三嶋大社(三島観光)
?評価について

三島 三嶋大社
キンモクセイが美しい
源頼朝も信仰した神社

三島市大宮町に位置する三嶋大社は、地名である三島の由来にもなっている神社です。長い歴史を持ち、奈良・平安時代に書かれた書物の中にも記録が残っています。源頼朝をはじめとする武将から東海道を行き来する旅人まで、たくさんの人々に信仰されてきました。境内の景色も美しく、キンモクセイは国の天然記念物に指定されています。

この記事では、三嶋大社の歴史や魅力・見どころ・アクセス情報などをご紹介しましょう。

三嶋大社の
ご利益

三嶋大社の主祀神は、恵比寿様とも呼ばれる商売繁盛の神様です。ここでは、そんな神様が祀られている神社のご利益をご紹介します。

  • 商売繁盛
  • 事業繁栄
  • 開運必勝
  • 災害除け
  • 家内安全

千年以上続く
三嶋大社の歴史

三嶋大社の始まりについて正確なことは現在も分かっていません。しかし、平安時代中期には延喜式という書物に名が登場し、格式の高い神社に送られる名神大の称号を得ていたことから、千年以上の歴史があることは確かです。

奈良・平安時代、三嶋大社の周囲に住む人々は、伊豆諸島にある火山の噴火を沈めてくれるご利益があるとして神社を篤く信仰していました。平安末期には、伊豆へ流されてきた源頼朝が、平家打倒と源氏再興を神社に熱心に祈願していたといいます。

源頼朝は平家を打倒した後、神社に深く感謝して様々な神宝を贈りました。その中でも頼朝の妻である北条政子奉納と伝わる梅蒔絵手箱(うめまきえてばこ) 及び内容品一具は素晴らしく、現在は国宝に指定されています。

源頼朝が信仰して以来、三嶋大社は多くの武家から信仰を集めました。近代になると東海道が整備され、三島には宿場町がつくられます。これによって、往来を行く旅人も旅の安全を神社に祈願するようになりました。

明治になると、三嶋大社は官幣大社(かんへいたいしゃ)に列せられます。1999年(平成12年)には社殿が重要文化財に指定されました。

歴史ある
三嶋大社の魅力

三嶋大社は千年以上の間この地に鎮座し、人々の信仰を集め続けてきました。この項では、そんな神社の魅力をご紹介します。

歴史的な価値が高い神宝

参道(三嶋大社)

参道

三嶋大社は、国宝に指定されている梅蒔絵手箱(うめまきえてばこ) をはじめとして、歴史的価値の高い神宝を多数所有しています。これらの宝物は、境内の宝物館に所蔵されており自由に閲覧可能です。ただし、梅蒔絵手箱(うめまきえてばこ) だけは本物ではなく精巧な複製品となっています。複製品の製造工程がビデオ上映されているので、展示品と併せて見るのも面白いでしょう。

境内に植えられた多様な草花

神池(三嶋大社)

桜が美しい神池

約1万5千坪の境内には、たくさんの樹木や美しい花を咲かせる多様な草花が植えられています。四季折々に違った景色を見せ、春には桜、初夏にはあじさいが見事です。秋にはキンモクセイが見頃を迎え、その甘い芳香は約8キロ四方に香るといわれています。

信仰を集め続けた
三嶋大社の見どころ

人々の信仰を集め続けた三嶋大社は現代でも広い境内を持ち、その中には見どころがたくさんあります。この項では、その中でも特に必見の場所を鳥居から順番にご紹介しましょう。

小豆島の御影石で造られた大鳥居

大鳥居(三嶋大社)

大鳥居

三嶋大社の入り口に建つ大鳥居は、1863年に建立されました。小豆島から取れた御影石を使って造られており、社格にふさわしい立派なものです。

交通安全の霊石 たたり石

たたり石(三嶋大社)

たたり石

たたり石は、大鳥居のすぐ近くにある大きな石です。江戸時代には神社前を通る旧東海道の真ん中に置かれ、行きかう旅人を整備する役目を担っていました。しかし、石をどかそうとすると災いが起こることが分かり、いつの頃からかたたり石と呼ばれるようになります。大正時代に神社の境内に移されてから災いは起きなくなり、今では交通安全を守る霊石になりました。

