塚山公園は、標高133mの小高い場所にある公園です。そこから見える景色は「かながわの景勝50選」にも選ばれているほど見事で、見晴台「港が見える丘」も設置されています。眼下には横須賀港と横須賀の町並みが広がり、天気が良ければ猿島・房総半島・横浜みなとみらい地区なども眺めることができるでしょう。
横須賀有数
桜の名所
塚山公園は、横須賀有数の桜の名所です。見晴台のすぐ下にはさくら谷と呼ばれる場所があり、ソメイヨシノ・ヤマザクラ・オオシマザクラなど約1,000本の桜が植えられています。この桜が一斉に開花する様子は壮観です。
毎年3月中旬から4月初旬には塚山公園さくら祭りが開催されます。公園内に屋台も出店され、県内外から多くの観光客が訪れる大規模なお祭りです。三浦按針祭観桜会も開かれ、大勢の人が桜の下で按針の功績を偲びます。
家康の外交顧問
三浦安針 縁の地
塚山公園は徳川家康の外交顧問であった三浦安針(ウィリアム・アダムス)と縁の深い地としても有名です。別名、三浦安針墓所ともいい、三浦按針とその妻の供養塔が建てられています。
三浦按針の供養塔がこの場所に建てられたのは、本人の遺言によるものです。三浦按針は、もともとウィリアム・アダムスというイギリス人でした。彼はオランダの東インド会社がインドへ派遣した艦隊の水先案内人でしたが、1600年に航海中に嵐に遭い、九州に漂着します。その後、航海術や天文学の知識を持って徳川家康の外交顧問に就任し、三浦按針という日本名になります。彼は生涯故郷に帰ることなく、日本人の妻をめとり日本で没しました。彼の墓は、本人の遺言で江戸城が望める場所に建てられましたが、鎖国によって三浦按針の功績は次第に忘れられていきます。
三浦按針とその妻の墓が再び整備されたのは、明治時代のこと。在日英人や日本人の有志が墓の大改修を行い、明治39年に現在の場所に安針塚が建立されます。昭和初期になると、有志がこの塚を中心とした私有地を寄贈し、公園が造られました。国の史跡にも指定されているスポットですので、歴史好きの方はぜひ立ち寄って彼の数奇な運命に思いをはせてみてください。
塚山公園
アクセス情報
住所:神奈川県横須賀市西逸見町3丁目
電話番号:046-823-2439(管理事務所)
駐車場:なし
交通情報:京急安針塚駅、京急逸見駅から徒歩約25分