平等院
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京都 平等院
十円硬貨のデザインで有名な
宇治を代表する寺院

京都府宇治市にある平等院は、十円硬貨のデザインになっていることで有名な寺院です。11世紀を代表する寺院で、平安時代の貴族が建立した寺院では唯一現存する貴重な史跡でもあります。1994年(平成6年)には世界遺産に登録されました。

この記事では、平等院の魅力や見どころをご紹介しましょう。

01. 別荘から始まった
平等院の歴史

平安時代、宇治は貴族の別荘地であり、平等院も最初は別荘でした。この項では、そんな平等院の歴史をかいつまんでご紹介します。

創建から江戸時代まで

平等院が建っている地は、元々は源融(みなもとのとおる)という左大臣の別荘でした。源融が亡くなった後、その息子が別荘を宇多天皇に献上したことから、何人かを介して998年に藤原道長の別荘、宇治殿になります。

道長が死去すると、1052年に道長の息子、頼道(よりみち)が別荘を寺院に改築しました。これが平等院の始まりです。

平等院は西方浄土を現世に再現させた寺院として、天皇をはじめとして貴族たちの篤い信仰を集めました。鎌倉時代になり武士が政権を握るようになっても、寺院は荒廃や衰退をすることなく栄え続けます。

1336年、楠木正成と足利尊氏の戦いにより伽藍の多くが焼失しますが、10円硬貨に描かれていることで有名な鳳凰堂だけは奇跡的に焼失を免れました。

安土桃山時代には、浄土宗の浄土院という寺院が鳳凰堂の西側に建立されます。

江戸時代から現代まで

江戸時代初期の1654年、天台宗の最勝院という寺院が浄土院のすぐ側に建立されました。1681年、寺社奉行の裁定によって平等院は天台宗と浄土宗の共同管理となります。この共同管理は現在まで続いており、1953年(昭和28年)には宗教法人平等院が設立されました。

廃仏毀釈や太平洋戦争も乗り越えて、平等院は大きな荒廃や伽藍の破損もなく現在に至っています。1994年(平成6年)には古都京都の文化財として世界遺産に登録され、海外にもその名と美しさが広く知られるようになりました。

2012年(平成24年)から2014年(平成26年)にかけて行われた平成の大改修工事によって、鳳凰堂をはじめとする平等院の伽藍群は創建当時の色鮮やかさを取り戻します。2016年に落成式が行われ、4年ぶりに鳳凰堂内部が見学できるようになりました。

02. 世界遺産
平等院の魅力

平等院は平安の昔から現在まで、人々の信仰を集め続けてきました。現在は、日本だけでなく海外からもたくさんの方が訪れています。この項では、そんな寺院の魅力をご紹介しましょう。

境内に咲く様々な花

平等院の境内には、たくさんの草花や樹木が植えられています。京都には桜や紅葉の名所がたくさんあることで有名ですが、平等院は藤の名所として名高い寺院です。

は平等院を建立した藤原氏の家紋にも使われている花であり、平等院のシンボルでもあります。樹齢約250年の藤は、4月下旬から5月上旬に見頃を迎え、歴史ある建物との組み合わせも見事ですよ。

の少し前には桜の花が楽しめ、藤の見頃が終わるとスイレンが見頃を迎えます。秋になると紅葉が美しく、11月下旬からは咲き誇るサザンカが冬枯れの景色に彩を添え、一見の価値ありです。

源平合戦の遺構

平等院は平安時代中期の遺構ですが、源頼政(みなもとよりまさ)の墓地と扇の芝は平安時代末期のものです。

源頼政は源頼朝より前に平家打倒のために挙兵した人物ですが、平氏に敗れて平等院境内で自害しました。頼政は宮中で鵺(ぬえ)退治をした人物として有名であり、源氏の流れをくむ武士としては異例の出世を遂げて公卿になった人物です。