若山牧水の歌碑

若山牧水の歌碑(三嶋大社)

若山牧水の歌碑

厳島神社の対岸には、若山牧水の歌碑が建っています。若山牧水は明治から昭和初期にかけて活躍した歌人で、1920年(大正9年)には三島市の隣にある沼津市に住んでいました。歌碑には、三嶋大社の夏祭りを訪れた際に詠んだ短歌が刻まれています。

源頼朝ゆかりの相生松

相生松(三嶋大社)

相生松

若山牧水の歌碑近くにあるのが、相生松(あいおいのまつ)です。源頼朝が源氏再興を神社に参拝して祈願した際に、従者の盛長という人物が警護をした場所とという言い伝えが残っています。現在は黒松と赤松が同じ根から生える相生の松が植えられ、地元の人の間では縁起の良い場所として有名です。

北条政子が信仰した厳島神社

厳島神社(三嶋大社)

厳島神社

厳島神社は、源頼朝の妻である北条政子が宮島の厳島神社から移したと伝えられています。鮮やかな赤色に塗られた小さな社は遠くからでもよく目立ち、初夏になると社周辺のアジサイが見事です。家門繁栄や商売繁盛・安産・裁縫上達のご利益があるといわれています。

昭和初期に建てられた総門

総門(三嶋大社)

総門

三嶋大社の総門は、1931年(昭和6年)に建てられた昭和の神社建築を代表する建物です。建築当初は、台湾ヒノキが使われたことでも話題となりました。旧総門は改修されて芸能殿に再利用されていますので、見比べてみるのもいいですね。

神宝が展示されている宝物館

宝物館(三嶋大社)

宝物館

宝物館には梅蒔絵手箱(うめまきえてばこ)のレプリカをはじめ、多くの神宝が展示されています。一階の一部は貸しギャラリーとなっており、各種教室などとして利用可能です。1年を通じていろいろなイベントが行われています。

総門を改築した芸能殿

芸能殿(三嶋大社)

芸能殿

現在の芸能殿は、新しい総門が完成した後、矢田部盛治が江戸時代に築いた旧総門を改築して再利用したものです。長方形の建物で、歴史風格が感じられます。

頼朝夫妻が使った腰掛石

腰掛石(三嶋大社)

腰掛石

腰掛石は総門をくぐった先にある大小の石です。源頼朝が源氏再興を祈願するために神社を参拝した際、妻の政子と共に腰かけて一休みしたという伝説が残ってます。

戦後に造られた神馬舎

神馬舎(三嶋大社)

神馬舎

神馬舎(しんめしゃ)は神様が乗る御神馬を納めている建物です。神馬舎の中に納められている神馬は、江戸時代に造られました。神馬は戦前まで別の場所に安置されていましたが、戦後すぐに神馬舎が建設されたためこの場所に移され、現在に至ります。

この神馬には、毎朝神様を乗せて箱根の山に登っているという伝説が残され、戦前の神官たちは「お馬様が帰った」と言ってから朝食をとっていました。

子どもの成長と健脚を神馬舎に祈るという風習があり、今でも多くの方が参拝に訪れる場所です。

矢田部盛治の像

矢田部盛治像(三嶋大社)

矢田部盛治像

矢田部盛治の像は、1952年(昭和29年)に矢田部盛治の功績を讃えて造られました。矢田部盛治は幕末に三嶋大社の神職を務めた人物です。社殿の造営や社領の開墾に力を尽くして神社と周辺地域を発展させました。幕末に起こった戊辰戦争では、伊豆伊吹隊(いずいぶきたい)を結成して新政府軍が東京へ攻め上る手助けをしています。

行事が行われる客殿

客殿(三嶋大社)

客殿

客殿では、御祈祷や結婚式などが行われています。社務所のすぐ裏に位置している建物です。

神域への入り口 神門

神門(三嶋大社)

