八坂庚申堂(金剛寺)
?評価について

京都 八坂庚申堂(金剛寺)
くくり猿や蒟蒻炊きで有名な
日本最古の庚申堂

京都東山区八坂の塔のすぐ側にある金剛寺は、八坂庚申堂の通称で親しまれている天台宗の寺院です。大阪の四天王寺庚申堂やすでに失われてしまった東京の入谷庚申堂と並んで、日本三大庚申堂に数えられています。くくり猿と呼ばれる独特のお守りが境内にたくさん奉納されており、蒟蒻炊き(こんにゃくだき)や庚申(こうしん)待ちなど、行事も豊富です。

この記事では、八坂庚申堂(金剛寺)の魅力や見どころをご紹介します。

八坂庚申堂(金剛寺)
の歩み

境内(八坂庚申堂)

境内

八坂庚申堂(金剛寺)は、平安時代初期に浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)という僧侶によって建立された寺院です。

金剛寺が建立されている場所には、もともと大陸から日本に渡ってきて繁栄した秦氏の守り本尊、青面金剛が祀られていたと伝えられています。浄蔵貴所は、すべての人が青面金剛をお詣りできるように寺院を建立したということです。

平安時代になると、中国から庚申信仰が日本に伝わってきました。庚申とは庚申(かのえさる)の日を指し、この日に体の中から三尸の虫(さんしのむし)がはいでて、天帝(道教の最高神)にその人の悪行を告げ口するといわれています。庚申信仰とは、三尸の虫を食べると伝えられている青面金剛(せいめんこんごう)という仏様を信仰し、庚申の日に様々な祭事を行うものです。その中でも庚申待ちは特に有名な行事で、庚申の日に眠らずに青面金剛を拝みます。庚申堂はもともと青面金剛を祀るお堂でしたが、庚申信仰が広まるにつれて庚申待ちに使われるようになりました。

八坂庚申堂(金剛寺)の
見どころ

八坂庚申堂は、現在でも庚申信仰が行われている日本でも数少ない寺院です。この項では、そんな八坂庚申堂の魅力や見どころをご紹介しましょう。

願掛けのお守り くくり猿

くくり猿(八坂庚申堂)

くくり猿

くくり猿は、八坂庚申堂で授けてもらえるお守りです。手足をくくった猿の姿をしており、胴体はカラフルな布地で作られています。猿は人間の欲望の象徴です。この欲望を戒めることで、願いが叶うといわれています。

一体ずつのくくり猿の他、大小5つのくくり猿が連になったものもありますので、好みに合わせて選ぶといいですね。願い事が叶ったらくくり猿を境内に奉納します。境内には願が叶って奉納されたくくり猿がたくさんあり、華やかです。

八坂庚申堂の周辺の民家や商店の軒先には、連になったくくり猿をぶら下げているところがたくさんあります。

庚申の日に開催される行事

八坂庚申堂では、年に6日ある庚申の日に庚申待ちと蒟蒻炊き(こんにゃくだき)が行われます。蒟蒻炊きは、八坂庚申堂を建立した浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)が、父親に蒟蒻を食べさせて病気を治したという逸話にちなんだ行事です。猿の形にくり抜かれた蒟蒻を北を向いて無言で3つ食べると無病息災の効果があるといわれています。

庚申待ちは、一晩中眠らずに本尊の青面金剛を拝む行事です。庚申待ちの時に願掛けをおこなうとどんな願いも叶うといわれています。どうしても叶えたい願い事がある場合は、参加をしてみるといいですね。

なお、参加できない場合には、代持灯明を奉納する方法もあります。1基千円以上で授与してもらった灯明に願い事を書いて奉納しましょう。一晩中堂内で明かりを灯しておいてもらえます。

八坂庚申堂(金剛寺)
アクセス情報

住所:京都府京都市東山区金園町390
電話番号:075-541-2565
参拝時間:9~17時
拝観料:境内自由
駐車場:なし
交通案内:JR京都駅から86系統、100系統のバスに乗車、清水道下車、徒歩7分

八坂庚申堂(金剛寺)

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