宝蔵門は浅草を代表する寺院、浅草寺の門で、収蔵庫としての役割も果たしています。浅草寺の門というと雷門が有名ですが、宝蔵門も雷門に勝るとも劣らない見事な建造物です。二体の金剛力士像を安置していることから仁王門とも呼ばれ、門裏には大わらじがかけられています。
この記事では、宝蔵門の歴史や見どころをご紹介しましょう。
平安時代から続く
宝蔵門の歴史
宝蔵門は936年に平公雅(たいらのきんまさ)という武将によって建てられました。平公雅は平将門の乱に際して浅草寺に無事平定を祈願しており、それが叶った際の御礼として宝蔵門を建立したと伝えられています。江戸初期まで何度か火災で焼失しましたが、その度に同じ姿で再建されました。
1649年、三代将軍徳川家光が本堂と共に新たな宝蔵門を寄進します。1692年には、京都の曼殊院(まんしゅいん)で住職を務める良尚法親王(りょうしょうほうしんのう)筆による浅草寺の額が掲げられました。
1945年3月10日に起こった東京大空襲により、門は焼失します。現在の宝蔵門は、1964年(昭和39年)にホテルニューオータニの創業者である大谷米太郎氏によって再興されたものです。
寺宝が収蔵された
宝蔵門
現在の宝蔵門は二層(二階)の入母屋造りで、上層部に収蔵室が設けられています。宝蔵門の上層部に収納されているのは什宝物です。そのため、戦後に宝蔵門という名前がつきました。什宝物は通常非公開となっており、見ることはできません。門自体は雷門と同じく鉄筋コンクリート製で、柱に塗られた朱色が目にも鮮やかです。
ちょうちんと
吊り燈籠
宝蔵門には雷門と同じようにちょうちんが吊り下げられ、その横には吊り燈籠が架けられています。ちょうちんは日本橋小舟町奉賛会より奉納されたもので、高さ約4mと雷門の物より小ぶりです。そのため、ちょうちんには大きく「小舟町」と書かれています。
吊り燈籠は高さ約3m・重さ1トンの銅製で、1988年(昭和63年)に魚がし講より奉納されました。奉納以来、現在までに2回かけ替えられています。
仁王像と
大わらじ
宝蔵門の仁王像は、門が再建された1964年(昭和39年)に作られました。門の向かって左側に安置されている阿形像が錦戸新観氏の作、向かって右側に安置されている吽形像が村岡久作氏の作です。仁王像は朱色に塗られており、吽形像の方が若干背が高くなっています。
門の背後に吊るされている大わらじは、吽形像を作成した村岡久作氏の出身地である山形県村山市の奉賛会により奉納され続けているものです。大わらじは仁王の力を表わすもので、魔除けのご利益があるといわれています。わらじの奉納は1940年(昭和16年)から始まり、現在の大わらじは2014年(平成26年)に奉納されたものです。
宝蔵門
アクセス情報
住所:東京都台東区浅草2丁目3-1
電話番号:03-3842-0181
駐車場:近隣のコインパーキングを利用
交通案内:東京メトロ浅草駅から徒歩10分ほど
公式サイト:http://senso-ji.jp/