神門

神門は、俗世と神域を分けるといわれている門です。唐破風(からはふ)が印象的で、正門の両脇にも小さなくぐり戸があります。これから先は神域になりますので、静かに参拝しましょう。

ひっそりと建つ芭蕉句碑

芭蕉句碑(三嶋大社)

芭蕉句碑

芭蕉句碑は神鹿園のすぐ近くにあり、自然石に近い形の石に俳句が刻まれています。この句は、松尾芭蕉によるもので、三嶋大社境内に咲くセンダンの花を見ながら江戸に残した妻を偲んで詠んだものです。

樹齢1200年のキンモクセイ

キンモクセイ(三嶋大社)

キンモクセイ

三嶋大社の境内にあるキンモクセイは樹齢1200年を超える古木で、1934年には国の天然記念物に指定されています。これだけ巨大なキンモクセイが見れるのは全国的に見ても三嶋大社だけでしょう。秋になると見事な花が咲き、その芳香は四里四方(約8キロ)まで届くと言われています。

神事が行われる舞殿

舞殿(三嶋大社)

舞殿

舞殿(ぶでん)は、古くは祓殿(はいでん)と呼ばれ、神楽祈祷を神様へ奉納する場所でした。現在は1年を通して神事が行われている他、結婚式の会場としても利用されています。欄間(らんま)と小壁には、二十四孝という中国の故事を題材とした彫刻が彫られています。

重要文化財指定の本殿

本殿(三嶋大社)

三嶋大社の本殿は、本殿・幣殿・拝殿からなる権現造(ごんげんづくり)の複合社殿で、御殿と称されることもあります。2000年(平成12年)には重要文化財に指定されました。

現在の社殿は江戸末期に起きた安政の大地震後に再建されたものです。社殿の形式は江戸時代初期に三代将軍徳川家光が造営したものを踏襲しています。

本殿各所に彫られている彫刻は、伊豆国名工の小沢希道と駿河国名工の後藤芳治良がその腕を競い合って造ったといわれる見事なものです。

三嶋大社の
行事

三嶋大社では、1年を通じていろいろな行事が行われています。この項では、その中でも旅行者が見て楽しめるものをご紹介しましょう。

毎年8月に行われる例祭

三嶋大社の例祭の開催時期は、毎年8月15・16・17日の3日間です。15日が宵祭り、16日が本祭り、17日が後鎮祭となっています。手筒花火神事や流鏑馬(やぶさめ)などたくさんの行事が行われ、大勢の参拝客でにぎわう人気行事です。

この間、三島市では三島夏祭が行なわれます。源頼朝の武者行列再現をはじめとする様々な催しは、地元の方をはじめ観光客にも好評です。

田祭とお田打ち神事

田祭は毎年1月7日に行われる行事で、奉納されるお田打ち神事は静岡県無形民俗文化財に指定されています。お田打ち神事は白と黒のお面をつけた人物が稲作の1年を狂言風に再現する芸能です。平安時代より始まったと伝えられており、室町時代に現在の形になりました。

三嶋大社総門の横にある福太郎茶屋では福太郎餅が販売されています。これは、お田打ち神事に出てくる福太郎という登場人物に由来するお菓子です。こしあんに包まれたたよもぎ餅で、古くから三嶋大社の名物として知られています。店内で食べることができますので、田祭を見物しながら味わうのもおすすめです。

金木犀の夕べ

金木犀の夕べはキンモクセイの花が見頃になる9月に行われる行事で、樹霊を和ませて芳香を愛でる催しです。毎年実施日が変わりますので、参加したい方は公式サイトをチェックしましょう。

三嶋大社
まとめ

いかがでしたか? 今回は三嶋大社の見どころや魅力についてご紹介しました。見どころがたくさんある神社ですので、時間をとって拝観するのがおすすめです。宝物殿に陳列されている神宝は一見の価値があります。行事も多いので、その時期に合わせて訪れるのもおすすめです。

三嶋大社
アクセス情報

住所:静岡県三島市大宮町2-1-5
電話番号:055-975-0172
駐車場:あり
交通案内:JR三島駅より徒歩7分
公式サイトhttp://mishimataisha.or.jp

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