野宮神社は嵐山にある平安時代から続く神社です。源氏物語の中にも、野宮に関する記述があります。かつては斎王(伊勢神宮に仕える皇族)に選ばれた皇女や女王が伊勢に行く前に身を清める場所でした。現在では、縁結びや子宝安産のご利益がある神社として有名です。
今回は、野宮神社の魅力をご紹介します。
野宮神社の
ご利益
- 縁結び
- 子宝安産
- 商売繁盛
- 交通安全
- 財運向上
- 芸能上達
- 鎮火勝運
潔斎の場だった
神社の歴史
野宮とは、斎王が身を清める場所の総称で京都に複数存在します。斎王というのは、天皇の代わりに伊勢神宮に仕える皇女や女王のことです。斎王に選ばれると、伊勢へ行く前に野宮で身を清めるのが習わしでした。
野宮神社は、嵯峨天皇の皇女仁子内親王が斎王に選ばれた時に身を清めた場所です。彼女以降、斎王に選ばれた皇女や女王はここで身を清めた後、伊勢に下りました。
野宮が身を清める場から神社になったのは、南北朝時代のことです。衰退していた時期もありましたが皇族の庇護を受けて再興し、現在に至ります。
歴史ある
神社の魅力
長い歴史を持つ野宮神社の境内は自然が豊かで見どころも豊富です。今回は、神社の見どころや魅力をご紹介します。
潔斎の場の名残を見る
野宮神社の鳥居は、クヌギの木を樹皮がついたまま利用した黒木鳥居と呼ばれる物です。鳥居としては最も古い原始的な形の物で、聖地としての歴史の長さが感じられます。神社の見どころとしてよく紹介される小柴垣は、かつて聖と俗を隔てる結界の役目を担っていました。
ちなみに、天皇が即位後に初めて行う新嘗祭である「大嘗祭」で使われる建物は、野宮神社と同じように小柴垣で囲まれ黒木鳥居が建てられます。
野宮じゅうたん苔を見る
境内には、嵐山の風景を苔で表わした「じゅうたん苔」と呼ばれる苔庭があります。白砂で現されているのは保津川です。苔に覆われた渡月橋が白砂の上にかかっています。
秋になると苔の上に紅葉した葉が散り、格別の美しさです。嵐山に苔の名所はたくさんあります。じゅうたん苔はその中ではマイナーな存在ですが、美しさでは引けを取りません。時間をかけて観賞するのがおすすめです。
斎宮行列を見物する
野宮神社では、毎年10月に斎王が伊勢に下る「斎王群行」を再現する「斎宮行列」が行われます。時代装束をまとった人々が野宮神社を出発し、嵯峨嵐山駅・天竜寺前・渡月橋などを巡る華やかな行列です。
行列を見物するのも楽しいですが、事前に予約すれば有料で時代装束を着て行列に参加できます。時間に余裕がある方は参加してみるのも楽しいですよ。参加費や申し込み方法は公式サイトに記載されています。
野宮神社
アクセス情報
住所:京都市右京区嵯峨野宮町1
電話番号:075-891-1972
拝観時間:9~17時
駐車場:なし
交通案内:京福電鉄嵐山駅から徒歩5分
公式サイト:http://www.nonomiya.com/index.html