅力や楽しみ方をご紹介しました。三浦半島に残された最後の手つかずの自然は、私たちにいろいろなことを教えてくれるでしょう。ルールを守って楽しくハイキングや生物観察を行ってください。なお、NPO法人などが定期的に生き物の観察会なども開いていますので、参加してみるのもおすすめです。

05. 小網代の森
アクセス情報

住所:神奈川県三浦市三崎町小網代
問い合わせ:046-823-0210(横須賀三浦地域県政総合センター 環境部 みどり課)
入場可能時間:4月~9月 8時30分~19時/9月~3月 8時30分~17時
駐車場:なし
交通情報:京浜急行三崎口駅から徒歩約10分
公式ホームページhttp://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p820028.html#rekisi

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