大船観音寺は、巨大な白衣観音の胸像で有名な大船市にある寺院です。寺院とご本尊は同時に造られることが多いのですが、大船観音寺は白衣観音が先に建立され、後から寺院が作られた歴史を持ちます。東南アジアからの参拝者も多く、台湾やスリランカから僧を招いての奉納や伝統舞踊の奉納なども行われている国際色豊かな寺院です。
今回は、大船観音寺の見どころや魅力をご紹介します。
波乱万丈
観音寺の歴史
大船観音寺は、白衣観音建設の歴史でもあります。1929年(昭和4年)から「御国大観音」として建設が始まった観音像ですが、地形の関係で坐像から胸像へ変更を余儀なくされたり太平洋戦争が始まったりして、20年以上建設が中断されました。
1954年(昭和29年)に大船観音協会が発足し、ようやく観音像の建設が再開されます。観音像は多くの方の寄付によって1957年(昭和32年)に完成しました。
その後、観音像は大船観音協会によって管理され法要も行われてきましたが信仰の場へ移行したいという声が大きくなり、1979年(昭和54年)に宗教法人の認可を受けます。現在は曹洞宗の包括下になり寺院運営と法要が行われ、観音像は大船市のシンボル的な存在になりました。
東南アジアからの参拝者も多く、1999年(平成11年)から始まったゆめ観音アジアフェスティバルin大船というお祭りでは、東南アジア各国から僧侶が招かれて法要を行う他、伝統芸能の奉納・露天での民族工芸品の販売などが行われます。
信仰を集める
観音寺の見どころ
たくさんの参拝客が訪れ続ける観音時には、見どころがたくさんあります。ここでは、その中の一押しをご紹介しましょう。
法要の場 照心閣
森永乳業の創業者の大野勇氏が寄進した彫刻家北村西望氏の聖観音像が祀られている場所です。法要が行われる他、仏讃歌(讃美歌のように仏の偉業をたたえる歌)梅花流の講習会場としても使われています。
祈祷法要の会場 滋光堂
日曜参禅会や祈祷法要の会場となっている建物です。建物内には、平安時代に作られた一木造の聖観音立像が祀られていて、正月の3が日だけ公開されます。
寺院の中心 白衣観音像
寺院の中心である白衣観音は、巨大仏にはめずらしい胸像です。JR大船駅からもお姿がよく見えます。白衣観音は息災除病の仏として子宝や安産のご利益が篤く、子どもの無病息災を願う方の信仰も集めている仏様です。
白衣観音像の胎内には戦没者の位牌が祀られていて、原爆の灯を納めた石塔も安置されています。
風格ある山門
1985年(昭和60年)に三浦正夫氏によって寄進された山門です。風格ある重厚な造りをしています。
時を告げる鐘楼堂
1964年(昭和39年)に、味の素の3代目社長である鈴木三郎助氏らから寄進されたものです。現役の鐘楼で、毎日6時と正午に時を告げ続けています。
大船観音寺
アクセス情報
住所:神奈川県鎌倉市岡本1-5-3
電話番号:0467-43-1561
拝観料:大人300円・子ども100円
駐車場:なし
交通案内:JR大船駅から徒歩5分
公式サイト:http://www.oofuna-kannon.or.jp