等持院
?評価について

京都 等持院
夢窓疎石作の庭園が有名な
足利家の菩提寺

等持院は臨済宗天龍寺派の寺院で京都市北区、きぬかけの道に位置しています。室町時代初期に足利尊氏によって創建された寺院で、足利尊氏の墓所があることでも有名です。夢窓疎石(むそうそせき)が作庭したといわれる庭園が美しく、天龍寺の庭と並ぶ名園と評されています。

今回は、等持院の魅力や見どころ・歴史・アクセス方法・拝観時間などをご紹介しましょう。

室町時代から続く
等持院の歴史

方丈庭園(等持院)

方丈庭園

等持院は1341年に足利尊氏が等持寺の別院として創建しました。開山者(初代住職)は天龍寺の初代住職でもある夢窓疎石(むそうそせき)です。

足利尊氏が等持院に葬られたことをきっかけに、室町幕府の歴代将軍は等持院で葬儀をあげるのが慣例になっていきました。時代が下るにつれて、本寺である等持寺の方がさびれてしまい、やがて等持院と一つになります。

室町時代末期に起こった応仁の乱によって一度は伽藍が焼失しましたが、やがて豊臣秀吉をはじめとする戦国武将たちによって再興されました。

1932年(昭和7年)には、等持院の境内に等持院撮影所が造られ、たくさんの映画がここで撮影されます。その後、撮影所は住宅地へと変わり、等持院は往年の静けさを取り戻しました。

由緒ある
等持院の魅力

等持院は足利家の菩提寺として高い格式を持っていた寺院です。また、創建当初から現在まで移転しておらず、夢窓疎石作が作った庭も現存しています。この項では、そんな寺院の魅力をご紹介しましょう。

境内の自然

境内の自然(等持院)

秋の等持院

等持院の境内には多くの樹木や草木が植えられており、四季折々に異なる美しさが楽しめます。中でも豊臣秀頼が寺院を修復した際に植えたと伝わる樹齢400年の有楽椿は一見の価値ありです。その他にも、サツキやサルスベリ・芙蓉(フヨウ)などが季節ごとに美しい花を咲かせ、秋には紅葉も色づきます。

足利家ゆかりの品々

等持院には、室町幕府の将軍を務めた足利家ゆかりの品々が数多く所蔵されています。中でも霊光殿という建物の中に安置されている利運地蔵尊(りうんじぞうそん)は、足利尊氏の念持仏(私的に持ち歩いて拝んでいた仏像)と伝えられているものです。

等持院境内の
見どころ

この項では、等持院境内の見どころをご紹介しましょう。庭はもちろんのことそれ以外にも複数の見どころがあります。

方丈

方丈(等持院)

方丈

等持院の方丈は本堂にあたる建物です。現在の方丈は、1616年に福島正則(ふくしままさのり)によって妙心寺の塔頭寺院である海福院から移築されました。

達磨図(等持院)

達磨図

庫裏と方丈の境目付近には、大きな達磨図(だるまず)があります。これは、天龍寺と等持院の住職を務めた関牧翁(せきばくおう)の筆によるもので、ユーモラスな達磨の表情が印象的です。ちなみに、天龍寺にもよく似た達磨図が飾られています。

霊光殿

霊光殿には、足利尊氏の念持仏(ねんじぶつ)と伝わる利運地蔵尊(りうんじぞうそん)を中心に、足利義量(あしかがよしかず)と足利義栄(あしかがよしひで)を除く歴代将軍の木像と、徳川家康の木像が祀られています。一つ一つの像が等身大に近い大きさで、ずらりと並んだ様子は圧巻です。

方丈庭園

東庭 心字池(等持院)

東庭(心字池)

方丈庭園は方丈と書院の間にあり、東庭と西庭に分かれています。東庭は草書体の心を象って作られた心字池を中心に作られており、池の周囲にはモミジなど紅葉が美しい樹木が豊富です。東庭は室町時代に作られた庭の特徴がよく出ており、夢窓疎石が作庭したものと考えられています。

西庭 芙蓉池(等持院)

西庭(芙蓉池)

西庭は、芙蓉(ふよう)を象ったといわれる芙蓉池を中心に作られており、衣笠山を借景とした池泉回遊式庭園です。西庭は平面的な東庭に比べて立体的に造られており、方丈・書院・茶室である清漣亭(せいれんてい)の3か所から臨むことができます。書院では、西庭を眺めながら抹茶やほうじ茶をいただくこともでき、一服していくのもおすすめです。

清漣亭(茶室)

清漣亭(等持院)

清漣亭

清漣亭(せいれんてい)は、室町幕府の八代将軍足利義政(あしかがよしまさ)が建てた茶室です。現在の清漣亭は江戸時代に再建された入母屋造りの建物で、茅葺の屋根を持ちます。通常の茶室と異なり、清漣亭の部屋は床の一部が他の場所より一段高くなっている貴人床という造りです。高い場所に天皇や上流貴族など高貴な人が座り、庭や衣笠山の眺めを楽しんだと伝えられています。

清漣亭の西側には、明治時代に増築された四畳半の間を持つ茶室が造られており、併せて見学可能です。

尊氏公墓宝篋印塔

尊氏公墓宝篋印塔(等持院)

尊氏公墓宝篋印塔

尊氏公墓宝篋印塔(たかうじこうぼほうきょういんとう)は足利尊氏の墓と伝わる約1.5mの宝篋印塔で、庭の片隅にひっそりと佇んでいます。近くにある高さ約5mの石塔は、足利家十五代供養塔です。

等持院
アクセス情報

住所:京都府京都市北区等持院北町63
電話番号:075-461-5786
拝観時間:9~17時
拝観料:大人500円・子ども300円
駐車場:あり
交通案内:京福電車等持院駅下車、徒歩10分

等持院

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