井上靖文学館は静岡県長泉町にあるクレマチスの丘内に建つ文学館です。作家、井上靖氏の直筆原稿や写真・執筆時に使用した資料などが展示されており、氏の生涯をたどることができます。常設展の他、企画展やワークショップ・朗読会などのイベントも行なわれており、ファンならば楽しめること間違いなしです。
この記事では、井上靖文学館の魅力や見どころ・アクセス方法・入館料などをご紹介しましょう。
作家、
井上靖氏について
井上靖氏は、戦後すぐから平成の初めまで活躍した作家です。その作品は国内外に広く知られ、世界中にファンを持ちます。
井上靖氏は1907年(明治40年)に北海道の旭川に生まれ、18歳まで静岡県の三島市や沼津市で過ごしました。作家として本格的に活動を始めたのは1950年(昭和25年)、『闘牛』という作品で芥川賞を受賞してからです。
氏の作品は『しろばんば』や『あすなろ物語』といった自伝的な要素が強いものから、『天平の甍(いらか)』や『敦煌』などの歴史小説まで多岐にわたります。映像化された作品もたくさんあり、2007年には生誕百周年を記念して『風林火山』がNHKの大河ドラマとして作成されました。
氏の作品は人間の性質を優しく捉えていると評され、今なお新たなファンを増やし続けています。
井上靖文学館の
楽しみ方
井上靖文学館は1973年(昭和48年)に開館し、文学者が存命中に開館した文学館として当時は話題になりました。この項では、そんな文学館の魅力や見どころをご紹介しましょう。
井上靖の軌跡をたどる常設展
井上靖文学館では、氏の自伝的三部作といわれる『しろばんば』『夏草冬濤』『北の海』関連の資料を常設展示しています。映像コーナーでは井上靖氏本人が登場する映像が流れており、生前の貴重な話が聞けると好評です。
常設展では氏の写真や執筆時の資料なども展示されており、一通り見て回れば井上靖氏とその作品への理解が深まります。
企画展や講座
文学館では定期的に企画展や講座を開催しています。企画展では世間の流行に合わせた展示が行われることもあり、2016年には真田幸村に関連した展示も行われました。
講座は朗読会やワークショップが中心で、子ども向けの企画もあります。朗読会は氏の短編作品がアナウンサーなどによって朗読される会で、井上靖氏のファンだけでなく文学が好きな方にも人気です。
ミュージアムショップ
文学館に併設されているミュージアムショップでは、氏の作品はもちろんのこと、氏が好んで食べていたお菓子なども販売されています。氏の作品は何度も版を重ねており、最近のものは文字が大きくなってより読みやすくなりました。古い文庫本を愛読している方は、思い切って買い換えてみるのもいいですね。
井上靖文学館
アクセス情報
住所:静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-57
電話番号:055-986-1771
営業時間:10~18時(季節によって変動あり)
休館日:水曜日(祝日除く)・年末年始
入館料:大人400円/高・大学生200円/中学生以下無料
駐車場:あり
交通案内:JR三島駅から無料シャトルバス乗車
公式サイト:http://inoue-yasushi-museum.jp