浄土信仰が広く貴族たちの間に浸透していたことが分かる遺物であり、伽藍と併せて見学することで歴史の雄大な流れも感じられます。

03. 西方浄土を再現
平等院の見どころ

平等院は11世紀に流行した末法思想(まっぽうしそう)の影響を受け、西方浄土(さいほうじょうど)を表現した寺院です。この項では、そんな寺院の見どころをご紹介しましょう。

鮮やかな色彩の表門

平等院の表門は灰色の屋根と、朱色の柱や門とのコントラストが印象的です。以前は朱色が色あせて古色蒼然(こしょくそうぜん)とした雰囲気でしたが、現在は塗り直されて鮮やかさを取り戻しています。

頼政が自害した場所と伝わる扇の芝

扇の芝は、以仁王(もちひとおう)の綸旨(りんじ)によって挙兵した源頼朝が自害したと伝わる場所です。頼政はこの場所でまず扇を広げて辞世の句を詠み、その後西に向かって南無阿弥陀仏と唱えた後で自害したと言われています。

扇の芝の名は、扇形に芝が植えられているのが由来です。松の木や石碑もあり、盆栽のような趣があります。

重要文化財指定の観音堂

観音堂は鎌倉時代初期、本堂跡に再建された建物です。重要文化財に指定されていますが、内部は非公開なので外側のみの見学になります。

華やかさはありませんが、天平以来の格式高い様式にならって建てられていて、上品な雰囲気をかもしだしている建物です。

極楽浄土を再現した鳳凰堂

鳳凰堂は平等院の中心であり、本尊阿弥陀如来を祀る建物です。平等院の創建当時から残る唯一の建物で、現存する数少ない藤原摂関時代の遺構として、国宝に指定されています。水面に浮かんでいるように見えるのは、池の中島に建てられているからです。

内部中央には、座高約1.8mある金色の阿弥陀如来坐像が本尊として安置されており、その周囲の壁や扉には九品来迎図(きゅうひんらいごうず)が描かれています。阿弥陀如来坐像の背後にある壁に描かれているのは極楽浄土図(ごくらくじょうどず)です。

長押上(なげしうえ)の壁にかけられているのは、52体の雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつぞう)で、かつては色鮮やかに着色されていました。堂内の天井や梁には天女や楽器を演奏する童子・鳳凰・唐草文様などが描かれています。これらも今は色あせていますが、創建当時は極彩色に塗られていました。

天井から吊るされているのは銅製の鏡で、夜間に照明の光を反射するために用いられたものです。

鳳凰堂内部は、平安時代の人々が思い描いていた極楽浄土の姿を今に伝えています。ちなみに創建当時は阿弥陀堂、もしくは御堂と呼ばれ、鳳凰堂と呼ばれるようになったのは江戸時代に入ってからです。

緑とのコントラストが美しい鐘楼

平等院の鐘楼はモミジやカエデといった木々に囲まれています。以前は紅葉との組み合わせが見事でしたが、表門と同じく鮮やかな朱色に塗り直された現在は、深緑とのコントラストが素敵です。

白壁に沿って建つ南門

平等院の南門は表門と同じ造りで、今は創建当時の色彩が復元され、遠くからも目立つ明るい赤色になっています。白壁とのコントラストが美しい門です。

平等院ミュージアム鳳翔館

平等院ミュージアム鳳翔館は、旧宝物殿です。ここには平等院に伝わる寺宝をはじめとして、敷地内から発掘された平安時代の瓦や土器などが展示されています。

収蔵されているものの中には鳳凰(ほうおう)・梵鐘(ぼんしょう)など国宝や重要文化財もあり、国宝検索システムを使用すれば、展示されていない国宝も超精密画像で検索可能です。

創建当時の鳳凰堂内の様子を再現したコンピューターグラフィックスは、最新のデジタル技術を用いています。これを見れば創建当時、人々が見ていた堂内の様子がよく分かり、仏教美術に興味がある方は必見です。

ミュージアムでは、年に4回テーマを決めて展示会が行われています。展示会ごとに展示品が変わり、その内容は公式サイトに記載されているので、チェックしてから来館するのもいいですね。

