瑞泉寺

京都 瑞泉寺
豊臣秀頼公の菩提を弔う
こぢんまりとした寺院

瑞泉寺は、三条大橋のたもとにある浄土宗の寺院です。豊臣秀吉によって切腹を命じられた豊臣秀次と三条河原で処刑された秀次の妻子を弔うために建立されました。境内には、豊臣秀吉と妻子たちの墓所や無念の死をとげた人々の霊を慰める地蔵堂があります。

この記事では、瑞泉寺の魅力や歴史・アクセス方法などをご紹介しましょう。

江戸時代から続く
瑞泉寺の歴史

境内(瑞泉寺)

境内

瑞泉寺は、江戸時代の初期に琵琶湖疎水の設計者として知られる豪商、角倉了以(すみくらりょうい)が立空桂叔和尚(りっくうけいしゅくおしょう)に開山(初代住職)を依頼し、建立した寺院です。

角倉了以は、1611年に鴨川のすぐ側を流れる高瀬川の開削工事に着手します。その際、鴨川の岸辺で荒れ果てていた豊臣秀次とその妻子の遺骸が埋葬された塚を見てあわれに思い、塚を供養して秀次公たちの菩提を弔うために寺院を建立しました。

瑞泉寺は建立からずっと豊臣秀次とその妻子の菩提を弔い続けて現在に至ります。最近では、大河ドラマの影響もあり、豊臣秀次ゆかりの寺院を訪ねる参拝者も増えてきました。

年に一度の
特別公開

瑞泉寺は通常、豊臣秀次と妻子の墓所と地蔵堂のみが公開されています。寺宝である瑞泉寺裂(きれ)や秀次事件のあらましを描いた秀次公縁起(ひでつぐこうえんぎ)などは、年に一度だけ特別公開されるので、それに合わせて寺院を訪れるのもおすすめです。2016年の公開時には、たくさんの参拝客が訪れました。

瑞宝寺の住職である中川学氏は、現役のイラストレーターでもあります。特別公開中は住職のイラストがついた特別な御朱印も授与されるので、御朱印を集めている方にも一押しの展示会です。

瑞泉寺境内の
見どころ

この項では、瑞泉寺境内の見どころをご紹介しましょう。現在、瑞泉寺の周りは京都屈指の繁華街になっていますが、一歩境内に入ると静かな雰囲気に包まれ、落ちついた気持ちで参拝ができます。

本堂

瑞泉寺の本堂は、大きくはないものの、どっしりとして風格を感じさせる建物です。ガラス戸越しに本尊の阿弥陀如来像を拝観できます。

本堂は通常非公開ですが、イベントや特別公開が行われる際は中に入ることができるので、それに合わせて訪れるのもおすすめです。イベントの内容や日時は公式サイトから確認できます。

秀次公とご一族の墓域

豊臣秀次の墓(瑞泉寺)

豊臣秀次の墓

山門を入って右手奥に位置するのが、豊臣秀次とご一族の墓域です。豊臣秀次は罪に問われて切腹を申しつけられたので、死罪になった妻子共々、瑞泉寺ができるまでは一つの塚に葬られていました。

現在、墓域には秀次の首が入っていると伝えられている石櫃(いしびつ)と合祀墓、処刑された妻子の名前と年齢が刻まれた石塔が建てられています。線香をあげたり、ろうそくを灯したりすることも可能です。

地蔵堂

地蔵堂には、地蔵尊を中心に豊臣秀次と妻子・家臣ら49体の像が祀られています。この地蔵堂は、豊臣家を敬愛する豊公会によって、1941年(昭和16年)に修理されました。地蔵尊もこの時に安置されています。

この地蔵尊は、秀次の妻子が処刑される際に無事に成仏できるようにと刑場に持ちこまれた仏像にちなんで作られ、引導地蔵とも呼ばれているものです。妻子の像はどれも華やかで、秀次が栄華を極めていた頃が偲ばれます。現在は、内部には入ることはできませんが、ガラス戸越しに見学することが可能です。

瑞泉寺
アクセス情報

住所:京都府京都市中京区木屋町通三条下る石屋町114−1
電話番号: 075-221-5741
拝観時間:7~17時
拝観料:無料(特別公開の際は有料)
駐車場:なし
交通案内:三条京阪駅から徒歩5分
公式サイトhttp://zuisenji-temple.net

瑞泉寺

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