三秀院は、天龍寺境内にある塔頭寺院です。天龍寺七福神の一つ、大黒天を祀るお寺として知られています。この大黒天は、1864年の蛤御門の変に由来する天龍寺の大火でも被害を受けませんでした。そのため、霊験あらたかな大黒様として篤い信仰を集めています。
今回は、三秀院の魅力や見どころをご紹介しましょう。
天皇が中興した
寺院の歴史
三秀院は、1363年に夢窓疎石の後継者の不遷法序(ふせんほうじょ)を開基として建立されました。一度は焼失して荒廃しますが、寛文年間に後水尾天皇が中興します。
1864年に天龍寺が焼失した大火により、三秀院もまた焼失してしまいました。1876年(明治5年)に塔頭、養静軒を合併して現在の地に再興されます。1879年(明治7年)に山城国の瑞雲院とも合併しました。現在の本堂は1965年(昭和40年)に建てられたものです。
自然豊かな
寺院の見どころ
三秀院は2月3日の節分会と60日に1度巡ってくる甲子(かっし)の日以外は、人もまばらな静かな寺院です。ここでは、寺院の見どころや魅力をご紹介します。
霊験あらたかな大黒天を詣でる
三秀院の大黒天は、東向大黒天とも呼ばれ後水野尾天皇の念持仏(身近に置いておく仏像)だったと伝えられています。開運福徳のご利益が篤い仏様です。
2月3日の節分会に大黒天を祀っているお堂が開帳され、お札が授与されます。いつもは静かな寺院もこの日はにぎやかです。大黒天のお使いであるネズミにあやかり、甲子の日も参拝客が増えます。
風情ある庭を見学する
三秀院の庭は、小規模ですが手入れが行き届いて清潔な美しさが感じられます。地面をおおうコケや点在する石にも風情がありますから、ゆっくりと観賞するのがおすすめです。
門の外には萩が植えられていて、8月下旬から9月上旬あたりに可憐な花を咲かせます。
小さな石仏や仏足石を見る
三秀院の庭には、仏足石や小さな石仏が点在しています。仏足石とは仏様の足跡を石に刻み付けたもので、仏像が作られ始める前はこの石が信仰の対象でした。小さな石仏は1体ごとに表情が違い、親しみや優しさが感じられます。
三秀院
アクセス情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町64
電話番号:075-861-0115
拝観時間:8時30分~17時(天龍寺と同じ)
駐車場:なし
交通案内:阪急嵐山線嵐山駅から徒歩10分