宝泉院
?評価について

京都 宝泉院
樹齢700年を超える松と
三つの庭が美しい寺院

京都大原にある宝泉院(ほうせんいん)は、勝林院の子院として平安時代末期に建立されました。勝林院にはかつて四つの子院がありましたが、現在でも残っているのは実光院と宝泉院の二つだけです。こぢんまりとした寺院ながら見どころが豊富で、特に三つの庭と樹齢700年を超える松は一見の価値があります。拝観にはお抹茶とお菓子がつき、声明(しょうみょう)と呼ばれる仏教声楽が常に流れているのも特徴です。

この記事では、宝泉院の見どころや魅力・アクセス方法・拝観料をご紹介します。

01. 声明道場子院
宝泉院の歴史

山門(宝泉院)

山門

宝泉院は、1012年に声明道場として建立された勝林院の子院として創建されました。開基者や創健者の名前については今現在もはっきりとわかっていません。

大原という都からやや離れた地に建てられたのが良かったのか、京都市内にある寺院が権力者によって取り潰されたり時流に乗り損ねて衰退したりする所が多い中で、特に衰退や荒廃をすることもなく明治時代を迎えます。

明治になると、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響で四つあった子院のうち普賢院と理覚院に住む人がいなくなりました。この二院は現存するもう一つの子院である実光院に合併されます。

宝泉院も一時住む人がいなくなった時期があったようですが、それでも合併されることも廃寺になることもありませんでした。現在は、庭が美しい寺院として観光客に親しまれています。

02. 見どころ豊富な
宝泉院

千年以上の歴史を持つ宝泉院には、見どころがたくさんあります。ここでは、特に必見の場所をご紹介しましょう。

額縁庭園の別名を持つ盤桓園

盤桓園(宝泉院)

盤桓園

宝泉院にある庭の一つ盤桓園(ばんかんえん)は、客殿の西側に位置しています。客殿にある柱と柱の間を額縁に見立てて観賞するため、額縁庭園とも呼ばれている名園です。盤桓は立ち去りがたいという意味があります。

この庭にあるのが、京都市の天然記念物に指定されている樹齢700年を超える五葉の松です。松以外にも竹林の緑が美しく、秋には紅葉が楽しめます。名前通り立ち去りがたい庭なので、じっくりと時間をかけて観賞するのがおすすめです。

沙羅双樹がある鶴亀庭園

鶴亀庭園(宝泉院)

鶴亀庭園

鶴亀庭園は江戸時代中期に造られた庭園で、部屋から格子越しに観賞します。池の形が鶴、築山が亀を表わしておりサザンカの古木が表わしているのは蓬莱山(ほうらいさん)です。

樹齢300年の沙羅双樹が植えられていることでも知られています。秋の紅葉が美しいと有名ですが、夏に深緑が作り出すコントラストも見事です。

樹齢700年を超える五葉の松

五葉の松(宝泉院)

五葉の松

五葉の松は京都市の天然記念物に指定されており、高浜虚子が俳句に詠んだことでも知られています。額縁庭園と同じ場所から観賞しますが、視界一杯に広がる幹が見事です。

近江富士をかたどって整えられていますが、見る人によっていろいろな形にも見えます。地面の苔や周辺にある小さな樹木、石灯籠との組み合わせも美しいですよ。

伏見城の遺構 血天井

血天井(宝泉院)

血天井

宝泉院の書院は、江戸時代中期に再建されました。この時、天井板に使われたのが伏見城の床板です。伏見城では、関ヶ原合戦前に徳川家康の家臣である鳥居元忠と数百名の家来が豊臣軍に攻められて城内で自害しました。

床板にはその時についた血の跡が残っており、供養のために天井板に使ったと伝えられています。

声明に使う楽器 石盤

石盤は美しい音が出るサヌカイトという石で作られています。明治時代に宝泉院の住職を務めた深達僧正が、声明の音階を調べるために愛用していました。深達僧正は、声明の大家として有名な僧侶です。

珍しい二連式の水琴窟

水琴窟(宝泉院)

水琴窟

宝泉院に置かれた水琴窟は、理智不二(りちふに)と名付けられています。水琴窟とは底に穴をあけた甕(かめ)を逆さに埋め、水を落とすことで共鳴音を楽しむ装置です。

宝泉院の水琴窟は珍しい二連式で、通常のものとは一風変わった音色が楽しめます。癒しの音色として来訪者に人気です。

くつろげる囲炉裏の部屋

囲炉裏の部屋(宝泉院)

囲炉裏の部屋

宝泉院には囲炉裏が設置された部屋があります。囲炉裏の縁は珍しい陶板(とうばん)製です。庭を眺めながら静かに語りを楽しめる場所として、来訪者に親しまれています。

最も新しい庭 宝楽園

宝楽園(宝泉院)

宝楽園

宝楽園は、2005年(平成17年)に整えられた宝泉院三つ目の庭です。心の内にある仏様や神の世界を岩組・樹花・白砂等で表わしています。小さい空間に色々な庭の特徴が縮されており、色々な見方ができる庭です。

院内に流れる声明

声明(しょうみょう)は主に天台宗で用いられる仏教声楽で、お経を独特の節回しで音曲のように唱えます。西洋音楽のメロディとは全く異なる音階と独特の節回しは、不思議な美しさです。聞いているうちに心が穏やかになってきます。声明は日本音楽の原点として琵琶曲や謡曲(ようきょく)・長唄や演歌にまで影響を与えました。宝泉院の境内では、声明がずっと流れています。

03. 宝泉院
アクセス情報

住所:京都府京都市左京区大原勝林院町187番地
電話番号:075-744-2409
拝観時間:9~17時(入寺は16時30分まで)
拝観料:大人800円・中高生700円・小学生600円(お菓子とお抹茶付き)
駐車場:あり
交通案内:JR京都駅・京阪電鉄出町柳駅から大原行バス乗車、大原下車、徒歩15分
公式サイトhttp://www.hosenin.net/

宝泉院

ページへ

そのカテゴリーで訪れる価値のある場所
遠回りしてでも訪れる価値のある場所
そのために旅行する価値のある場所