箱根関跡は江戸時代の交通史跡です。現在、ここでは江戸時代の技術を使って完全復元された箱根関所が公開されています。今回は、箱根関所の見どころや魅力をご紹介しましょう。時代劇や時代小説が好きな方なら、復元された建物や公開されている資料に夢中になれること間違いなし。また、学校で歴史を勉強している子どもにもおすすめのスポットです。
現代によみがえった箱根関所
その魅力とは
箱根関所は平成19年に完全復元が完了し、一般公開が始まりまりました。ここではその魅力などについてご紹介していきます。
交通の要所に設けられた監視所
関所とは江戸時代に街道を監視する目的で全国に設置された施設です。箱根関所が特に有名だったのは、江戸・大阪・京都を結ぶ最重要街道である東海道上にあり、江戸にも近かったため。箱根関所では特に、江戸から出ていく女性を特に厳しく監視していました。これを出女といいます。また、京都から江戸に鉄砲が持ち込まれるのも厳しく監視されました。時代劇でも箱根関所が登場するシーンはたくさんありますね。
箱根関所は1869年にその役目を終えて建物などは壊され、その跡地は国の史跡となりました。その後、平成11年に改めて跡地の発掘調査が行われ、その結果を踏まえて大規模な復元工事が開始されました。平成19年、ようやく完全復元が完了し江戸時代の箱根関所がよみがえったのです。
調度品まで完全復元
箱根関所は江戸時代の技術や当時の道具で建物を復元していることでも有名です。しかし、復元されているのは建物だけではありません。箱根の関所役人が書き残した箱根関所日記書抜を参考に、関所内に置かれていた調度品や武器・武具なども完全復元。さらに、関所の仕事を人形で再現しているので、当時の関所の雰囲気がより見学者に伝わりやすくなっているのです。
箱根関所には資料館も付属しています。そこではテーマ別に関所についての資料を展示しているので、ぜひ足を運んでみてください。特に、大名行列のミニチュア展示は大人から子どもにまで人気があります。
ここは見逃せない
箱根関所の注目スポット
箱根関所は敷地も広く、見どころもたくさんあります。今回はその中でも特に見逃せないスポットをご紹介しましょう。
京都側の入り口 京口御門
京口御門は高さ6.1mの高麗門という形式で建築された門です。屋根は栩葺(とちぶき)という厚みがでる葺き方がされ、渋墨塗り(しぶすみぬり)という伝統的な技法で黒く塗られています。この門は京都側に向かって建っているため、京都から江戸に行く旅人が利用しました。
江戸側の入り口 江戸口御門
江戸口御門は、江戸から京都方面へ行く旅人が利用した門です。造りは京口御門と同じ。江戸から京都へ向かう旅人はこの門の前で身支度を整え、門をくぐって関所の審査に臨みました。
関所の中核 大番所
箱根関所の一番主要な建物です。2棟が継がれた造りになっている建物で、街道側の建物が大番所になります。ちなみに、芦ノ湖側の建物は上番休息所と呼ばれ、大名の接待や上級役人の休憩所として使われていました。大番所内にある面番所の縁側で行なわれていたのが、江戸から出ていく女性の審査です。面番所内には人形や調度品が置かれ、当時の仕事光景が再現されています。
牢屋もある 足軽番所
関所内では大判所に次いで大きな建物で、名前の通り足軽(下級武士)が詰めていたり眠っていたりした場所です。番所内には牢屋もあり、関所破りをした罪人が一時的に留め置かれていました。
審査待合所 江戸口千人溜
江戸口千人溜は、江戸口御門の前に広がっている広場です。京口御門の前にも同じような広場があり、そこは京口千人」と呼ばれています。江戸からやってきた旅人は、門の前で支度を調えてこの千人溜で通行手形が審査される順番待ちをしました。東海道は江戸時代の主要な街道の中で最も利用者が多かったので、審査されるまで長い時間がかかることもあったのです。
箱根関所
まとめ
いかがでしたか?今回は、江戸時代の技術や道具を使って復元された箱根関所の見どころや魅力についてご紹介しました。時代劇が大好きという方や歴史に興味がある方はもちろんのこと、昔の建築物に興味がある方もおすすめの場所です。時間がたつのを忘れるくらい楽しめますよ。
箱根関所
アクセス情報
住所:神奈川県足柄下郡箱根町箱根1番地
電話番号:0460-83-6635
営業時間:9~17時(12月~2月は16時30分閉館)
入場料:大人500円 子ども250円
駐車場:なし(近隣の駐車場が利用できます)
交通案内:JR小田原駅・箱根湯本駅から箱根町行バス乗車箱根関所跡下車徒歩2分
公式サイト:http://www.hakonesekisyo.jp/index.html