浄智寺
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北鎌倉 浄智寺
中国式鐘楼門が珍しい
鎌倉五山第四位の寺

浄智寺は、北鎌倉駅からほど近い場所にある臨済宗円覚寺派の寺院です。鎌倉五山第四位の寺院であり、鎌倉時代に創建されてから何度か火事や震災に遭遇しましたがその度に復興してきました。境内は自然が豊かで鎌倉江の島七福神の一つ、布袋尊が祀られています。

この記事では、浄智寺の歴史や魅力をご紹介しましょう。

自然豊かな
浄智寺の魅力

浄智寺は山に抱かれるように建つ寺院で、境内は自然が豊かです。ここでは、そんな浄智寺の魅力をご紹介しましょう。

境内を彩る草花や古木

コウヤマキ(浄智寺)

コウヤマキ

鎌倉の寺院というと、アジサイをイメージする方も多いと思います。浄智寺の境内にはアジサイはもちろんのこと梅・桜・アヤメ・コスモスなどが植えられ、1年中何らかの花が楽しめる場所として有名です。特に、タチヒガン桜は神奈川県の名木百選に選ばれています。

この他、鎌倉一の大きさのコウヤマキや5月に見事な白い花を咲かせる白雲木(沙羅双樹)などがあり、境内を歩くだけでちょっとした森林浴気分が味わえると評判です。

ハイキングがてら鎌倉名所を巡る

浄智寺は葛原岡ハイキングコースの一部になっています。浄智寺の他、鎌倉大仏や銭洗弁財天など鎌倉名所を巡れる人気のコースです。未舗装ではありますが整備された道を歩くので、初心者でも大丈夫。朝一番に浄智寺を訪れ境内の拝観し、そのまま裏山からハイキングコースに入って鎌倉名所を徒歩で巡るのもおすすめです。

鎌倉時代から続く
寺院の歴史

境内(浄智寺)

浄智寺の境内

浄智寺は鎌倉幕府の五代執権、北条時頼の次男である宗政が29歳の若さで没した際、その菩提を弔うために建立された寺院です。開基は宗政の夫人とその子、師時だと伝えられています。

1299年、北条貞時によって浄智寺は鎌倉五山に列せられ、室町時代には大いに栄えました。1356年、火災によって創建当初の伽藍は焼失してしまいますが、すぐに方丈や書院など主な建物は再建されたと伝えられています。寺院の財政が豊かだったからこそできたことです。

戦国時代から江戸時代初期にかけては北条氏康や徳川家康を始め、戦国大名からたびたび寄進がありました。江戸時代になると寺院はかつての勢いを失ってしまいます。それでも荒廃しきったり廃寺になることはありませんでした。

浄智寺は、1923年(大正13年)の関東大震災でほとんどの建物が倒壊してしまいます。その後、時間をかけて仏殿などの一部の建物は新しく建てなおされ、山門や鐘楼門は復元されました。現在、寺院は古刹の雰囲気を残し四季折々の花が楽しめる寺院として観光客や近隣の方に親しまれています。

浄智寺に建つ
建築物の見どころ

長い歴史を持つ浄智寺の建築物は見どころが豊富です。ここでは、その中でも一押しをご紹介しましょう。

時代を感じさせる惣門

惣門(浄智寺)

惣門

浄智寺の惣門は大きくはありませんが、歴史を感じさせる風情ある佇まいです。掲げられている扁額の文字は「宝所在近」(ほうしょざいきん)と読みます。これは経文の一節で、「宝(さとり)は思っている以上に近くにあるから、それに早く気付くよう修行に励みなさい」という意味です。

門のすぐ近くには鎌倉十井の一つ、甘露の井があります。

鐘つき堂を兼ねた鐘楼門

鐘楼門(浄智寺)

鐘楼門

惣門を抜けると二重の屋根を持つ中国式の立派な門が見えます。これは鐘楼門(山門)といい、鎌倉市でこの門がある寺院はここだけです。その名の通り鐘楼を兼ねており、2階部分が鐘つき堂になっています。現在の鐘楼門は2007年(平成19年)に建て替えられたもので、境内では一番新しい建物です。

古民家のような書院

書院(浄智寺)

書院

仏殿の裏手にある茅葺屋根の書院は、寺院の建物というより古民家のような素朴な風情が感じられる建物です。内部は非公開ですが、外から室内をうかがうことはできます。

書院前の庭は梅・アヤメ・コスモス・月見草などが植えられ、四季折々に美しい花が楽しめる境内でも人気の場所です。

三体の仏像が祀られた仏殿

仏殿(浄智寺)

曇華殿と名付けられている仏殿

浄智寺の仏殿は曇華殿(どんげでん)と名付けられています。曇華とは3千年に一度如来の降臨とともに開花するといわれる架空の花、優曇華に由来していて、貴重な仏様を祀るお堂という意味です。

祀られている仏様は阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒如来の3体で、それぞれ過去・現在・未来を表わしています。室町時代に作られ、神奈川県の文化財にも指定されている貴重な仏像です。

仏殿の前には3本のビャクシンの古木があり、こちらは鎌倉市の天然記念物に指定されています。

素朴な石仏 子安観音

子安観音(浄智寺)

子安観音

子安観音は子どもを抱いた観音様で、安産のご利益があるといわれています。浄智寺の子安観音は、鎌倉で最も大きなコウヤマキの根元に安置されている素朴な石仏です。

優し気な顔をした仏様の体は風雨で摩耗していますが、それがかえって風情を感じさせます。

石仏や石塔が祀られたやぐら

石仏・石塔(浄智寺)

石仏・石塔

境内の奥にはやぐらと呼ばれる横穴があります。これは鎌倉時代に作られた墓所です。平地が少ない鎌倉では、柔らかい山肌をくり抜いて墓所として使っていました。浄智寺のやぐらには、小さな石仏や石塔が祀られています。

鎌倉江ノ島七福神の一つ布袋尊

布袋尊(浄智寺)

布袋尊

布袋尊は中国の唐の時代に実在した僧であり、七福神の1人です。浄智寺の布袋尊は石の立像でやぐら近くにひっそりと安置されています。富貴繁栄のご利益があるといわれ、参拝者が絶えることはありません。像の周りはいつもきれいに掃除されて花が供えられています。

浄智寺
まとめ

いかがでしたか? 今回は浄智寺の魅力や見どころをご紹介しました。禅寺の古刹ですから華やかさよりも落ちついた風情が感じられる寺院です。知名度が高くない分、いつ訪れても比較的ゆっくりと拝観できます。4月上旬から6月にかけては桜・白雲木・アヤメ・アジサイが次々と見ごろを迎えるので、おすすめの時期です。

浄智寺
アクセス情報

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1402
電話番号:0467-22-3943
拝観時間:9~16時30分
拝観料:大人200円 子ども100円
駐車場:あり(20台)
交通案内:JR横須賀線北鎌倉駅より徒歩8分

浄智寺

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