化野念仏寺
?評価について

京都 化野念仏寺
数千体の仏像を祀る
幽玄の美

化野(あだしの)念仏寺は、嵯峨野の奥まった場所にある浄土宗の寺院です。化野(あだしの)の「あだし」とは、はかない・むなしいといった意味があります。かつてこの辺り一帯は、葬送の地でした。現在、化野念仏寺に祀られている数千体の石仏や石塔は、この地に葬られた死者を弔うために作られたものです。

今回は、化野念仏寺の魅力や見どころをご紹介しましょう。

葬送の地に建った
寺院の歴史

参道(化野念仏寺)

化野念仏寺の参道

化野念仏寺は平安時代に弘法大師が五智山如来寺を開創し、野ざらしだった遺体を埋葬したのが始まりと伝えられています。その後、浄土宗の開祖法然上人が念仏道場にして今の寺院名に改めました。現在の本堂は、1711年に寂道上人が再建したものです。

境内に祀られている数千体の石仏や石塔は、化野一帯に葬られた人々のお墓でした。しかし、年月がたつにつれて無縁仏が多くなり、石仏・石塔の多くが荒れ果てたまま山野に転がっていたと伝えられています。明治中期、散乱していたこれらの石仏や石塔を地元の人々と協力して境内にお祀りしました。現在、石塔や石仏が祀られている場所は西院の河原と呼ばれています。

石塔・石仏を
見学する

石塔・石仏(化野念仏寺)

石塔と石仏群

化野念仏寺というと、西院の河原の風景が最も有名です。風化で小さくなったり苔むしたりした石塔や石仏がずらりと並んでいる様子は、見る人に寂しさと無常の美しさを感じさせます。見学しているうちに誰もが自然と静かになる場所です。

化野念仏寺の秋(化野念仏寺)

化野念仏寺の秋

西院の河原は枝垂桜やモミジ・カエデの木に囲まれており、春や秋には美しい風景を作りだします。他の桜や紅葉の名所のように観光客で境内が賑やかになることはあまりありません。訪れる人は静かに美しい風景を観賞していきます。

竹林と
六面体地蔵を見る

竹林の小道(化野念仏寺)

化野念仏寺にある竹林の小道

本堂の脇には、短いですが竹林の小道があります。風情ある道を上がっていくと墓地がありますが、その入り口に祀られているのが六面体地蔵です。六面体地蔵とは6面体の石柱に6体のお地蔵様が彫ってあるもので、順番に水をかけて拝みます。

六面体地蔵(化野念仏寺)

六面体地蔵

お地蔵さまは苦しんでいる衆生を救ってくれる仏様です。念仏寺にはこの他に、延命地蔵尊や水子地蔵尊が祀られています。

千灯供養に
参加する

毎年8月23・24日には、千灯供養が行われます。この日はお地蔵さまの縁日である地蔵盆の日です。西院の河原に祀られている無縁仏の石塔・石仏の前にろうそくをともして供養します。ろうそくのあかりに照らされた石仏や石塔は幻想的です。

境内が1年で1番賑わう日ですが、屋台などお祭りらしいものはなにもありません。訪れた方が次々と石仏・石塔の前にろうそくを灯していく静かなお祭りです。誰でも参加できますが、混雑防止のために長居はできません。

化野念仏寺
アクセス情報

住所:京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17
電話番号:075-861-2221
拝観時間:9~16時30分(12~2月までは15時30分 臨時休観あり)
拝観料:大人500円 中高生400円 中高生以下無料
駐車場:なし
交通案内:京福電鉄嵐山駅から清滝行バス乗車、鳥居本下車 徒歩5分
公式サイトhttp://www.nenbutsuji.jp

化野念仏寺

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