桃山城の遺構 養林庵書院

養林庵書院は桃山城の遺構と伝えられている建物で、内部は宇治市指定文化財の障壁画や襖絵で飾られています。絵画の作者は狩野山雪とみなされていますが、正確なことは現在も分かっていません。内部は非公開で、外側だけの見学になります。

塔頭寺院浄土院

浄土院は浄土宗の栄久(えいく)上人が、15世紀後半に平等院修復を目的に建立したと伝えられる寺院です。現在は平等院の管理を最勝院と共に行っています。

宇治市指定の文化財 羅漢堂

羅漢堂(らかんどう)は、茶師である星野道斎(ほしのどうさい)とその弟子たちにより、1641年に建立されました。 主要部材が建立当時のまま状態よく保存されており、鏡天井に描かれている龍はまだ彩色も鮮やかです。

平氏に敗れた源頼政の墓地

源頼政の墓地は、扇の芝で自害した源頼政の墓所と伝わる石塔です。毎年5月26日には頼政忌という法要が営まれ、墓前には今も花や供物が絶えません。

最勝院の本堂 不動堂

不動堂は、浄土院と共に平等院を管理している最勝院の本堂です。本尊と並んで修験道の祖、役小角(えんのおづの)の像が安置されています。隣接している地蔵堂に祀られているのは、珍しい地蔵菩薩坐像(座っているお地蔵さまの像)です。

平等院塔頭最勝院

最勝院は浄土院と共に平等院を管理している天台宗の塔頭寺院です。1654年、京都東洞院六角(とうどういんろっかく)にある勝仙院という寺院の僧が移り住み、建立しました。これにより、平等院と中世以来疎遠になっていた天台宗が復帰します。

04. 平等院の
楽しみ方

平等院は、伽藍やミュージアムを見学する以外に楽しみ方があります。この項ではその一例をご紹介しましょう。

境内でお茶を楽しむ

平等院の境内には日本茶専門カフェ、茶房藤花があります。全国的にも有名なお茶の産地である宇治らしく、いろいろなお茶が楽しめる茶房です。

中でも冷茶はワイングラスに入れて提供されるので、まるでワインのようにお茶の甘味や後口が楽しめます。境内をひと巡りして程よく疲れたところで利用するのもいいですね。窓が大きく取ってあるので、境内の景観も楽しめます。

夜間拝観で幻想的な鳳凰堂を見学する

平等院では不定期に夜間拝観を行っています。定期的に夜間拝観を行っている寺院のように実施日時が決まっていないので、夜間拝観を行いたい方は公式サイトをこまめにチェックしているといいですね。

旅行社のツアー向けに夜間拝観を実施することもあるので、該当するツアーに参加すると確実に夜間拝観が楽しめます。

ミュージアムショップを利用する

鳳翔館のミュージアムショップには、展示品をモチーフとしたグッズが数多く販売されています。どれもセンス良く普段使いできるものも多いので、お土産にもおすすめです。ブックマーカーや一筆箋などは、幅広い年代の方に喜ばれますよ。

05. 平等院
まとめ

いかがでしたか? 今回は平等院の魅力や見どころをご紹介しました。鳳凰堂があまりにも有名なため、そこだけ見学して帰ってしまう方もいますが、他にも見どころがたくさんあります。宇治は京都市内から行くには少し時間がかかるので、県外から見学に訪れる場合は時間に余裕をもって行くとよいですね。じっくりと伽藍を見学したいという方は、半日程度時間を取ると境内の隅々まで見ることができます。

06. 平等院
アクセス情報

住所:京都府宇治市宇治蓮華116
電話番号:0774-21-2861
拝観時間:8時30~17時30分(鳳凰堂内部は16時10分まで・ミュージアムは17時まで)
拝観料:大人600円 中高生400円 小学生300円 鳳凰堂内部拝観:別途300円
駐車場:付近のパーキングを利用
交通案内:JR 京阪宇治駅より徒歩10分
公式サイトhttp://www.byodoin.or.jp

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