安国論寺は大町に位置する寺院で、日蓮宗の開祖、日蓮上人が最初に庵を造った場所に建てられています。日蓮上人が立正安国論を著したと言われる御法窟(日蓮岩屋)がある寺院としても有名です。鎌倉でも指折りの花の寺として有名で、四季折々の花を楽しむことができます。
この記事では、安国論寺の見どころや魅力をご紹介しましょう。
花の寺の
魅力
日蓮が修行をし立正安国論を書いたことで知られる安国論時は、花の寺としても有名です。境内にある樹齢350年のサザンカの木・妙法桜の2本が、鎌倉市の天然記念物に指定されています。
妙法桜は日蓮上人の杖が根付いたものという伝説があり、ここ以外では見ることができない山桜です。この他、シャガ・アジサイ・ツツジなどが植えられていて、1年中花が絶えることはありません。秋になると紅葉も楽しめます。
庵から始まった
寺院の歴史
安国論寺は、1253年にこの地にやってきた日蓮が修行のための庵を造ったことが始まりです。この地には、かつて鎌倉幕府書代執権・北条時政の屋敷がありました。日蓮上人はこの庵で修行をし、境内にある御法窟(日蓮岩屋)で記したのが立正安国論です。
日蓮上人はこの庵で約20年過ごしました。その後、日蓮の弟子である日朗が1260年に寺院を建てたと伝えられています。
時代の流れに翻弄されながらも、寺院が荒廃することはありませんでした。現在では、花の寺として観光客や近隣の方々に親しまれています。
安国論寺
見どころ
長い歴史を持つ安国論寺は、花以外にも見どころがあります。ここでは、その中でも必見の場所を紹介しましょう。
ツツジが美しい山門
安国論寺の山門は、こぢんまりとしていて緑に囲まれています。中でも、山門両側のツツジは5月になると見事な花を咲かせることで有名です。
この門の前には、かつて御傘松という松がありました。日蓮上人が説法をしていると枝を広げて日光や風雨から上人を守ったと伝えられています。
花に囲まれた本堂
安国論寺の本堂には、本尊の南無久遠実成本師釈迦牟尼仏が祀られています。本堂の前には樹齢350年のサザンカの他、紅白の花が乱れ咲く源平枝垂れモモが植えられ、境内でも美しい花が見られる場所として評判です。
かつては、本堂の前に鎌倉三大カイドウの一つに数えられた見事なカイドウの木も植えられていました。しかし、2012年(平成24年に)枯死が確認され、現在は伐採されています。
御法窟の前に建つ御小庵
御小庵は、日蓮上人が立正安国論を書いた御法窟の前に建っているお堂です。周囲には、立正安国論の碑や松葉谷日蓮上人遺跡の碑があります。近くにある桜は、日蓮の杖が根付いたという伝説を持つ妙法桜です。
歯の痛みを和らげてくれる熊王尊殿
熊王尊殿は、御小庵の脇に建つ小さな社です。日蓮の高弟である熊王が祀られており、参拝すれば歯の痛みを和らげてくれるといわれています。
高弟を荼毘に付した日朗上人荼毘所
日蓮上人の弟子、日朗を荼毘に付した場所です。日郎は熊王と同じ日蓮の高弟で、生涯にわたって日蓮に仕え続けました。日蓮が佐渡に流罪になった際には土牢に幽閉され、許されてからは何度も佐渡に出向いて日蓮と面会したと伝えられています。日蓮が佐渡から鎌倉に帰ってきたとき、出迎えたのも日朗でした。
1320年に日朗は亡くなりますが、その際に髪を下した安国論寺で荼毘に付してほしいと遺言を残します。その遺言は弟子たちによりかなえられました。現在、荼毘所には小さなお堂が建っています。
裏山の尾根にある鐘楼
安国論寺の鐘楼は裏山の尾根にあります。梵鐘に記されている文字は、南無妙法蓮華経と立正安国。日蓮上人の自筆を写したものです。
白猿に導かれた場所 南面窟
南面窟は安国論寺の裏山、その中腹にある洞窟です。日蓮が立正安国論を政府に手渡した40日後、念仏信者が草庵に来襲して庵を焼き討ちにしてしまいました。これを、松葉ヶ谷法案といいます。庵を追われた日蓮は、白猿に導かれてこの南面窟に避難しました。
安国論寺
アクセス情報
住所:神奈川県鎌倉市大町4-4-18
電話番号:0467-22-4825
拝観時間:9~17時
休日:月曜日
拝観料:志納
駐車場:なし
交通案内:JR横須賀線鎌倉駅から徒歩20分