永明院は、天龍寺境内にある塔頭寺院です。天龍寺七福神の一つ、恵比寿天を祀る寺院として知られています。天龍寺同様何度か大火にあいましたが、大正時代に再興されました。毎年2月3日の節分会には恵比寿天堂が開帳され、お札が授与されます。定期的に参加自由な座禅会が開催され、修行体験ができる寺院です。
今回は、永明院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
焼失と復興の連続
寺院の歴史
永明院は、1413年に夢窓疎石の法孫(孫弟子)にあたる太岳周祟(たいがくしゅうそう)禅師によって創建されました。天龍寺の塔頭寺院の一つとして栄えますが、1467年から始まった応仁の乱の戦火により天龍寺と一緒に焼失してしまいます。
その後、1593年に常滑(とこなめ)藩主水野信守によって再興されました。これがきっかけとなり、永明院は常滑水野家の菩提寺となります。1864年、蛤御門の変がきっかけで起こった兵火により、再び焼失してしまいました。
大正から昭和にかけて実業家山口玄洞氏の大寄進によって再び再興され、現在に至ります。
恵比寿天を祀る
寺院の見どころ
永明院は、恵比寿天が祀られていること以外はあまり知られていません。ここでは、寺院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
恵比寿天に詣でる
恵比寿天は、禅の開祖栄西禅師が中国から無事に帰国した際、旅の無事を祝してお祀りした神様です。永明院の恵比寿天は、十日えびすで有名な西ノ宮戎神社から阪急嵐山線開通の際に分神されました。
関西では、毎年1月9~11日に十日戎という大きな恵比寿様のお祭りがあります。このお祭りで授与されるのが福笹です。永明院では、2月3日にお札と共に福笹も一緒に授与します。十日戎に行けなかったという方にもおすすめです。
座禅会に参加する
永明院では、毎月第1日曜日の10時から定例座禅会を行っています。座禅を組めなくても大丈夫です。座禅は禅の修行の一種で、自分を見つめ直す意味があります。座禅会では30分の座禅を2回行いますが、心がすっきりして気持ちが落ちつくと評判です。座禅会についての問い合わせ方法は、公式サイトに記載されています。
夢地蔵尊に参拝する
境内には、1990年に19世國友憲道住職が建立した夢地蔵尊があります。夢を持って生き続けてほしいという住職の願いから、夢窓疎石の一文字をとってこの名がつけられました。かなえたい夢を持っている方だけでなく、夢に向かって歩き出そうかどうか迷っている方も参拝してみるといいですね。
永明院
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町60
電話番号:075-861-3249
拝観時間:8時30分~17時
駐車場:なし
交通案内:阪急嵐山線嵐山駅から徒歩10分